日程

オーガナイズドセッション2 (OS02)

認知コントロールの促進的側面と阻害的側面
8月30日(木) 8:40 - 11:10
会場:A棟2F AC232
オーガナイザー:西田勇樹(立命館大学/日本学術振興会),織田涼(東亜大学)
  • OS02-1
    招待講演
    川島朋也 (神戸大学)
    視覚的な注意はワーキングメモリに保持した情報によって誘導されうる。近年,このような注意誘導が認知コントロールによって促進・抑制されることが報告されている。本発表では,理論的背景を概説し,近年の実証研究を概観することで,注意の誘導と抑制における認知コントロールのはたらきを議論する。ここでの議論を通して,記憶と注意の処理機構における認知コントロールについての検討を試みる。
  • OS02-2
    公募発表
    二宮由樹 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学情報学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    We need to control automatic cognitive processes like intuition when required normative judgment and behavior. In previous studies, conscious control over automatic judgment is said to occur by monitoring that automatic judgment fails. However, in these explanations, although we can explain the mechanism of control when the intuition is wrong, we cannot explain the mechanism of control when intuition is correct. Therefore, in this research, we conduct experiments on how type 2 processes are activated when intuition judgment is correct .
  • OS02-3
    公募発表
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部ビジネス心理学科)
    白砂大 (東京大学総合文化研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    植田一博 (東京大学総合文化研究科)
    本研究では、論理的に同一だが異なる2つのフレーム(e.g., グラスの中の水は「半分一杯」、または「半分空」)から1つのフレームを選択する際に参照点が与える影響について3つの行動実験から検証を行った。結果として、参照点は頑健にフレーム選択に影響を与える一方で、その影響を実験参加者が気がつかないケースが存在していた。以上から、話者は顕在的に気がつかない要因の影響を受けてフレーム選択を行なっている可能性が示された。
  • OS02-4
    公募発表
    小田切史士 (青山学院大学社会情報学研究科)
    山田優志 (青山学院大学教育人間科学部)
    鈴木宏昭 (青山学院大学教育人間科学部)
    洞察問題とWorking Memoryの関係を検討した事例には一貫した結果が見られないことを踏まえ、使用する洞察課題とWMにかける負荷の性質をそれぞれ、言語的なものと視空間的なものの二種類を用意し、両者の相互作用による影響を検討した。結果は課題と負荷がWMの同じ構成要素の容量を用いる場合では解決が最も悪く、異なる容量を用いる時には解決が最も良くなり、両者の組み合わせで結果に違いが生じてくることが示唆された。
  • OS02-5
    問題解決のパラドックス:プライミングの妨害性とノイズの有益性
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    公募発表
    服部雅史 (立命館大学総合心理学部)
    織田涼 (東亜大学人間科学部)
    西田勇樹 (立命館大学文学研究科/日本学術振興会)
    問題解決における無意識的過程に焦点を当て,潜在ヒントが問題解決を(促進ではなく)妨害するという現象について仮説を立て,4つの実験を通して,洞察問題解決の2つのパラドックスについて考察した。その結果,知識を持っていても問題解決に使えないこと(第1のパラドックス)には,認知コントロールによる抑制が関係し,無意図的・自動的に解決に至ること(第2のパラドックス)には,認知コントロールの低下による脱抑制が関係していることが示唆された。