プログラム順

[P2] ポスターセッション2

9月18日(日) 13:40 - 15:40 会場:セミナー室1,2(フロンティア応用科学研究棟1,2階)
  • P2-1
    西田豊 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    概念学習におけるプロトタイプモデルと事例モデルは,混合モデルにおける混合要素数の違いとして統一的に表現できる.しかし,一般的に混合要素数は与えられないため推定が必要になる.DP-meansは混合要素数を推定するのに適したアルゴリズムであるが,事例がカテゴリに所属するかしないかの2値的な判断となってしまう.認知モデルとして考えたとき所属度はファジィさを持って表現されたほうが望ましい.そこで,ファジィ所属度を推定できるように拡張を行った.
  • P2-2
    ユーモアの有無と反応する脳部位の検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    岩崎実希 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    米持圭太 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    柏倉健一 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    鈴木智也 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    大山博史 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    松島直希 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    阿部一美 (群馬県立県民健康科学大学大学院 診療放射線学研究科)
    本研究は、写真と「ボケ」コメントからなるユーモア画像を被験者に提示し、両者が持つ情報のギャップが生みだすユーモア感覚によって賦活した脳部位をfMRIを用いて調査した。この結果、被験者がユーモアを感じているときに「ボケ」コメントを付加することで、島皮質が賦活した。本結果から、①島皮質の機能は嫌悪の情動喚起のみならず、快情動を含むこと、②コメントが与えるユーモアで特徴的に賦活されることが示唆された。
  • P2-3
    fMRIを用いた危険予知トレーニング時の脳賦活部位の検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    松島直希 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    米持圭太 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    柏倉健一 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    岩崎実希 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    大山博史 (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部)
    阿部一美 (群馬県立県民健康科学大学大学院 診療放射線学研究科)
    本研究では、危険予知トレーニング(KYT)実施時の脳処理プロセスを明らかにするため、fMRI検査を行った。実験は、危険予知に特有な脳活動を単純画像及び探索画像との比較により検出した。単純画像との比較ではて、対象の分析と集中、記憶との照合に関連する部位が賦活し、探索画像との比較では、側頭極、前頭極など高次脳機能を司る部位が賦活した。本研究により、KYTの脳内プロセスを捉えることが可能となり、より効果的なKYTに繋がるものと考えられた。
  • P2-4
    代理報酬によるミラーニューロンシステムの活動変化
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    Aziem Athira Abdullah (明治大学大学院理工学研究科)
    尾崎明美 (明治大学理工学部)
    小出允善 (明治大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    ミラーニューロンシステム(MNS)とは、自分がある行動を行うときだけでなく他者の同じ行動を観察するときにも活動する脳領域である。本研究では、ジャンケンゲームの応援の前後で、プレイヤーが出す手(ジャンケン運動)に対するMNSの活動を近赤外分光法(fNIRS)を用いて計測した。ゲーム内ではプレイヤーが勝利を多く収められる手とそうでない手があった。その結果、プレイヤーの勝利の多かった手に対してMNSの活動が強まることが示された。
  • P2-5
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校)
    遠藤佑哉 (福島工業高等専門学校 )
    蛭田一希 (福島工業高等専門学校)
    小泉康一 (福島工業高等専門学校)
    車田研一 (福島工業高等専門学校)
    コンピュータで全くランダムにドットを配置した画像を周期的に提示すると,人はドット群が一方向に流れているような運動を知覚する.今回は知覚される運動の速度を,空間内ドット数,提示周期を変化させて測定した.ランダムドット画像のv=(各ドットの平均最近点距離/提示周期)と知覚速度との相関を調べたところ,特にドット数一定,提示周期を変化させた場合に,強い相関があることが示唆された.
  • P2-6
    原田恵 (NTT未来ねっと研究所)
    竹内亨 (NTT未来ねっと研究所)
    筒井章博 (NTT未来ねっと研究所)
    本研究では「目を離す」ことによる事故や事件を防ぐために,保護者の最低知覚域に対応したアラームサービスの実現を目指し,心的負荷の増減による最低知覚域の変化を観察した.二重課題を課した実験の結果,反応時間と聞き逃し率への心的負荷の主効果は見られなかったが,心的負荷が増加すると反応時間は伸び,聞き逃し率は増加する傾向にあった.反応時間と聞き逃し率はともに注意配分戦略に関わっているにも関わらず,相関関係が見られなかった.
  • P2-7
    映像遅延による視覚誘導運動エラーが自己身体認識に与える影響
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    高橋芳幸 (明治大学大学院 理工学研究科 電気工学専攻)
    座間拓郎 (明治大学)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究では、映像フィードバック遅延によって視覚誘導運動のパフォーマンスが低下したときに自己身体感がどのように変化するかを調査した。実験では、被験者に図形の線路内を逸脱しないように描画させる視覚誘導運動課題を行わせた後、自己身体感に関するアンケートを回答させた。構造方程式モデリングによる解析の結果、運動主体感は視覚誘導運動のパフォーマンスによって影響を受け、さらにその運動主体感の影響を受けて身体保持感が変化するという関係性が示された。
  • P2-8
    跨ぎ越え動作のダイナミクス:障害物の高さによる跨ぎ越えパターンの変化
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    安田和弘 (早稲田大学)
    園田耕平 (立命館大学)
    本発表では,障害物の高さの変化に伴い,跨ぎ越え動作がどのように変化するかを検討した予備実験の結果を報告する.本研究の背景には,生態心理学のアフォーダンス理論,自己組織化理論に基づく力学系アプローチの着想がある.今回,身体-環境の関係を示す行動安定性の指標として跨ぎ越える際の爪先とバーの距離の標準偏差を分析した結果,バーの高さによる変化はみられず,実験参加者間で,脚の長さや方略に多様性がみられ,個人差が影響したためだと考察された.
  • P2-9
    尾⽅寿好 (中部⼤学⽣命健康科学部スポーツ保健医療学科)
    片桐雅貴 (愛知⼯業⼤学情報科学部情報科学科)
    鈴木裕利 (中部⼤学⼯学部情報⼯学科)
    石井成郎 (愛知きわみ看護短期大学)
    澤野弘明 (愛知工業大学情報科学部情報科学科)
    本研究では、ベッド型歩行器具による他動歩行感覚を拡張するためのツールとして、ヘッドマウントディスプレイを用いた没入型歩行感覚を提示することで得られる印象を検討した。他動歩行、もしくは没入型歩行をそれぞれ単独で行う場合よりも、両者を組み合わせた場合の方が「楽しい」「面白い」「歩いているようだ」という意見をより多くの被験者から得ることができたことから、肯定的な印象を与える可能性が得られた。
  • P2-10
    前東晃礼 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    小田昌宏 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    中村嘉彦 (苫小牧工業高等専門学校)
    森建策 (名古屋大学情報連携統括本部)
    伊神剛 (名古屋大学医学部)
    本研究では,肝切除手術現場を想定して,3次元(3D)イメージと3D印刷されたオブジェクトの利用が肝構造の推測に与える影響について実験的検討を行った.その結果,3D印刷されたオブジェクトの利用は,3Dイメージよりも,迅速かつ正確なメンタルモデルの形成を促進させ,正確な空間的推論を促すことが明らかとなった.
  • P2-11
    牛久香織 (早稲田大学人間科学研究科)
    宮崎清孝 (早稲田大学人間科学学術院)
    百瀬桂子 (早稲田大学人間科学学術院)
    三嶋博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    齋藤美穂 (早稲田大学人間科学学術院)
      色をぬる行為を通して自らの内在化した心像を外在化して描画像を完成させるぬり絵を用いて幼児の静物についての認識過程を色と形に基づいて検討した結果,色や形を把握している段階は早く,好ましく親しんでいるものの形状や類似したものが多い形状には詳細部分に注意が向かず異なった認識をする場合もあるが,その後の学習経験で情報を調整してより適切なものに変更ができ, 獲得の経過は試行錯誤の時期を経て移行していくことも示唆された.
  • P2-12
    こどもの外国語活動の場における認知言語学の有用性
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    本多明子 (至学館大学 健康科学部)
     本研究は,幼児を対象とした外国語(英語)活動において認知言語学的観点に基づく教育を実践し,そのなかで得られた教育効果について分析を行うことを目的とする.構文の定着率向上を図る上で,構文を構成している動詞や名詞などの構成素の一部に新たな言語要素を組み入れていくこと,つまり,構文間の形式と形式を繋ぐ「連結」と機能と機能を繋ぐ「接続」が重要であることを示す.
  • P2-13
    杉澤千里 (放送大学教養学部(富士市立富士南小学校))
    本研究では、音楽鑑賞授業の際に、対話的活動を入れること、また、この時の話し合いの視点として、楽曲に直接表れている顕在的属性を示すことの大切さ、について考えた。 この際、先行研究としての美術分野の対話型鑑賞法(VTS)の考え方を取り入れつつも、音楽の授業における対話的鑑賞法では、教師の役割を最小限にとどめ、子ども達同士の前向きな対話を促す事によって、より深い楽曲理解が進むことが明らかになった。
  • P2-14
    河崎美保 (追手門学院大学)
    遠藤育男 (静岡県伊東市立対島中学校)
    益川弘如 (静岡大学大学院)
    ある小学校教員が5年間の研究授業を通して協調学習に関する信念をどのように変化させたかを検討した。主として7つの研究授業を振り返ってもらうインタビューを行うことで,「いかに教えるか」の知識の背後にある認識論的信念の変容,変容を支える人的・物的要因を分析した。結果から発話分析や回顧テストといったツールを用いて協調学習の理解を深める一方で,変化は必ずしも不可逆的でなく特定の学習理論と明示的に結びついてはいないことが示唆された。
  • P2-15
    田中観自 (早稲田大学理工学術院)
    河合隆史 (早稲田大学)
    渡邊克巳 (早稲田大学理工学術院)
    本研究は,系列学習においてモデルの課題遂行成績が学習者の課題遂行成績に与える影響を検討した.まず,優等モデルと非優等モデルを選定し,それぞれのモデルの学習初期の様子を参加者に観察させたが,モデルによる学習効果の差はなかった.次に,優等モデルの学習後期の様子を観察させたところ,より速く系列を遂行できることが分かった.つまり,初学者には,同じ初学者のモデルよりも習熟したモデルを観察させる方が,より効率的な学習に繋がることを示唆している.
  • P2-17
    福永征夫 (アブダクション研究会 )
     21世紀に生きるわれわれが直面する地球規模の難題群に主体的かつ能動的に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の系の基本的なルールとよりよく適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境に中立的な認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.その条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調, という相補的なベクトルの間に融合という臨界性を実現して行くことであろう.
  • P2-19
    田村昌彦 (立命館大学)
    本研究では,モンティ・ホール問題を改変した実験をとおして,既存の選択を放棄し,新しい選択を行う条件について検討した。検討対象は事前確率となる扉数と,既存の選択を放棄するために必要となる価値とし,これらを実験的に統制した。その結果,扉数の効果は認められず,事前確率が無視されている可能性が示唆された。また,選択変更のために必要となる価値は,対数ロジスティック関数に当てはめて説明できることが示された。
  • P2-20
    松室美紀 (名古屋大学情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    物理問題の解決において,思考実験を通した内的モデルの修正を阻害する要因の検討を行った。検討には思考実験を外化するシステムであるTE-extを用いた。実験の結果,内的モデルの修正に有効な思考実験の実施を阻害する3つの要因を同定し,うち1つについては教示による緩和に成功した。
  • P2-21
    頓部有以子 (名古屋大学情報科学研究科)
    松室美紀 (名古屋大学情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    本研究の目的は、思考実験を通して、学生に物理問題解決における内的モデルを修正させることである。内的モデルを修正できるか否かは、新しい内的モデルを構築できる状況をどのように操作すればよいかが重要になる。内的モデル修正へと異なるプロセスをたどると考えられる内的モデルの共通点、相違点を利用した2種類の状況を考えた。糸巻き問題を実験題材として扱い、各問題状況において内的モデル修正への効果を検討した。
  • P2-22
    On the Cognitive Process of Evaluation:  Mixture of Absolute and Relative Judgments
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    菅谷友亮 (京都大学大学院)
    本発表では形容詞の意味論及び語用論的分析を基に価値付与 (evaluation) の認知プロセスについて議論する。価値付与には比較対象と基準値の関係で判断される『相対的価値付与』と判断基準のみを判断理由とする『絶対的価値付与』があるが、日常的な価値付与はどちらか一方に分類されるのではなく、それらが混合し二重基準により価値付与される事が自然だと考えられる。又、その前提に於いて複雑な様相を呈する認知プロセスの全体象を提示する。
  • P2-23
    犬童健良 (関東学園大学)
    This article applies the "games in mind" modeling to the lottery comparison. By translating experimental cross-attention into potential games, the Allais paradox can be clearly explained by congestion avoidance.
  • P2-24
    新聞図表現における情報の網羅性判断:意味論的アプローチ
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    下嶋篤 (同志社大学文化情報学部)
    濱田勇輝 (同志社大学文化情報学研究科)
    福治菜摘美 (同志社大学文化情報学部)
    日常的な図読解の場面では、図の従う意味規則の判定が読解タスクの大きな部分を占める。本研究では、こうした判定プロセスの認知的研究の前提として、現実に利用される図に帰属可能な様々な意味規則の体系を、福島原発事故後1ヶ月間の朝日・読売の新聞報道で使用された823の図表現をサンプルとして調査している。本発表ではとくに、単一の図表現に対して競合する意味規則の体系が帰属可能であるために、表示される情報の網羅性が曖昧となるケースに焦点をあてる。
  • P2-25
    物語文・説明文・Webテキストの読書習慣と単語連想の関連についてのコーパス分析
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    猪原敬介 (電気通信大学大学院情報理工学研究科(日本学術振興会))
    内海彰 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
    本研究は,物語文・説明文・Webテキストの読書習慣と単語連想の関連についてのコーパス分析を行ったものである。予測として,コーパスに対応するテキストタイプの読書経験の多い群の連想強度分布は,そのテキストタイプのコーパスから計算されたLSA類似度分布との相関が高い」という結果が得られると考えた。その結果,一部を除き,必ずしも予測どおりの結果を得ることができなかった。本研究から得られる示唆と,今後の改善点について議論した。
  • P2-26
    張寓杰 (東邦大学理学部情報科学科)
    張亜麗 (清華大学外国語学部日本語学科)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    王婉瑩 (清華大学外国語学部日本語学科)
    菊地賢一 (東邦大学理学部情報科学科)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    本研究では、中国語の大規模言語データの統計解析に基づき、述語動詞の影響を考慮した帰納的推論の計算モデルを構成し、心理学実験を行い、計算モデルの妥当性を検証した。さらに本モデルと張他(2013)で構築された中国語の計算モデルと比較し、本研究で構成した計算モデルが中国語の帰納的推論における述語動詞の影響をより正確に表現できていることを実証した。
  • P2-27
    中村太戯留 (慶應義塾大学 / 東京工科大学)
    隠喩的表現の面白さには「何かが間違っている」という感覚が重要と考えられる.本研究では,21名の大学生に,面白さはその感覚を伴うのか,それは論理的説明は可能かについて調査した.結果,過半数が面白いと回答した表現では,約半数の参加者は間違いの関与を支持する一方,残りは支持しなかった.論理的説明に関しても同様であった.従って,面白さの判断には間違いの発見のみではなく他の要因も関与する可能性が示唆された.
  • P2-28
    定延利之 (神戸大学)
    現代日本語共通語では,アクセントはその語ごとに決まっていると伝統的に考えられてきた.これに対して筆者は,この通説が発話モード次第では不当になることを示している.本発表はアクセントが語ごとに決定されていない場合がさらにあることを主張する.感動詞・コピュラ・格助詞・終助詞のアクセントが語ごとには決まらず,発話構造における位置によって決まる場合があるということを具体的に示す.
  • P2-29
    近年「身体性」の概念理論は古典的概念理論と対立したが、身体性理論の欠陥も指摘され、議論が行き詰まっている。本論文で身体性理論による発見を受け止めながら、最も妥当な解釈を言語哲学における反表象主義へとつなげ、「概念」という固定物に依存しない認知のモデルとして、発話行為の状況を事例記憶として記録する言語理解のモデルを提案し、その言語学的可能性を探る。
  • P2-30
    川端良子 (国立国語研究所、千葉大学)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    伝康晴 (千葉大学文学部)
    Clarkand Schaefer(1989)は、さまざまなパターンで基盤化が達成されることを示しているが、どのような状況において,どのようなパターンで基盤化が行われるかについては十分に研究が行われていない。本研究では、日本語地図課題対話コーパスを用いて、聞き手の理解が、話し手の言語表現によってどのように異なるかを分析した。その結果、言語表現によって基盤化のプロセスが異なることをが示された。
  • P2-31
    平田佐智子 (株式会社イデアラボ)
    小松孝徳 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
    本研究では、文字がもつ形態(直線や曲線)がある印象(やわらかさ・固さ)をもたらす現象を形態象徴(figural symbolism)と呼び、この現象が日本語の文字で見られるかどうかを検討した。丸い・角ばった吹き出しの画像とひらがな・カタカナを刺激とした実験を行い、組み合わせによって反応時間に変化が見られるか確認した。その結果、カタカナと角ばった吹き出しの組みあわせにおいて反応時間が短くなる現象が観察された。
  • P2-32
    粟津俊二 (実践女子大学)
    身体性認知科学では、行為文理解時に、文が意味する行為の実行と共通する神経回路が活性化し、知覚運動シミュレーションが発生すると考える。この知覚運動シミュレーションに、動詞の時相が影響するか検討した。日本人母語話者に日本語の手行為文あるいは心的行為文を単純相と完了相で提示し、文の有意味性を判断させた。反応時間を分析した結果、単純相では心的行為文が、完了相では手行為文への反応が早かった。これは、時相がシミュレーションに影響することを示す
  • P2-33
    松田憲 (北九州市立大学)
    黒田怜佑 (山口大学)
    楠見孝 (京都大学)
    辻正二 (保健医療経営大学)
    本研究では,寺や教会などにある時鐘施設の鐘音を聞く場所や時間帯が聞き手に与える影響について,アンケート調査と実験室実験によって検討した.その結果,時鐘施設の音環境によって時間を共有するという共通の行為が,共にその音を聞いた周囲の住民との仲間意識を高め,街に属しているという実感(帰属意識)を生むことに繋がること,さらにその傾向は夕方における施設近くや街中における寺の音環境において顕著であることが示された.
  • P2-34
    齋藤ひとみ (愛知教育大学)
    中野亜美 (愛知教育大学)
    本研究では,音のインタラクションにおけるエージェンシー認知の誘発要因について検討する.実験は2人ペアで行い,一方に相手の音が聞こえる条件(意図あり)と音が聞こえない条件(意図なし)を設定した.実験の結果,エージェンシー認知については条件間に有意な差は確認できなかった.行動を分析した結果,意図ありの方が相手の音を真似るコピーチャンクや特定の音を鳴らしあうメロディチャンクの数が多い傾向にあることが明らかになった.
  • P2-35
    林美都子 (北海道教育大学函館校)
    名木小夏 (株式会社ノースモバイル)
    気分誘導を行うための曲作りと、その効果測定を試みた。ハ長調で上昇する旋律、テンポは120等の条件でポジティブ2曲、嬰ハ短調で下降する旋律、テンポは80等の条件でネガティブ2曲を作曲し、大学生64名を対象にASVMを用いて音楽の感情価、MMSを用いて曲聴取前後の気分変化を測定したところ、ポジティブ感情とネガティブ感情への誘導が成功したことが示された。今後さらに曲数を増やし、更なる検証と実験用素材の作成を行いたい。
  • P2-36
    尾関智恵 (岐阜大学大学院 工学研究科)
    寺田和憲 (岐阜大学工学部)
    人は身の回りに変化が起こると心的原因に基づいたものであるとする認知的性質がある.古来より人は「神」という概念存在にも意図があると考え,それをかたどった偶像は本来見えないとする「神」を具現化した人工物である.そのため,偶像を見た人に何らかの影響を与えていた可能性がある.先行研究として文字プライムで神や宗教に関する言葉は向社会的行動に影響する結果がある.これをもとに,仏像のような立体物によるプライムにも効果があるかを調査した.
  • P2-37
    北村文乃 (立命館大学大学院)
    林勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究ではデフォルメ度に着目して擬人化エージェントのデザインについての検討を行うことを目的とした.結果,デフォルメされたエージェントは、親近性は高く人間と同等の緊張感を持って人間とインタラクションでき,対してリアルなエージェントでは「不気味の谷」現象が起こり人間に違和感を与えたため親近性・緊張感が低くなった.今後,人間にとって最適なデフォルメ度とは何か,インタラクション場面やユーザの特性の関係の中で詳細に検討していく必要性がある.
  • P2-38
    長谷川莉子 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理専攻博士前期課程)
    赤津裕子 (沖電気工業株式会社 情報・技術本部研究開発センター コミュニケーション技術研究開発部)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    近年,インターネット利用の増加と共に,マニュアルをデジタルコンテンツ化したものが増えきた。本調査では文字とイラストで表示したマニュアルと動画マニュアル,さらにエージェントと動画を組み合わせたマニュアルをタブレット端末に提示して課題を行い,コンテンツ形式とエージェントの効果の2つを,高齢者と若年者の年齢間比較も併せて検討を行った。その結果,主観評価,課題パフォーマンスにおいて動画マニュアル,エージェントマニュアルで有効性が認められた。
  • P2-39
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,対象が自身と関係を構築し得る存在である可能性に気付く段階を踏まえた他者性モデルの構築過程を明らかにすることを目的としている.そこで,床面を回転・移動するだけの抽象的な形状のロボットを介した人同士のインタラクションを観察する実験を行った.本研究の発展により他者モデルの構築過程が明らかとなれば,人–人工物のファーストコンタクトにおける人工物の振る舞いをデザインすることが可能となる.
  • P2-40
    他者の視線に対して抱く感情に社交不安傾向が与える影響
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    都地裕樹 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    社交不安障害者は感情が曖昧な表情を負の感情に分類する傾向があることが報告されている。本研究では他者視線画像を用いて幸せから嫌悪まで表情をパラメトリックに変化させた画像に対する感情が、社交不安傾向の程度により影響を受けるかを行動実験により調査した。その結果、社交不安傾向の高い人は低い人に比べて嫌悪の感情が含まれる視線をより敏感に検出した。これは視線からの表情判断では社交不安傾向の強い人ほどネガティブな表情を知覚しやすいことを示唆している。
  • P2-41
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    本研究では,被験者に「嘘を吐く時に自身が考慮した」事柄を主観的に評価させるとともに,その評価と実際に「吐かれた嘘」とのの間にどのような関連性が見られるのか,探索的な検討をおこなった.その結果,「自責的にならないことを考慮する群」と「自責的な面を許容する群」,そして「全般にどんな事柄も考慮しない群」の3群が認められた.各群の被験者が吐いた嘘の内容にしたがった分類にも,同様の傾向が現れた.
  • P2-42
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    橋本英奈 (筑波大学心理学類)
    須藤智 (静岡大学)
    案内サインにおけるアイコン(ピクトグラム)と矢印の組合せデザインの良否を検討するため,アイコンの位置関係ならびにアイコン-矢印の組合せにまとまりをもたらすデザインの効果を検証する心理学実験を行った.大学生と高齢者の2年齢群の結果から,デザイン良否のユニバーサルデザイン原理の存在は実証されたが,組合せデザインについては,個別のアイコンの効果が大きく,ルールではなく個々のアイコン,組合せによる総合的なデザインを行うことの必要性が示された.
  • P2-43
    小島隆次 (滋賀医科大学医学部)
    本研究は、言語的経路指示と指示の際に参照する地図の向きの関係について検討するために、地図の向きを独立変数とし、地図上に指定された始点から、特定の位置を通過して目的地までたどり着けるように、始点にいる人物に対して言葉のみによって経路を指示するようにといった課題を、回答者に課す調査を行った。その結果、地図の向きが言語的経路記述に対して、特定の条件下で影響をもたらすことが示唆された。
  • P2-44
    荷方邦夫 (金沢美術工芸大学 一般教育等)
     デザインされた人工物の評価について,審美的,内省的視点からの評価があると指摘されている。本研究では審美的視点や内省的な視点がどのような形で寄与しているか。あるいは人工物に対する印象形成において,評価に関わる情報がどのように選択されるかについて検討を行った。  製品(人工物)に対する評価文への評価を検討した結果,特に審美的な観点の情報が選択されること,これに対して内省的な観点の情報は影響を及ぼしにくいことが示された。
  • P2-45
    島田英昭 (信州大学)
    森下美帆 (信州大学)
    荷方邦夫 (金沢美術工芸大学 一般教育等)
    人間の情報処理プロセスが直観的なシステム1と理性的なシステム2により構成されていると考える二重過程理論の枠組みで,デザイン評価のプロセスを調べた.参加者は文房具とその文房具に対する口コミのペアを見てそれらの好意度を評価し,理性-直観情報処理スタイル尺度に回答した.その結果,直観的スタイル得点は本能的タイプおよび行動的タイプの口コミに対する得点と有意な相関があったが,内省的タイプの口コミに対する得点とは有意な相関はなかった.
  • P2-46
    赤木満里奈 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    近年のコンテンポラリーダンスの特質の一つに,表現活動の基盤を場の特殊性に依拠する,サイト・スペシフィックと呼ばれるものがある.本研究では,振付創作プロセスの中で環境との関係性による作品や動きの変容を明らかにすることを目的としている.振付・演出者の指示に着目してリハーサル動画を分析したところ,時系列に沿って指示内容が推移し,また振付も変容することが判明した.これは本番実施場所の環境的特性によるものだと考えられる.
  • P2-47
    山本真秀 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    声楽や合唱の指導の現場では,ジェスチャーや比喩が頻繁に使用される.本研究では,声楽のレッスンにおいて使用されるジェスチャーや言葉に注目する.レッスンの場で先生と生徒の間でどのようにして意図が共有されているのかを明らかにするために,ジェスチャーや言葉,先生の指示ついての生徒の解釈について分析を行った.その結果,一つの指示の後にそれを補足するような指示があること,また,背景にいくつかの指示を含んでいる指示が存在することがわかった.
  • P2-48
    谷貝祐介 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究では, 熟練者の演奏が, 局所的筋制御ではなく, 多様な筋活動から成立していることを実証した。熟練者・未経験者について, ⅰ)2分間打叩; ⅱ)手首回旋打叩を課題とし, 打叩間隔の平均・SD, 前腕筋のRelative-Difference Signals (RDS)を算出した。演奏は安定していながらも, RDSでは, 熟練者群内に個別性が認められたことから, 局所的検討では捉えきれない多様な筋活動が存在する可能性が示唆された。
  • P2-49
    サイエンスカフェ参加者のメンバーシップに関する談話研究
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    小泉千尋 (青山学院大学大学院社会情報学研究科博士後期課程)
    本研究はサイエンスカフェにおいて、参加者のメンバーシップ(話題提供者、母親、学生など)がどのように変化するかについて検討した。結果、ファシリテーターによる参加者の他のメンバーシップへの言及がメンバーシップ変化を促し、個人の経験や感情を語ることを可能にしていた。また話題提供者は「話題提供者」として参加者のニーズに応じながらも,他のメンバーシップへと変化することで参加者とは異なる自身の見解を提示することを可能にしていた.
  • P2-50
    北本遼太 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理専攻)
    本論では、従来の働き方やそれを取り巻く資本主義に基づく価値観が転換しつつある時代背景に着目し、福祉事業の起業プロセスについて検討した。分析の観点として、アクターネットワーク論を採用し、特に、情動を含む幅広い人々・制度・モノの間の交換に着目して記述した。その結果、起業の際に、自分たちへ向けられる既存のコミュニティからの情動的なまなざしとの相互作用プロセスが語られた。また、「最周辺参加者」との独特な感情のやり取りについても語られていた。
  • P2-51
    鈴木裕利 (中部⼤学⼯学部情報⼯学科)
    石井成郎 (愛知きわみ看護短期大学)
    藤本健治郎 (鹿島建設株式会社)
    澤野弘明 (愛知工業大学情報科学部情報科学科)
    尾⽅寿好 (中部⼤学⽣命健康科学部スポーツ保健医療学科)
    林直輝 (株式会社コーワメックス)
    工事現場等では,イラストシートを用いて,作業者が事故の原因となる危険因子を予測する危険予知訓練が実施されているがマンネリ化が指摘されている.また,熟練労働者の減少により,危険予知に関する経験の継承が進まない現状がある.そこで本研究では,ICT技術の導入により,現在の作業状況に即して,過去の事故情報を提供するシステムを試作した.評価実験からは,システムからの情報が,作業者の危険因子の認識作業に対して一定の効果をもたらすことが確認された.