プログラム順

[OS13] 同調,共感,そして社会性をつなぐ

9月18日(金) 16:00 - 18:30 会場:総合校舎D号館D44
  • OS13-1
    伴碧 (同志社大学 / 大阪大学)
    高橋英之 (大阪大学 / CiNet)
    浅田稔 (大阪大学)
    個体間でリズムを共有することは,コミュニケーションにおいて重要な機能を担っていると考えられている。本研究では,機械的な外見をしたロボットとのリズム遊びの前後で,子どものロボットに対するイメージがロボットのリズムの特性に応じてどのように変化をするのかを検討した。その結果,子どもはリズム遊び後のロボットを対象とした描画において,ロボットに目を付与する傾向がみられた。今後は,リズム遊びにおける子どもの打点行動についても解析を進める。
  • OS13-2
    相互作用場面における苦痛の情動伝染
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    村田藍子 (北海道大学・日本学術振興会)
    西田洋司 (慶応大学)
    大家慧 (北海道大学)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    自他の間で情動が共有される現象は“情動伝染”と呼ばれ、共感性の基盤であると考えられている。しかし、従来の研究では他者の情動状態を観察した際の反応を一方向的にとらえるものが主流であったため、自他間で互いに影響を与え合うといった双方向的な過程を捉えることができなかった。本発表では双方の状態がリアルタイムで観察できる相互作用場面において、2者間の生理反応が同期する過程を示した実験研究について報告する。
  • OS13-3
    小池耕彦 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    中川恵理 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    角谷基文 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    定藤規弘 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    ヒトは自分の行動に相手が反応する社会的随伴性に,すなわちコミュニケーションがオンラインであることに非常に敏感である.しかしどの脳領域が,コミュニケーションのオンライン性を検出する役割を果たしているかについては,明らかになっているとは言いがたい.本研究では,二者同時計測fMRI装置を利用して,オンラインコミュニケーション時には,小脳が選択的に反応することを明らかにした.
  • OS13-4
    水原啓暁 (京都大学)
    リズムの協調現象はさまざまな場面でみられる現象であり,脳の情報処理の観点からも注目を集めている.脳内でのリズムの協調は,複数の脳部位間の結合を状況に応じて切り替える役割を担っており,このことで柔軟な情報処理を実現している.さらに同様のリズムの協調現象が,コミュニケーションの場面においても脳と脳の間で観察される.講演では脳部位間の情報伝達と,脳間のコミュニケーションのアナロジーを検証することでリズムの協調の役割を議論する
  • OS13-5
    ペア歩行時の歩調の引き込みは対人印象に影響を与えるか
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    加藤正晴 (同志社大学赤ちゃん学研究センター)
    北川智利 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    高野裕治 (同志社大学赤ちゃん学研究センター)
    木村聡貴 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    廣瀬治人 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    柏野牧夫 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    だれかと話しながら歩いている時,自分の歩調がつい相手に引き込まれてしまうことがある.我々は歩調引き込みの時間が長いほどその後の互いの対人印象が良くなることを見いだした.この関係は相手が初対面の時にのみ観測され,事前に交流を深めた場合には見られなかった.また歩行中の二人の発話の総重複時間によっても対人印象の改善は予測可能であった.特にペア歩行の初期段階では歩調引き込みと重複時間が独立して対人印象に影響を及ぼすことが示唆された.
  • OS13-6
    高橋英之 (大阪大学 / CiNet)
    伴碧 (同志社大学 / 大阪大学)
    守田知代 (大阪大学 / CiNet)
    内藤栄一 (CiNet)
    浅田稔 (大阪大学)
    様々な宗教行事において,楽器や体の動きなどによる集団のリズムシンクロがみられる.このように集団シンクロは我々の文化と密接に結びついている一方で,リズムシンクロがどのような心理的作用を個人にもたらすのかについては,まだわからない点が多い.本研究では,このような集団のリズムシンクロがパレイドリア錯覚(無意味な刺激の中に生き物を見出す現象)を促進するという我々が発見した行動実験とfMRI実験の知見を紹介したい.
  • OS13-7
    小森政嗣 (大阪電気通信大学情報通信工学部)
    小窪久美子 (大阪電気通信大学大学院工学研究科)
    Lira Yu (京都大学霊長類研究所)
    堂崎正博 (名古屋港水族館)
    友永雅己 (京都大学霊長類研究所)
    本研究ではリズミカルな協調動作がどのような相互作用過程を経て生じるのかを検討するための手法を構築し,2個体のイルカのペアが頭部を振る動作のシンクロニーの生起・継続過程の詳細な検討を行った.オスのハンドウイルカのペアが飼育員のハンドシグナルによって15秒間左右に頭部を振る動作を行った8事例を解析対象とした.頭部動作を位相角に変換しこれらの角度の関係を角度相関および角度偏相関により評価し,シンクロニーのおよび相互影響の変化を分析した.
  • OS13-8
    渡邊克巳 (東京大学先端科学技術研究センター)
    行動と生理状態の同期は社会的相互作用や共感の基礎となると考えられている.今回の講演では,オーガナイズドセッションにおける各発表に対する総評を行った後に,特に社会的相互作用における潜在的な側面の重要性について議論したい.また我々が最近始めた「潜在アンビエント・サーフェス情報の解読と活用による知的情報処理システムの構築」に関する研究プロジェクトについても紹介を行い,その上でフロアも交えて「同調・共感・社会性」というテーマを今後,如何に研究していくのかについての議論を深めたい.
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