日程 9月8日(金) 10:35 - 12:35

オーガナイズドセッション (OS01)

会場:594中講義室
行為と活動から「理解」を考える
オーガナイザー:
坂井田瑠衣(公立はこだて未来大学)
名塩征史(広島大学)
遠藤智子(東京大学)
  • OS01-1
    活動への理解の齟齬はいかにして解消されるか
    招待講演
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    本発表では、目下の活動への理解に齟齬が生じている場面において、その齟齬を行為連鎖の齟齬としては顕在化させないままに、活動への理解の齟齬が解消されていく事例を分析する。相互行為が食事から用談に移り変わる場面において、参与者らが個々の行為によって「わかった」ことの示し(display of understanding)を繰り返しながら、今展開されるべき活動について「わかっている」状態を非明示的にすり合わせていくことを示す。
  • OS01-2
    マルチアクティビティ環境における「いま期待されている振る舞い」をめぐる理解 ⏤理容室でのコミュニケーションを例に⏤
    招待講演
    名塩 征史 (広島大学)
    理容室は、理容師と客との理容活動の傍で、両者の知人同士としての会話や、子を持つ親同士としての会話など、様々な関係性に基づく会話が並行するマルチアクティビティ環境である。本発表では、そうした環境下にあって「今ここ」の出来事に何者としてどう反応することが期待されているかに関する各活動主体の理解について、その主体間での一致/不一致を巡る微細なやり取りのマルチモーダル分析をもとに考察する。
  • OS01-3
    物の受け渡しの要求における理解と要求の形式
    招待講演
    遠藤 智子 (東京大学)
    物の受け渡しという行為を成功裡に達成するには、渡される物や渡す動作者、渡すタイミングや渡し方等、受け渡しに含まれる様々な要素の理解が必要となる。本発表では、日常会話コーパスのデータを用い、言語化された要求の有無・言語表現の文法形式および語の選択・身体行動のタイミングをマルチモーダルに観察することで、物の受け渡しにおいてどのような種類の理解が明示的または非明示的に達成されているのかを考察する。
  • OS01-4
    総合討論
    高梨 克也 (滋賀県立大学)
    3件の話題提供を出発点として,理解という研究対象を今後さらに多角的に「理解」していくことについて考える.