日程 10月14日(月) 15:20 - 17:20

オーガナイズドセッション (OS-3-2)

会場:教育学部357・8
芸術の認知科学は「役に立つ」か?
オーガナイザー:
三浦慎司(名古屋大学)
松本一樹(獨協大学)
櫃割仁平(京都大学)
  • OS-3-2-1
    アート&デザインにおける認知科学
    招待講演
    宮坂 真紀子 (北里大学)
    アート&デザインにおいて、認知科学は非常に親和性の高い領域である。デザイン分野では、人間の認知プロセスを考慮した設計が推奨され、アート分野でも科学とアートの融合を試みる作品が高評価を得ている。芸術と認知科学は、人間や生物の心の働きと行動を探究するという共通のテーマを持ち、いずれも人間理解を深める試みである。本講演では、社会的ニーズに応じた研究から美術教育の現場まで包括的に考察する。
  • OS-3-2-2
    招待講演
    板垣 寧々 (早稲田大学, 日本学術振興会)
    本稿では事前にリーダーが想定できない初対面同士(ほぼ共演経験がない場合も含む)の同パートのアマチュア奏者によるヴァイオリン合奏に着目し,合奏の成り立ちを奏者間の身体動作から抽出されたLF関係から探索的に検討した著者らの研究 (板垣他,2023)を概観する.上記をふまえ,合奏研究の展望を生態学的妥当性と個性の2点から述べることで,認知科学における合奏研究の貢献や課題の一端を示す.
  • OS-3-2-3
    超越的美的経験の定量的定義
    招待講演
    若林 正浩 (関西大学)
    圧倒や恐怖といったネガティブな情動と、美の感覚が共起する「崇高」「畏怖」「畏敬」という美的経験が存在する。崇高、畏怖、畏敬を構成する情動は明確に定義されておらず、混同して使用されることも多い。本発表では、崇高、畏怖、畏敬の定量的区分を目的とした研究を報告する。崇高、畏怖、畏敬は、向社会性や他者への共感を促進することが先行研究で示されている。これらの例も交え、芸術をはじめとする美的経験の認知科学が人間にとって「役に立つか」を議論したい。
  • OS-3-2-4
    総合討論
    パネルディスカッション
    岡田 猛 (東京大学)
    蔵屋 美香 (横浜美術館)
    このパネルディスカッションでは、本OSでの各招待講演の内容に基づき、パネリスト、講演者、そしてフロアのオーディエンスを交えてOSの設定するテーマに関して議論を行う予定である。