スケジュール順
[O1] 口頭発表1
9月13日(水)
9:10 - 10:30
会場:101講義室
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O1-1概念融合による創発:視覚的注意の時間動態※大会ホームページでの公開が許可されていません本研究の目的は異なる2つの概念が融合することでひらめき・創造が生じ,新たな概念・意味を創発する際の認知メカニズムを解明することである.本研究では,単語対(A, B)による創造的特徴生成における視覚的注意の変遷を調べる実験を行った.その結果,比喩(AはBだ)に関わる先行研究の知見と比較し,比喩文脈により喩えられる語への視覚的注意の促進されることが示され,特徴が喩えられる語の属性として適切であるか否かの評価メカニズムの存在が示唆された.
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O1-2本研究では,ワーキングメモリーに対する負荷と課題の性質(否定の形式)が,因果帰納とそれに基づく判断にどのような影響を及ぼすのかについて,思考の二つのフレームの切り替えという観点から検討を行った.実験の結果から,ワーキングメモリーへの負荷および課題の性質(否定の形式)はそれぞれ,二つのフレームの切り替えに対する抑制と促進として働き,判断に影響を及ぼすという仮説が支持された.
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O1-3身体運動は身体の自由度を適切に制御することでなされる.初心者と熟達者の比較では運動制御以外にも相違点が多いため,結果の解釈が難しい.そこで本研究では,日常的な動作では利き手と逆の手(非利き手)で運動制御が異なることに着目し,同一被験者内で身体運動を分析した.運動データから自由度を推定した結果,自由度の違いで利き手(熟達)と逆の手(未熟)を区別できると示された.以上は,日常動作に基づく身体技能の解明可能性を示唆する.
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O1-4認知的加齢の現象とされるディストラクタの記憶と,文化的情報処理様式の相違による「より広範な文脈処理の記憶」との関係性を明らかにするため,日本人サンプルを対象として,ディストラクタ記憶の年齢群間比較を行う4つの実験を実施した.その結果は英語圏での先行研究の結果と大きく異なり,文化的処理様式の効果と加齢の効果の独立性と,そこに関与する言語の効果を含め,複雑な関係性について考察を行った.