本文書は,『認知科学』執筆要領の一部で,「10. 本文中での文献の引用」と「11. 文献リスト」の部分を切り離して詳述するものである.
以下の内容は,APA Style に基づいている.具体的には,Publication Manual of the Americal Psychological Association, 7th edition (2020) にほぼ準拠している(例も一部拝借している).日本語に特有の部分については,『日本心理学会 執筆・投稿の手びき(2015年改訂版)』にほぼ準拠しているが,この手引きは Publication Manual, 6th edition に基づくことから,両者が矛盾する箇所(主に,下記の Edition による違い)については 7th edition を優先している.
以下の説明において,赤字は,Publication Manual of the APA, 7th ed. (2020) の 6th ed. (2009) からの主要変更点である.緑字は,『認知科学』の『日本心理学会 執筆・投稿の手びき(2015年改訂版)』との相違点である.
6th ed. (2009) | 7th ed. (2020) | |
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本文中での文献の引用 |
著者が2名以下の場合:常に全員の名前を書く. 著者が3名〜5名の場合:初出時のみ全員の名前を書く.2回目以降は第1著者名のみを書き,第2著者以降の著者名は et al.(和文表記文献の場合は「他」)と省略する. 著者が6名以上の場合:常に第1著者名のみを書き,第2著者以降の著者名は et al.(和文表記文献の場合は「他」)と省略する. |
著者が2名以下の場合:常に全員の名前を書く. 著者が3名以上の場合:常に第1著者名のみを書き,第2著者以降の著者名は et al.(和文表記文献の場合は「他」)と省略する. |
文献リスト:著者 | 著者が7名以下の場合:全員の名前を書く. 著者が8名以上の場合:第1著者から第6著者までを書き,(欧文表記文献の場合はカンマに続けて)3点リーダ(…)を置いて,最後の著者を書く(計7名). |
著者が20名以下の場合:全員の名前を書く. 著者が21名以上の場合:第1著者から第19著者までを書き,(欧文表記文献の場合はカンマに続けて)3点リーダ(…)を置いて,最後の著者を書く(計20名). |
文献リスト:巻号 | 雑誌の号は省略する(号ごとにページ番号がリセットされるものを除く). | 雑誌の号は必ず入れる. |
文献リスト:出版社 | 出版社の住所は必須. | 出版社の住所は入れない. |
文献リスト:DOI | DOIは,doi: xxxxxx のように表記. | DOIは,https://doi.org/xxxxxx のように表記. |
本文中で文献を参照する際は,原則として著者の姓の後に発表年を西暦で記す.詳しくは以下の要領による.
なお,欧文文献で用いる “et al.”(“and others” の意味)は省略された部分が複数形であることを前提とするので,省略が最終著者のみになる場合は全著者名を書き出す。
Kapoor, Bloom, Montez, Warner, & Hill (2017) → Kapoor, Bloom, Montez, et al. (2017) Kapoor, Bloom, Zucker, Tang, Koroglu, L'Enfant, Kim, & Daly (2017) → Kapoor, Bloom, Zucker, et al. (2017)
日本語文献の場合は「他」を用いるため,この例外規則は当たらない。
Hasan, Liang, Kahn, & Jones-Miller (2015) → Hasan, Liang, Kahn, & Jones-Miller (2015) Hasan, Liang, Kim, & Weintraub (2015) → Hasan, Liang, Kim, & Weintraub (2015)
榎本・小野・清河・小林 (2021) → 榎本・小野・清河他 (2021) 榎本・小野・小松・米田 (2021) → 榎本・小野・小松他 (2021)
(J. M. Taylor & Neimeyer, 2015; T. Taylor, 2014)筆頭著者の姓もイニシャルも一致する欧文文献は,通常の姓と年号による方法で引用する.ただし,明示的に区別する必要がある場合はフルネームを書く.
(鈴木一朗・山田, 2014; 鈴木大地, 2020)
Sarah Wiliams (2019) は…と述べているが,Shonda Williams (2020) は…としている.
本文中で参照した文献は,本文の後に以下の要領でまとめてリストにする.
以下に文献リストの項目の例を種類別に示す.洋書タイトル・洋雑誌名はイタリック,和洋雑誌巻番号もイタリックとする.
雑誌名は略記しない.洋雑誌名はタイトルケース(主要語 major word を大文字)とし,慣例により The は省略する.雑誌の号は省略せず括弧に入れて記す.
Miller, G. A. (1956). The magical number seven, plus or minus two: Some limits on our capacity for processing information. Psychological Review, 63(2), 81–97. https://doi.org/10.1037/h0043158
本文中での引用(括弧形式): … (Miller, 1956).
本文中での引用(叙述形式): Miller (1956) …
Oaksford, M., & Chater, N. (1994). A rational analysis of the selection task as optimal data selection. Psychological Review, 101(4), 608–631. http://doi.org/10.1037/0033-295X.101.4.608
本文中での引用(括弧形式): … (Oaksford & Chater, 1994).
本文中での引用(叙述形式:日本語): Oaksford & Chater (1994) は,…
本文中での引用(叙述形式:英語): Oaksford and Chater (1994) have shown …
山本 淳一・楠本 千枝子 (2007). 自閉症スペクトラム障害の発達と支援 認知科学, 14(4), 621–639. https://doi.org/10.11225/jcss.14.621
本文中での引用(括弧形式): … (山本・楠本, 2007).
本文中での引用(叙述形式): 山本・楠本 (2007) によれば,…
Johnson, M. H., Oliver, A., & Shrager, J. (1998). The paradox of plasticity: A constrained plasticity approach to the emergence of representations in the neocortex. Cognitive Studies: Bulletin of the Japanese Cognitive Science Society, 5(2), 5–24. https://doi.org/10.11225/jcss.5.2_5
本文中での引用(括弧形式:初出と2回目以降の区別なし): (Johnson et al., 1998)
本文中での引用(叙述形式:初出と2回目以降の区別なし): Johnson et al. (1998)
片桐 恭弘・石崎 雅人・伝 康晴・高梨 克也・榎本 美香・岡田 将吾 (2015). 会話コミュニケーションによる相互信頼感形成の共関心モデル 認知科学, 22(1), 97–109. https://doi.org/10.11225/jcss.22.97
本文中での引用(括弧形式:初出と2回目以降の区別なし): (片桐他, 2015)
本文中での引用(叙述形式:初出と2回目以降の区別なし): 片桐他 (2015)
Alogna, V. K., Attaya, M. K., Aucoin, P., Bahník, Š., Birch, S., Birt, A. R., Bornstein, B. H., Bouwmeester, S., Brandimonte, M. A., Brown, C., Buswell, K., Carlson, C., Carlson, M., Chu, S., Cislak, A., Colarusso, M., Colloff, M. F., Dellapaolera, K. S., Delvenne, J.-F., … Zwaan, R. A. (2014). Registered replication report: Schooler and Engstler-Schooler (1990). Perspectives on Psychological Science, 9(5), 556–578. https://doi.org/10.1177/1745691614545653
本文中での引用(括弧形式:初出と2回目以降の区別なし): (Alogna et al., 1990)
本文中での引用(叙述形式:初出と2回目以降の区別なし): Alogna et al. (1990)
青山 一郎・浅川 二郎・石川 三郎・伊藤 四郎・猪原 五郎・小野 六郎・金井 七郎・清河 八郎・小松 九郎・米田 十郎・佐治 十一・下嶋 十二・高橋 十三・寺井 十四・鳥居 十五・西崎 十六・林 十七・坊農 十八・眞嶋 十九 … 丸山 最後 (2020). 特集「若手研究者の認知科学」編集にあたって 認知科学, 27(3), 248–249. https://doi.org/10.11225/cs.2020.000
本文中での引用(括弧形式:初出と2回目以降の区別なし): (青山他, 2020)
本文中での引用(叙述形式:初出と2回目以降の区別なし): 青山他 (2020)
印刷物が刊行前で巻号やページ数が未定である場合に限り,早期公開論文を引用する.刊行年の表記は公開年とし,早期公開である旨とDOIを明記する.
Roelofs, A. (2014). Modeling of phonological encoding in spoken word production: From Germanic languages to Mandarin Chinese and Japanese. Japanese Psychological Research. Advance online publication. https://doi.org/10.1111/jpr.12050
山川 真由・清河 幸子 (2020). 共通点の探索による「目立たない」知識の活性化の促進 認知科学 Advance online publication. https://doi.org/10.11225/cs.2020.002
Sperling, G. (1960). The information available in brief visual presentations. Psychological Monographs: General and Applied, No. 498. https://doi.org/10.1037/h0093759
鈴木 啓介 (2020). バーチャルリアリティと変性意識体験 心理学ワールド, No. 88, 17–20.
Rosenschein, S. (1987). Formal theories of knowledge in AI and robotics, Report No. CSLI-87-84. Stanford: Center for the Study of Language and Information, Stanford University. (ローゼンシャイン, S. 斎藤 浩文(訳)(1990). AIとロボット工学における知識の形式理論 現代思想, 6(3), 127–139.)
Leuker, C., Samartzidis, L., Hertwig, R., & Pleskac, T. J. (2018). When money talks: Judging risk and coercion in high-paying clinical trials. PsyArXiv. https://doi.org/10.17605/OSF.IO/9P7CB
姜 露・針生 悦子 (2009). 自動詞・他動詞構文の理解の発達:中国語を母語とする子どもの場合 東京大学大学院教育学研究科紀要, 49, 207--215.
内閣府 (2014). 平成26年度版防災白書 日経印刷
Chomsky, N. (1957). Syntactic structures. Mouton.
佐伯 胖・佐々木 正人(編)(1990). アクティブ・マインド 東京大学出版会
Osaka, N., Rentschler, I., & Biederman, I. (Eds.). (2007). Object recognition, attention, and action. Springer.
本文中での引用(括弧形式): (Osaka, et al., 2007)
本文中での引用(叙述形式): Osaka, et al. (2007)
日本認知科学会(編)(2002). 認知科学辞典 共立出版
本文中での引用(括弧形式): (日本認知科学会, 2002)
本文中での引用(叙述形式): 日本認知科学会 (2002)
Perrault, C. R. (1990b). An application of default logic to speech act theory. In P. R. Cohen, J. Morgan, & M. E. Pollack (Eds.), Intentions in communication (pp. 161–185). MIT Press.
菅野 和江 (2000). 第2言語獲得から見た言語生得性 今井 むつみ(編著) 心の生得性:言語・概念獲得に生得的制約は必要か (pp. 1–20) 共立出版
Anderson, J. R. (2020). Cognitive psychology and its implications (9th ed.). Worth.
松井 豊 (2010). 心理学論文の書き方:卒業論文や修士論文を書くために 改訂新版 河出書房新社
Adler, A. (1970). The education of children. Gateway. (Original work published 1930, Greenberg)
本文中での引用(括弧形式): (Adler, 1930/1970)
本文中での引用(叙述形式): Adler (1930/1970)
市川 伸一 (2012). 開かれた学びへの出発:21世紀の学校の役割 子どもの発達と教育6 金子書房(オンデマンド版,1998)
本文中での引用(括弧形式): (市川, 1998/2012)
本文中での引用(叙述形式): 市川 (1998/2012)
Minsky, M. (1975). A framework for representing knowledge. In P. Winston (Ed.), The psychology of computer vision (pp. 211–277). McGraw-Hill. (ミンスキー, M. 白井 良明・杉原 厚吉(訳)(1979). 知識を表現するための枠組 コンピュータビジョンの心理 産業図書)
本文中での引用(括弧形式): (Minsky, 1975 白井・杉原訳 1979)
本文中での引用(叙述形式): Minsky (1975 白井・杉原訳 1979)
Roesn, N. J. (2005). If only: How to turn regret into opportunity. Broadway. (ローズ, N. J. 村田 光二(監訳)(2008). 後悔を好機に変える:イフ・オンリーの心理学 ナカニシヤ出版)
本文中での引用(括弧形式): (Roesn, 2005 村田監訳 2008)
本文中での引用(叙述形式): Roesn (2005 村田監訳 2008)
Freud, S. (1956–1974). Standard editions of complete psychological works of Sigmund Freud (Vols. 1–24). Hogarth Press.
本文中での引用(括弧形式): (Freud, 1956–1974)
本文中での引用(叙述形式): Freud (1956–1974)
本明 寛・依田 明・福島 章・安香 宏・原野 広太郎・星野 命(編)(1989–1990). 性格心理学新講座(全6巻) 金子書房
本文中での引用(括弧形式): (本明他, 1989–1990)
本文中での引用(叙述形式): 本明他 (1989–1990)
Lamb, M. E. (Ed.). (2015). Socioemotional processes. (R. M. Lerner, Series Ed.) Handbook of child psychology and developmental science (Vol. 3). Wiley.
箱田 裕司(編)(2012). 認知 大山 正(監修)心理学研究法2 誠信書房
会議名は略記しない.英語の会議録名は主要語を大文字とする.慣例により The は省略する.
Cohen, P. R., & Levesque, H. J. (1985). Speech acts and rationality. Proceedings of the 23rd Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics, 49–60. https://doi.org/10.3115/981210.981217
三浦 慎司・川合 伸幸 (2018). 空間的配置が美術作品の印象評価に及ぼす影響 日本認知科学会第35回大会発表論文集, 551–557.
年だけでなく月日まで入れる(本文中では年号だけで参照する).日付は発表日ではなく全会期期間とする.
Liu, S. (2005, May 24–28). Defending against business crises with the help of intelligent agent based early warning solutions [Paper presentation]. ICEIS 2005: Seventh International Conference on Enterprise Information Systems, Miami, FL, United States. http://www.iceis.org/iceis2005/abstracts_2005.htm
本文中での引用(括弧形式): (Liu, 2005)
本文中での引用(叙述形式): Liu (2005)
石本 興司 (2019, December 22). 戯曲から演技を立ち上げる:俳優育成の実践から[招待講演] 日本認知科学会冬のシンポジウム:状況依存性を認知科学でどう扱うか? 東京大学
本文中での引用(括弧形式): (石本, 2019)
本文中での引用(叙述形式): 石本 (2019)
年次は年度によらず,修了,授与の年をもって示す.
Devins, G. M. (1981). Helplessness, depression, and mood in end stage renal disease [Unpublished doctoral dissertation]. Montreal, Canada: McGill University.
小野 史典 (2003). 文脈手がかりの獲得に及ぼす視覚的印付けの効果 広島大学教育学研究科修士論文(未公刊)
執筆者(わからなければ掲載紙(誌)名),発行年月日(本文中では年号だけで参照する),資料表題,掲載紙(誌)名(朝刊・夕刊),掲載ページの順で記載する.
Goldman, C. (2018, November 28). The complicated calibration of love, especially in adoption. Chicago Tribune.
本文中での引用(括弧形式): (Goldman, 2018)
本文中での引用(叙述形式): Goldman (2018)
サトウ タツヤ (2013, July 8). ちょっとココロ学:悩み事 どうやって打開? 読売新聞夕刊, 7.
本文中での引用(括弧形式): (サトウ, 2013)
本文中での引用(叙述形式): サトウ (2013)
Pachur, T., & Scheibehenne, B. (in press). Unpacking buyer-seller differences in valuation from experience: A cognitive modeling approach. Psychonomic Bulletin & Review.
本文中での引用(括弧形式): (Pachur & Scheibehenne, in press)
本文中での引用(叙述形式): Pachur and Scheibehenne (in press)
佐藤 有理・峯島 宏次 (印刷中). 論理の図形表現 認知科学
本文中での引用(括弧形式): (佐藤・峯島, 印刷中)
本文中での引用(叙述形式): 佐藤・峯島 (印刷中)
投稿先のジャーナル名は入れない.原稿が作成された大学名・学部名を入れる(可能な場合).
Lippincott, T., & Poindexter, E. K. (2019). Emotion recognition as a function of facial cues: Implications for practice [Manuscript submitted for publication]. Department of Psychology, University of Washington.
本文中での引用(括弧形式): (Lippincott & Poindexter, 2019)
本文中での引用(叙述形式): Lippincott and Poindexter (2019)
原稿が作成された大学名・学部名を入れる(可能な場合).
Yoo, J., Miyamoto, Y., Rigotti, A., & Ryff, C. (2016). Linking positive affect to blood lipids: A cultural perspective [Unpublished manuscript]. Department of Psychology, University of Wisconsin-Madison.
本文中での引用(括弧形式): (Yoo et al., 2016)
本文中での引用(叙述形式): Yoo et al. (2016)
O'Shea, M. (2018). Understanding proactive behavior in the workplace as a function of gender [Manuscript in preparation]. Department of Management, University of Kansas.
本文中での引用(括弧形式): (O'Shea, 2018)
本文中での引用(叙述形式): O'Shea (2018)