キーワード索引

認知的加齢

  • sO1-1
    田中伸之輔 (筑波大学)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    須藤智 (静岡大学)
     公共空間に設置された人工物を利用する際,他者の利用を観察できる観察学習がもたらす支援効果について検討した。参加者(高齢者・若年者)を観察学習の有無で群分けし,空港を模したスペースで,出入国管理システムである顔認証ゲートを3回利用するユーザビリティテスト実験を行なった。その結果,特に高齢者に強く観察学習の支援効果が現れ,若年者でも観察される試行反復による学習とは独立な効果が示された。機器利用を苦手とする人への観察学習の有効性が示された。
  • sP1-77
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    池永将和 (筑波大学人間総合科学研究科)
    コールセンターにおける対話の実音声データを対象とし,高齢者と若年成人の対話におけるターンテイキングの分析を行った.高齢者(顧客)は若年成人(オペレータ)よりも頻繁に,会話へ強制的な割込みを行っていた.割込みは,相手の発話内容が予測できたとした時点,あるいは発話反復をしているときに行われており,会話における「話すと聞くとの二重課題性」が加齢に伴う課題達成低下をもたらしている可能性が示唆された.
  • sP1-88
    池永将和 (筑波大学人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    コールセンターにおける対話の実音声データを対象とし,高齢者と若年成人の対話の特徴や,それらが若年成人にとっての高齢者とのコミュニケーションへの困難さ,負担感となっているのか否かについて,探索的検討を行った.高齢者によってうまく説明されなかった問題状況を,若年成人が補完しながら会話を構築し,協同問題解決を進めていくための負荷が示唆され,同時に高齢者が示す社会的な力への対応要求といった異なる負担の存在も示された.