研究分野別一覧

相互作用

  • OS04-4
    公募発表
    小嶋暁 (静岡大学総合科学技術研究科)
    紅林優友 (静岡大学情報学部)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    本研究は,コミュニケーションがどのような要因によって成立するかを分析した.特に,コミュニケーションに影響する個人特性として,自閉症スペクトラムに焦点を当てる.単純な人工言語を生成するコミュニケーションゲームを実験環境とし,自閉症スペクトラム指数 (AQ:Autism Spectrum Quotient) とゲームから得られたデータとの対応づけを行う.結果として,自閉症スペクトラム傾向は,コミュニケーションゲームにおいて,有効に働いた.
  • OS11-2
    公募発表
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    主観的な重力反転を促進する因子を同定することは、幽体離脱の認知機構の解明につながるだけでなく、Virtual Reality空間において、アバターに身体のイメージを投射するうえでの設計論を検討するうえでも重要である。本研究では、HMD環境を使った二つの被験者実験を行い、被験者の姿勢と、呈示されるアバターの身体の向きが、重力反転の生起しやすさに影響するという結果を得たので、これを報告する。
  • OS12-3
    公募発表
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    長島一真 (静岡大学情報学部)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では、ACT-Rと3Dゲームエンジンがサーバを介して結合する階層的アーキテクチャを構築し,環境探索を行うエージェントを構築した.結果,認知モデルのパラメータによる行動の差異,脳と身体の結合に関わるエラーなどの現象を出現させた.これらより、3D空間における人間を模倣するエージェントの構築において、認知モデリングの手法を適用することが有用であることが示唆された.
  • OS12-4
    公募発表
    入江諒 (金沢工業大学 工学研究科 電気電子工学専攻)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    人とエージェントの自然な身体的コミュニケーションの成立には,二者間の動きのダイナミクスが重要な鍵を握る.特にリーダー・フォロワーといった役割の交代=ターンテイキングが,相手に人らしさを感じさせる大きな要因になると考えられる.本研究では円図形を介した二者間の視覚的インタラクション実験と,ターンテイキングの特徴を取り出す指標の作成を通じて,相手を人であると判断する要因は,相手との同調傾向を前提としたターンテイキングにあることを明らかにする.
  • OS12-5
    公募発表
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    吉岡源太 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,コミュニケーションの初期段階におけるインタラクションのモデルを提案し,実際の人の接近行動についてシミュレーションを通して検討を行った.具体的には,人の話かけ場面の行動を観察する実験のデータを分析し,提案モデルによる接近行動の再現を試みた.参加者は相手の正面方向を回避しながら接近する行動を示しており,これは接近行動に対して示される相手の反応において,相手の内部状態が明示化されやすい状況をつくるためである可能性が示唆された.
  • OS12-7
    公募発表
    日永田智絵 (電気通信大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    一般にサービスを提供する場合には,顧客に対する「おもてなしの心」が重要であると言われる.「おもてなしの心」は他者モデルに大きく関わっているため,サービスロボットにも他者モデルが求められると考えるのが,最も単純で直観的であるが,そもそも他者モデル自体が十分に解明されておらず,それをどのように実現できるかが分からない. 本稿では,筆者らの他者モデルに関連する研究を概観しつつ,サービスロボットと他者モデルの関係を整理したい.
  • sO1-1
    田中伸之輔 (筑波大学)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    須藤智 (静岡大学)
     公共空間に設置された人工物を利用する際,他者の利用を観察できる観察学習がもたらす支援効果について検討した。参加者(高齢者・若年者)を観察学習の有無で群分けし,空港を模したスペースで,出入国管理システムである顔認証ゲートを3回利用するユーザビリティテスト実験を行なった。その結果,特に高齢者に強く観察学習の支援効果が現れ,若年者でも観察される試行反復による学習とは独立な効果が示された。機器利用を苦手とする人への観察学習の有効性が示された。
  • sO1-5
    上島淳史 (東京大学人文社会系研究科/日本学術振興会)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    限られた資源の分配には、平等主義、功利主義、マキシミンなどの諸価値が存在する。本研究では、人々が分配に関する価値を折衷的に支持するかあるいは原理的に支持するかが、社会的インタラクションの予期により調整される可能性を検討した。実験の結果、他者との議論を予期することが、特定の分配価値への一貫した支持を高める可能性が示された。
  • sO3-5
    壹岐朔巳 (総合研究大学院大学先導科学研究科)
    長谷川寿一 (東京大学総合文化研究科)
    「噛みつき」などの攻撃動作が使用される闘争遊びは、喧嘩にエスカレートしてしまうことがある。闘争遊びを行う動物は、互いに行動を協調させることによって喧嘩の発生を防いでいると考えられる。ニホンザルの闘争遊びを対象とした本研究の分析結果から、(A)相互的な参与枠組みの確立、(B)対称的な行動、(C)インタラクションへの継続的な従事といったメカニズムに基づいて、「攻撃時間の調整-攻撃の受け入れ」という相補的協調が行われている可能性が示唆された。
  • sP1-23
    森下美和 (神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部)
    有賀三夏 (東北芸術工科大学基盤教育研究センター)
    原田康也 (早稲田大学法学学術院)
    阪井和男 (明治大学法学部)
    富田英司 (愛媛大学教育学部)
    大学生活において、国内または海外での研修やインターンシップ、ボランティア活動、留学など、日常的・定常的な学校生活から離れた活動経験は、他者・コミュニケーション・世界に接する態度に変化をもたらし、外国語や専門分野に対する学習意欲を飛躍的に高め、世界観・世界認識の変容を通じて学習ならびに日常生活における行動変容をもたらす。本発表では、セメスター留学の事前・事後に実施した2種類の調査について報告する。
  • sP1-35
    沼口裕太 (慶應義塾大学SFC研究所)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    本研究では筆者が自宅での調理におけるマイクロスリップ(以下、MS)を分析した。調理行動は行為のまとまりが階層構造をなしており、行為の接続点におけるMSの出現割合の違いを階層ことに分析した。また放置タスクの始点と終点に着目し、MSの出現のしやすさの違いを分析した。本研究の結果は、「MSがあらかじめプランされている状況ではなく、臨機応変さが強く要請されるような状況で起こりやすい」ということを示唆している。
  • sP1-38
    廣田章光 (近畿大学経営学部商学科)
    近年、問題が明確でない状況におけるイノベーションの発生が示されている(石井1993,2009,2014, Lester and Piore 2004。その分野の研究の一つであるVon Hippel and Von Krogh(2016)において組合せの構造が示された。本研究はユーザー・イノベーションによる「ナルセペダル」の開発事例をもとに、プロトタイプ、「対話のトライアングル」、「人間中心のポジション」の関係を示す。
  • sP1-45
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    山際英男 (東京都立東部療育センター)
    本研究は全身協調バランス・スポーツ“スラックライン”の熟達過程を調べることを目的とする.特に,基本技能とされる片脚立ちを行っている最中の両手の協調性に着目し事例データで検討した.初心者2名の1か月(週1回×4週間)のトレーニングの前後の両手の協調性を相互再帰定量化分析(再帰率)で定量評価した結果,いずれの参加者も両手の協調性が高くなっていたことが明らかとなった.今後さらに全身の姿勢や認知との関係など詳細に検証していく計画である.
  • sP1-79
    上田拓弥 (関西学院大学理工学研究科人間システム工学専攻)
    工藤卓 (関西学院大学理工学部人間システム工学科)
    ラバーハンドイリュージョン(RHI)は機械の遠隔操作への応用などで近年注目されている.本研究ではRHIによる身体的感覚の延長を試みた.内観報告書と脳波,筋電計測からその強度を評価し, RHI誘導の積算効果により,長い延長ラバーハンドにおいてもRHIが発現することを明らかにした.さらにRHI誘導前に自身の手のみに触刺激を与えた場合,通常のRHIと比してRHIの発現が優位に増加する,RHIにおける事前刺激によるプライミング効果を発見した.
  • sP1-80
    牧野遼作 (早稲田大学人間科学学術院)
    門田圭佑 (早稲田大学人間科学研究科)
    人々がペンを用いる相互行為場面を対象とし,書き始めるタイミングと,ペンを持ち方についての探索的な定量的検討の結果を報告する.対象としたデータは,2名の参与者による,書字行為を含む順番決定課題会話であった.分析の結果,相互行為内で書字行為を開始する3秒前から,書き手も書き手とならない参与者も書くためのペンの持ち方に変える頻度が多いことが示された.さらに他者が書くための持ち方をしたとき,自身はペンの持ち方を抑制する可能性が示唆された.
  • sP1-82
    河上章太郎 (金沢工業大学工学研究科電気電子工学専攻)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    人の記号的なコミュニケーションでは,字義通りの意味だけではなく言外の意味が伝えられる.このため,同じ表現でも言外で異なる意味が伝えられることが頻繁に起こる.しかし人は,過去の意味(記憶)に縛られずにその変化に柔軟に対応できる.我々は記号のやりとりを伴う同調課題に取り組む計算モデルを構築し,その計算機シミュレーションを通じて,言外の意味が変更された場合に,過去の意味の記憶がその伝達の成否に与える影響を調査・議論する.
  • sP2-9
    Tanyaporn Pungrasmi (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    島岡優策 (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    岡本球夫 (パナソニック株式会社 プロダクト解析センター)
    渡邊竜司 (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    In this paper, we introduce the concept of a human-inspired pain sensing system, imitating the sensing location of mechanical nociceptors in human skin (superficial somatic pain) and skeletal muscle (deep somatic pain) for personal care robot safety application. We expect that the system will not only measure the pain for personal care robot safety evaluation, but also show the difference between these two kinds of pain due to various contact conditions. In this study, we developed the arm prototype which imitates human nociceptor mechanism, and verified our pain sensing concept by conducting experiment with various contact situations.
  • sP2-15
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    長滝祥司 (中京大学)
    大平英樹 (名古屋大学)
    入江諒 (金沢工業大学 工学研究科 電気電子工学専攻)
    河上章太郎 (金沢工業大学工学研究科電気電子工学専攻)
    佐藤拓磨 (金沢工業大学)
    加藤樹里 (金沢工業大学)
    柏端達也 (慶應義塾大学)
    三浦俊彦 (東京大学)
    久保田進一 (金沢大学)
    柴田正良 (金沢大学)
    本稿ではまず,ロボットが人間と共生するためには,ロボットは道徳的な行為主体であり,そのためには,ロボットが代替不可能性を持つ必要があり,それはとりもなおさずロボットが<個性>を持つことである,ということを論じる.このテーゼに基づき,ロボットと人間が身体的に同調するようなインタラクション(身体的調整運動タスク)により,ロボットが道徳的主体であると人間が判断することに影響があるかどうかを調べる実験を構築する.
  • sP2-21
    山田雅敏 (常葉大学 健康プロデュース学部)
    里大輔 (SATO SPEED Inc.)
    遠山紗矢香 (静岡大学情報学部)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,ランニングコーチから指導を受けたドイツリーグに所属するサッカー選手の言語報告に注目し,疾走に対する認知変容の特徴を明らかにすることを目的とした.その結果,(1)新しい疾走動作の指導を受けた際の気づき,(2)腕振りの動作による疾走スピードの体感,(3)腕振りの動作による足(下肢)の動作との連動,が共通した特徴として示された.以上,身体と言語の関係性が明らかになり,言語報告から熟達度合を予測できる可能性が示唆された.
  • sP2-22
    西澤弘行 (常磐大学)
    佐藤貴宣 (日本学術振興会/京都大学)
    坂井田瑠衣 (国立情報学研究所)
    南保輔 (成城大学)
    Through discussion with a visually impaired person/co-author of this study and observation of his interactions with an orientation and mobility specialist from the perspective of ethnomethodology and conversation analysis, this paper demonstrates that the cognitive and social motivations for touching by the visually impaired are a possible basis for co-constructing knowledge of the surrounding environment with others.
  • sP2-25
    ヒュース由美 (東京大学学際情報学府)
    工藤和俊 (東京大学情報学環学際情報学府)
    即興演劇は, 事前の相談や決められたセリフがなく, 共演者がどんなアイデアを持ち, 自分に対してどのようなアプローチを仕掛けてくるか全く分からない環境の中で, 即興的に劇を創作する芸術である.本研究では, 実際の即興演劇ライブを撮影したビデオ映像のデータをもとに, セリフと視線行動の関係を分析した結果, 俳優たちは登場人物を演じながら, 劇の重要なポイントで相手のサインを読み取る非言語コミュニケーションを行っていることが明らかになった.
  • sP2-30
    赤木満里奈 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    芸術における創作プロセスには、様々な研究がなされているが、近年のコンテンポラリーダンス作品においての創作プロセスは多様化してきている。本研究では、コンテンポラリーダンスが作品を上演するにいたるまでの創作プロセスを明らかにするとともに、どのように周囲の場を利用しているかについて追うことを目的とする。実際のリハーサル動画を分析したところ、動きの素材をつなぎ合わせてシーンをつくる形と、前後の流れからシーンをつくる形があることが判明した。
  • sP2-31
    中根愛 (NTT)
    渡邉浩志 (NTT)
    小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    ワークショップの個人ワークで内省を行う際に,外化をすること,外化をしないことが,参加者の思考や感情にどのような影響を与えるのかについて探索的に検討を行った.結果,外化する場合は論理性・一貫性が高い思考が可能になるが,自ら設定した枠組みに含まれない概念や,矛盾したアイディアは考慮の対象にならないことが示唆された.外化しない場合には,枠組みにとらわれない思考がされ,内省や共有の際に,自身の考えへの新たな気付きが多くされることが示唆された.
  • sP2-33
    鈴木紀子 (元帝塚山大学)
    正田悠 (立命館大学)
    阪田真己子 (同志社大学文化情報学部)
    伊藤紀子 (同志社大学)
    山本倫也 (関西学院大学)
    今城真由香 (同志社大学)
    人工物を一定期間使い続けることで、人はその人工物に対して愛着を感じたり、アニミズム的思考を持ち、結果として対人的な行動を取ることが知られている。本稿では、小型家具という擬人的な外観を持たない人工物に対し、1時間にも満たない組立作業終了時において表出された作業者の接触行動について、参加人数や行動指標・心理指標・社会的スキルを用いて分析した結果を報告する。