日程 9月8日(金) 10:35 - 12:35

オーガナイズドセッション (OS04)

会場:593中講義室・オンライン
言語景観と名辞における多言語の交錯:認知環境と認知エージェントのインタラクション
オーガナイザー:
原田康也(早稲田大学)
森下美和(神戸学院大学)
伊藤篤(中央大学)
平松裕子(中央大学)
福留奈美(東京聖栄大学)
佐良木昌(明治大学)
  • OS04-1
    基調講演
    原田 康也 (早稲田大学)
    In the 1969 film Z by director Costa=Gavras, the death of a prominent political figure was first referred to as “accident” by the investigative judge in charge, but as the story develops, he starts to use “incident” and eventually declares that it was an “assassination.” All these changes in the nouns referring to the event in question involve identification of relevant evidences and testimonies and presupposes quite different turn of events behind and probably after the death. How we name objects and events to be named affect the way we conceive of the things thus named, with explicit and implicit presuppositions, and we consciously or unconsciously navigate through our space of nomenclature and change the topology and topography of our meaning spaces dynamically.
  • OS04-2
    森下 美和 (神戸学院大学)
    インバウンド観光に回復の兆しが見られる昨今、混雑を避け、地方都市などで飲食を中心とした地元の伝統文化を楽しむような旅行形態が注目されつつある。ポスト・コロナ、ウィズ・コロナ時代の環境は、コロナ以前と比べてどのような点が異なるのか、今後のインバウンド観光にはどのように対応すべきなのか、関連する言語景観を中心に議論する。
  • OS04-3
    工藤 遥 (中央大学)
    高橋 喜幸 (料理マスターズ倶楽部)
    福留 奈美 (東京聖栄大学)
    原田 康也 (早稲田大学)
    平松 裕子 (中央大学)
    伊藤 篤 (中央大学)
    地域の食文化との驚きが希薄になっている現状に対し、我々は、生産者と料理人をつなぐことで「食」と「農」の再構築、それを利用した地域活性化の可能性を検討している。食材は日々内容が変化するため頻繁な更新が必要になり、また、食材の生産現場は高齢者が多いため、手間をかけずに入力することが必要となる。この報告では、生産者が食材を紹介するための情報をオンライン入力するためのUXの設計について検討した結果を述べる。
  • OS04-4
    平松 裕子 (中央大学)
    日光における調査に加え,2022年マンハッタンにおいて言語景観を実施した.デジタルサイネージによる可変型の掲示、また固定媒体の掲示にもQRコードが多く見られ,可視空間に収まりきれない情報の展開がその先にある.掲示媒体は手段であるだけでなく,内容,掲示を向ける対象者や「場」そのものの在り方にもつながっている.目前の「場」はどのように変化してきているのか.言語景観の比較を通して,文化的相違及び情報化社会における掲示内容の標準化を考える.
  • OS04-5
    福留 奈美 (東京聖栄大学)
    ロングパスタをスパゲッチ、ショートパスタをマカロニと総称していた1950年代から、いまや60種類以上のパスタがスーパーで固有の名称で売られ、各種ソースで食べ分ける時代となった。中国・四川の地方料理である麻婆豆腐は日本に伝来し、「辛くない、四川風、広東風」等と修飾される多様な味わいに生まれ変わり受け入れられている。異国伝来の料理が受容・変容・浸透・再編成される中で、呼称の範疇は変化し、より細分化していくと考えられる。
  • OS04-6
    招待講演
    佐良木 昌 (明治大学)
    翻訳もまた同じ事柄を別の言語で表現するという意味で、異語同義の相貌を見せる。表現構造は言語が異なれば異なるが、翻訳は、表現構造の相違にもかかわらず、異なる言語間における意味的等価を実現する。特に言語系統的にも文化的にも断絶した言語間に於ける翻訳とは、異なる言語の間に、意味的等価の関係を作り出す表現行為である。