9月8日(金) 9:00 - 10:20
口頭発表2 (O2)
会場:講堂(メイン会場)・大講義室(サテライト会場)・493中講義室(休憩室兼サテライト会場)・オンライン
座長:佐藤由紀(玉川大学)
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O2-001本研究では、過去に接触した人物の属性が物品に伝染する、魔術的伝染についての減衰パターンを検討した。解釈レベル理論によれば、私たちの判断や思考の姿勢は物理的、概念的な距離に依存して変わることが報告されている。このことから、人の手を仲介した回数や仲介した人間の関係性が魔術的伝染にも影響が及ぶと仮説を立て、調査を行った。その結果、魔術的伝染においても解釈レベル理論が一部適用でき、仲介した人数や時間経過に従って効果が減衰していくことが示された。
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O2-002A本発表では,著者らのこれまでの研究[1][2]に基づいて,より良い解決策(代替解法)の発見がどのような探索過程を経て生じるのかを議論する.まず,発見者は,代替解法の発見する以前から,既知の解決策が成功していても,未知の情報を得ようとしていたこと,成功を経験することで生じる固着の強化に抵抗していたことを示す知見を紹介する.そして,これらの知見をもとに,代替解法の発見について,既知の解決策の成功と失敗という観点での対比的な整理を行う.
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O2-003A本研究では,部分名称の教示を大人の実験者1が行い、子どもがそれを見たあとで、それについて知らない別の大人の実験者2に子どもが教えるという実験において取得された映像データを解析した。結果から、5歳児では、実験者が子どもの顔を見続けて教示を行うよりも、事物と子どもを交互に見て教示を行う方が、子どもの部分名称の理解はより正しくなり、かつ子ども自身が他者に教える場合でも、指さしを適切に行なって部分名称箇所を示すことがわかった。
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O2-004A本発表では、マルチモーダルな相互行為研究をその黎明期から牽引し続けた相互行為分析者C. Goodwinの分析手法および概念の検討を行う。彼の分析概念は、人間の認知的・社会的な実践を構成する具体的行為の一般的かつ重要な相互行為的特徴を記述するものだが、独創的かつ難解なうえに数が多く、その妥当性や必要性に関して批判がなされることがある。本研究では、彼の分析手法をその基盤にある相互行為観から整理し、大まかな全体像を呈示することを目指す。