10月12日(土) 14:40 - 16:40
オーガナイズドセッション (OS-1-4)
会場:福武ホールB1 ラーニングシアター
認知科学研究は人工知能研究に「借り」を返せるか?
本田秀仁(追手門学院大学)
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OS-1-4-1AIをつくる・つかう人間招待講演AI開発の上流過程(例:AI開発に必要なリソースを人間がつくる過程)と下流過程(例:開発されたAIを人間がつかう過程)には必ず人間が存在する。すなわち、認知科学が明らかにしてきた人間の多様な知の特性とAI開発は相互に影響しうる。この点を議論する研究は昨今、増加しているものの未開拓だと感じる。認知科学とAIを自由に行き来する研究を紹介すると同時に、学際研究に(若手)研究者が取り組む是非も議論できると嬉しい。
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OS-1-4-2視覚的グラウンディングについて人間とAIをくらべる招待講演Vision & Language関連の機械学習AIは、標準意味理論である指示的意味を計算論的に実現する期待を与えてくれる。ここでは全ての言葉の視覚的グラウンディングが原理上求められるが、懸念する指摘もある。本発表は、否定nothingおよび時間持続性continuantsをラベルとした画像分類をチャレンジングタスクとして報告する。認知科学がAI研究からその技法を輸入して使わせてもらうだけでなく、輸出していくような試みとして提案したい。
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OS-1-4-3多様性に配慮した意思決定支援AI招待講演集団で意思決定する際によく用いられる多数決には、少数派の意見を無視するという問題がある。また、私たちが他人を評価する際に、特定の属性の人々に対して不公平な意思決定をすることがある。本講演では、人間の意思決定が抱えるこれらの問題に対処し、人々の多様性に配慮した意思決定を支援するための人工知能技術を紹介する。また、これらの一連の研究を通じた、認知科学と人工知能の協働への期待について述べる。
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OS-1-4-4そもそもロボットとは何か招待講演純粋に工学的に考えれば、単なる機械にすぎないロボットを、一般のユーザは「人間でも機械でもない」特殊な存在として認識しているということを、HRI/HAI分野の研究は明らかにしてきた。講演者は、ロボットは人間にとって「異類」であり、「外部の他者」であるという前提のもとで、これまで実験的研究を行ってきた。本講演では、講演者がこれまで行ってきた責任帰属の実験やゲティア問題を扱った実験を取り上げて、人間にとってロボットとは何かを考える。