日程
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オーガナイズドセッション (OS11)
認知科学のモデル論 ―神経表象からダイナミクスまで―
9月7日(土)
16:15 - 18:45
会場:共21
オーガナイザー:林勇吾(立命館大学),寺田和憲(岐阜大学),大森隆司(玉川大学)
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OS11-1ベイジアンブレインの今日招待講演沖縄計算神経科学コース(OCNC)を“Bayesian Brain”と題して開講したのは2004年、今から15年前である。その講義をもとに同題の本を2年後に出版した後も、脳へのベイズ的アプローチは、神経活動と行動または脳機能のモデリング手法としてますます猛威をふるっている。本講演では、脳の構造と活動を網羅的に計測する先端的チャレンジの中でのベイズ手法の蔓延、大脳皮質回路の動作原理をベイズ推定の観点からモデリングする展開について議論する。
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OS11-2行動から他者の選好を読む―モデルベースの行動データ分析―招待講演異性の顔画像を用いたミニマムなインタラクションを通して,インタラクション相手の異性に対する好み(選好)を当ててもらう実験を実施し,人は限られた事例から精度良く推定できるのか,それを可能にしているのは何か,実際に人が用いている推定方略とはどのようなものかを,モデルベースの行動データ分析から明らかにした。その結果から,AIと比較した人の選好推定の特徴について議論する。
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OS11-3Offload Agency招待講演心やAgencyを人工のニューラルネットワークやカオス力学系を用いて生成する。このアプローチは身体性認知科学の前に敗れ去ったかに見えた。しかし、実際のロボットにインストールしたから心が生まれたという話は聞こえない。そこに足りないもの。それをここでは、人や生命との相互作用と考える。つまり心をほかの人との相互作用によりoffloadされるもの(写ってくるもの)として、Android Alter の実験を用いて議論する。
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OS11-4「心の理論」の計算論的モデリングその他「心の理論」とは人が他者の行動から、その他者の心の状態、目的、意図、信念などを推測する心の機能のことである。より巧みに人と協調する人工知能の実現を目指す上で、「心の理論」を計算的にモデリングし、実装することは重要なテーマであると考えている。本トークでは「心の理論」をベイジアン、ニューラルネットワークなどの計算機的なモデルでモデリングすることに関するトピックを数件ピックアップして紹介する。
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OS11-5システムの外側を語るモデルその他短期的文脈記憶から生じる観測の不定性がもたらすエージェントの行動創発の傾向について紹介する。また、創発行動をメタに認識し回収することの重要性について議論する。
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OS11-6予備実験・思考実験としての認知計算モデルその他認知科学における計算モデルは主に、得られたデータや観察された事象の説明に用いられたきた。本研究では、予備実験・思考実験など探索的な認知計算モデルの有用性について言及する。行動実験を実施する前に、認知モデルによるシミュレーションを行うことによって、どの要素・変数をどう操作すべきか、また、異なる前提がどの様な結果を導くかを考察することは重要である。カテゴリー学習の例を用いて予備実験・思考実験としての認知計算モデルの有用性を紹介する。