大会プログラム
ポスター2(フラッシュトーク) (P2)
9月19日(金)
17:30 - 19:00
会場:IB館 中棟1F プレゼンテーションスペース
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P2-1本研究ではなじみのある曲を用いて学習することが記憶に及ぼす影響を検討した.具体的には,刺激の視覚呈示に加えて刺激を読み上げた音声を呈示する条件を設定し,杉野・清河(2013)の2条件の再生成績と比較を行った.その結果,モダリティが複数になることの効果とメロディ自体の効果が特定され,再生数に関しては2つのモダリティを用いることの促進効果が示されるとともに,系列位置情報の保持に関してはメロディが促進効果を持つことが明らかとなった.
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P2-23ボールカスケードの身体スキル獲得において,Beek ら (1992) が定義した各学習Stage に達したジャグラー,さらにはエキスパート間で,体幹の動きと上肢の動きの安定性が,どの熟達段階で確立されるのかを検証した.加えて,練習時に何に着目していたのかを言語報告から検討した.その結果,(1) 双方の動作の安定性が確立される熟達段階が異なること,(2) 初期段階で停滞していたジャグラーは,身体部位に着目していたことが明らかになった.
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P2-3本研究は,小型の新世界ザル(マーモセット)が,自分とは関わりのない第3者のやり取りが互いに公平なものか,どちらかだけが得をする不公平なものかを判断できることを示すものである.2人のヒト演者が,持っている食物を互いに交換しあう「互恵条件」と,どちらかが独り占めする「非互恵条件」のやりとりをマーモセットに見せた後に,2人の演者から先とは異なる食物が同時に差し出されたところ,非互恵条件の直後では食物を独占した演者から受け取る割合が少なかった.
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P2-4本研究は,小学校3年生から中学2年生までの23人の子どもを縦断的に追い、質問紙にみられる記述を、人の知覚、日常経験、学校での学習内容の影響などを加味して分析することから,これまでの抽象的・数学的な枠組みでは捉えることができなかった,具体的・知覚的な外界との相互作用を通した概念変化の過程を明らかにする.物質概念を構成する性質と量に関する概念が、密度概念を媒介に一定の順序で発達していく可能性と、発達の豊かな多様性が明らかになった.
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P2-5本研究では文章産出における表象変化過程を,産出すべき文章の理解などに伴う表象構築と,その表象の表出との2段階が循環するものと仮定した。これによると,産出すべき文章について具体的な制約が与えられると,テーマが絞られて精緻な表象が構築され,それに基づく文章が産出されると予測される。実験の結果,課題として作文すべきトピックに関する情報だけでなく読み手等の情報も与えた場合,主要なメッセージの生成が減り,情報の付け加えが増えることが示された。
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P2-6本研究の目的は,社会的排斥が視線注意効果に及ぼす影響を検討することであった。実験参加者は,排斥の有無を操作するサイバーボール課題と視線注意効果を測定する視線手がかり課題に取り組んだ。その結果,排斥群において,手がかりである視線の向きとターゲットの呈示位置が一致している場合の方が,一致していない場合に比べ,文字の弁別がはやくなることが示された。社会的排斥が,視線注意効果に影響を及ぼす原因について考察された。
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P2-7これまでの研究では,生後4か月の乳児は視聴覚が同期する刺激を選好注視し,生後5か月の乳児は自己受容感覚と視覚刺激が随伴しない刺激を選好注視するとされてきた.本研究では,新たなおしゃぶりセンサを用いて視覚,聴覚,自己受容感覚を統制して実験を行った.その結果,4,5か月児は視覚と聴覚と自己受容感覚が随伴しない刺激を長く注視した可能性が示唆された.しかし被験者数が十分な大きさではない.今後被験児をさらに集め,分析を続ける予定である.
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P2-8児童の音楽創作における性格要因の影響について予備的検討を行った。これまでの研究で、音楽の創造的思考力と楽曲の創作能力には関連がみられるものの、両者は等価ではないことが示唆されており、楽曲としての完成度には創造的思考力の他にも本人の音楽的経験や性格、環境など様々な要因が関係すると考えられる。本研究では性格要因に着目し、音楽創作能力との相関についての分析結果を示す。
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P2-9本研究では,日本全国で普及している防災マニュアルの大部分が文章と挿絵を組み合わせて作られていることに着目し,防災マニュアルの内容理解を促進する挿絵の性質を検討した.このため,「防災のために取るべき行動」を描いた挿絵と「防災に関連する物体」を描いた挿絵,又は効果線を付加した挿絵を防災マニュアルにそれぞれ併置したとき,防災マニュアルの文章をどれだけ記憶できるかを測る実験を行い,記憶成績の差を比較した.
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P2-10本研究では“あっち向いてホイ”における同期の達成について質的分析を行った.その結果,「ホイ」という掛け声が指差しよりも後に産出され,個人内で発話と動作にずれが観察された.さらに,同期のための情報として掛け声ではなく,指差し以前の一連の身体動作を用いている事が複数事例においてみられた.以上より,相互注視の視線上に指差しのための指を置くという一連の身体動作が,指差しと首振りの動作の開始の情報となり,同期が達成されている可能性が示唆された.
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P2-11NIRSを用いて,外国語としての英語におけるシャドーイングの脳内処理過程および,シャドーイングにより英語の読解に伴う内的リハーサルにいかなる影響を与えるかについて検討したものである.その結果、(1)シャドーイングが,活発な脳内処理を実現させる, (2)シャドーイングとリスニング課題後で, 黙読時の内的リハーサルについて,何ら有意な差がない, (3)シャドーイングトレーニング後の内的リハーサルが高速化する, ことが明らかになった。
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P2-12身体運動に伴う聴覚フィードバックの遅延検出に関連したERPの同定を目的とし,脳波測定を行った.実験は,刺激が受動的に呈示される条件と,被験者によるマウスクリックに対して刺激が呈示される条件の2条件実施した。刺激呈示にはオドボール課題を用い,標的刺激には200 msの遅延を挿入した.実験の結果,受動的聴取時よりも,能動的運動に伴う聴覚フィードバックに遅延を伴う場合の方が,遅延検出に伴うERPが高振幅で記録されることが示された.
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P2-13眼球運動が錯視図形の認識に影響を与えると考え,知覚と運動の相互作用という観点から錯視現象を考察することを試みた.ミュラー・リヤー図形を対象とし,視線自由と視線固定の2つの条件において,図形の提示時間を変化させた場合の実験を実施し,錯視量と眼球運動を測定した.その結果,図形の提示時間と視線固定の有無が錯視量に影響を与えることを明らかにし,錯視と眼球運動は相互に関係している可能性を示した.
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P2-14読書時の熱中・忘我は読後の質問紙によって熱中傾向として研究されてきた.しかし質問紙調査では熱中・忘我状態の思考・感情の変化がわからないこと,被験者報告の不確実性が課題である.本研究では読後に再読しつつ発話プロトコル法を行い,この課題を改善し,思考・感情の変化を調べた.その結果,熱中・忘我時の思考・感情の4つの特徴として自己モニタリングの困難や視覚的イメージの立脚点の不安定化を見出した.この特徴を元に,読書時の認知過程のモデルを提案する.
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P2-15特定の時間・場所・文脈において将来経験し得る出来事についてイメージする能力は,エピソード的未来思考と呼ばれている。本研究では,イベント入力に対して次のイベントを予測するよう並列分散処理モデルをトレーニングした。その後,モデルは予測から予測を生成するように,イベント系列の自己生成を行った(エピソード的未来思考にはそのような側面がある)。結果,健常者と意味認知症患者の行動データの再現に成功した。
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P2-16言語などのコミュニケーションシステムの理解過程におけるミラーニューロンシステムの役割について,副産物説と因果説二つの説が対立しているが,従来の実験パラダイムではそれらを切り離すことができない.本研究では,脳波計測と実験記号論の手法を用いて,その二つの仮説を切り分けて検証できるような実験パラダイムを提案している.
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P2-17本研究では,漢字特有の綴りの一部に関する情報 (sub-lexical information) である部首が,意味計算にどのように関わるかを、言語コーパスに基づいて検討した。その結果、部首を共有する漢字を含む名詞同士は、そうではない名詞よりも、文の次の来る名詞が類似しているという特徴が見いだされた。本結果は、漢字を含む日本語や中国語の言語獲得および言語処理に部首が促進的役割を果たすことを示唆している。
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P2-18本報告は,説明者とその傾聴・フアシリテーター役各2-3名で構成した小集団討議と,役割を設定しない小集団討議での類推と集団内対人態度の差を検討し,先行オルグの寄与と3集団間の差異を指摘する
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P2-19一般の学習において一般と特殊,規則と例外,一貫と非一貫を与えられた事例から抽出することができなければ環境に対して適切に振る舞うことはできない。データの持つ複雑さを考慮しつつ規則を学習し,かつ,一度きりしか発生しない人生の重大な事件に対処することは,知的システムにとって重要な最適化問題である。ここでは情動系からの関与を正則化項の特殊な場合として取り込むことにより上述のごとく知的に振る舞うシステムを提案した。
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P2-20単語完成課題(WFC)を用い,単語の意味と声質とサイン音の印象一致の効果を検討した.学習の後5分間の遅延を経てテストが行われた.3要因(学習時の印象一致の有無,テスト時の印象一致の有無もしくはニュートラル(新しい音刺激),単語の学習(新旧))が参加者内で操作された.その結果,意識的想起を行っていた参加者において,印象一致による単語学習量の増加が見られ,学習時に語義と印象一致した表現型が取られることが語の処理を促進した可能性が示された.
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P2-21ユーザの周辺視で捉えられる場所に呈示された,ヒト型のシルエットで表現された身体化エージェントの存在感がユーザの課題遂行に与える影響を,社会的促進・社会的抑制の枠組に基づき実験により検討した.エージェントの存在に気づいたユーザには社会的促進・社会的抑制がみられた.さらに,エージェントに付加された身体パーツの影響がエージェントへの気づきに関係なくみられた.このようなエージェントの,ユーザの潜在認知過程への影響について今後検討が必要である.
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P2-22ヤマハ音楽振興会では、過去数年間にわたって蓄積してきた乳幼児の音楽的行動の発達に関する縦断的な観察データを「データベース」として構築するプロジェクトを進めてきた。本発表では、このデータベースに搭載された多様な検索機能の概要と研究を効率的に進めるための「ツール」としての側面を紹介する。さらに筆者らの研究例を交えながら、発達研究の展開において、本データベースがどのような貢献できるのか、その利用可能性と意義について議論していく。
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P2-23本研究では、現実世界における「指揮」という行為がそれを行う権威をもつ指揮者のみならず指揮者を補佐する参与者らとの相互行為によって達成されることをみる。対象とするフィールドデータは多勢で巨木を林からゲレンデ下へ、山から村へ引き出すという場面である。分析から、指揮は時に指揮者を補佐する者(前任者や後任者など)によって必要な指示や指令が指摘・代行され、こういった人々の相互行為により指揮が達成されていることを明らかにする。
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P2-24近年、英語教育現場では合成音声ソフトの活用事例が増加している。しかし、合成音声を用いた場合と肉声を用いた場合では、第二言語の音声単語認知における学習効果がどのように異なるかについて詳細な検討はなされていない。本研究では、日本人英語学習者を対象に聴覚性プライミング実験を行い、学習者の復唱データを分析した。その結果、合成音声と肉声では、プライミング効果は異なるパターンを示しており、知覚学習という点ではその効果に違いがある可能性が示唆された。
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P2-25効果的な言語コミュニケーションは,質問と応答の連続によって行われる.そのため,リアルタイムのコミュニケーションにおいては,疑問文を理解しこれに適切に応答する能力と,相手の発話に基づいて即座に的確な疑問文を産出する能力がともに必要不可欠である.本研究では,日本人英語学習者を対象に,平叙文からwh疑問文への転換を伴う文の産出について調査した.その結果,繰り返し問題を解くうちに,wh疑問文の構築における潜在学習が進んだ可能性が示唆された.
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P2-26図形は、位相的配置に基づいた意味論的情報と幾何学的位置のような視覚情報の両方を持つ。論理推論において図形を使用するとき、本来不要である視覚情報に注視することで、必要な意味情報に十分な注意が向けられず、結果として誤った妥当性判断を行うことが考えられる。視線計測を含む本実験では、使用する図形の幾何学的大きさの違いが、推論パフォーマンスに影響を与えていた。この結果は、図形の視覚バイアスの実際的な存在を支持するものとして議論された。
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P2-27本研究は3歳から5歳の子どもがどのように色語の運用を習得していくのかを探る.実験では,93色のチップが被験者に対して提示され,被験者にはチップを表すと思う色を一つ答えてもらった.分析では子どもと大人の色の命名パターンが比較された.その結果,子どもの色名習得は,初期には「赤系」「青系」のような大枠に対する名付けの区別から,次第に「青」と「緑」のような隣接するより細かな色名の区別へと,緩やかに進む可能性が示唆された.
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P2-28人は,どのように味わいを感じているのだろうか.舌で,鼻で確かに感じている日本酒の感覚を,我々はどのように言葉で表現しているのだろうか.複雑なワインの香りを的確に言語化していく一流ソムリエの例を待つまでもなく,味わうという行為は高度に知的な営みであり,それは身体知である[2].本研究では,日本酒の味わいを例題としてとりあげ,人が味わいを認知し言語化するプロセスを記号論的モ デルとして示すことを目論む.
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P2-29値の推定は,自動的で素早いシステム1と,論理的で時間のかるシステム2の,2つのシステムにより行われる。本研究では,システム2を中心とした時間をかけた熟考的なプロセスが,システム1を中心とした推定を通して生じたバイアスを緩和することが可能であるか,アンカリング効果を用い検討を行った。実験の結果,システム2による時間をかけた推定により,完全ではないものの,アンカリング効果が緩和されることが示された。
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P2-30エージェントからの自己呈示(自己高揚的呈示・自己卑下的呈示)に対する効果と、フィードバック(ポジティブフィードバック・ネガティブフィードバック)に対する効果を検討した。分析の結果、自己高揚的呈示を受けた方が自己卑下的呈示を受けた方よりも能力が高く推定された。また、ネガティブフィードバックを与えられた方がポジティブフィードバックを与えられた方よりも課題遂行意欲が高かった。
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P2-31マシュマロ・チャレンジという目的指向型の課題を通して,課題達成度・作業満足度と参加者の言語・非言語行動の関係性を調べた.その結果,課題達成度と作業満足度に関連はあるものの,それぞれに影響を与える言語・非言語行動の要素は必ずしも一致しないことが明らかになった.したがって,制限時間内により高いタワーを作成して課題の目標に到達することが,参加者の満足度に必ずしも直結するとは限らないことが示唆された.
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P2-32人は活動の中で学んでいく。人の学習をさまざまな活動の相互作用の中で捉えて行くことで、学習の困難さがどのようにして生じたり、またそれをどのようにして乗り越えていけるのかなど学習の多様な実態に迫ることが可能になる。ここでは確率概念の発達が活動の中でどのように成立していくのかを具体的に検討することを通して、人が活動のなかで学ぶ姿を捉える理論的な枠組みの構築のための一助とする。
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P2-33Web検索エンジンで情報検索する場合,検索キーワードに関連性の高いWebページが検索結果として提示される.そのため利用者は検索する時点で検索結果に含まれるキーワードを知っている必要がある.関連する情報から新たな知見を得ることを目的として,検索キーワードで得られる結果を入力とすることで関連性の高い結果を利用者に提示するシステムを提案する.アンケート方式による評価を行い,72%の被験者から肯定的回答が得られ,提案システムの有効性が示された.
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P2-34詐欺犯罪脆弱性特性が連続的な変数であるのか離散的な変数であるのかを検討するためにtaxometric分析を用いた分析を行った。その結果、多くの場合において詐欺犯罪脆弱性は連続的な特性であること、すなわち、程度の差はあれ詐欺犯罪の遭いやすさはすべての人が持っている特性であることが明らかになった。ただし、分析の何例かにおいて離散的な結果が得られた場合があるので、その時に得られる詐欺犯罪脆弱性が高い群の特徴を分析した。
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P2-35意味記憶あるいは結晶型知能は認知的加齢の影響を受けにくいとされる.しかし,在宅医療機器(人工呼吸器)のユーザビリティテストの一環として,呼吸の概念を尋ねたところ,肺・気管以外の臓器が関与するとした高齢者の存在が示された.そうした誤概念を表出する群とそうでない群との比較,その原因・要因・機制,また誤概念群が示す独自の人工物操作上のエラーについて検討し,認知的加齢と知識・結晶型知能について考察した.
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P2-36サッカー試合観察時において,熟練者と未熟者の視線が乖離している時区間に注目し,熟達した試合観察に関する暗黙知の顕在化を目指す.どのような状況で乖離が発生したか,乖離中どの対象を見ていたか,見ていた場所は乖離発生時からどう変化したか等を分析する.ボールがゴールラインに近いときに熟練者と未熟者の注視行動に差が現れやすい,熟練者は試合の状況と逆行するように観察している等,熟練者の試合観察の特徴を抽出することに成功した.
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P2-37本研究では,NIRSを用いて,動作と発話における真実と虚偽反応の脳活動を検討した。実験は,学習,再認,虚偽の3種類の課題で構成し,学習課題では,名詞と動詞から成る短文に対する動作か音読の実施を求めた。再認課題では,学習課題の短文を再呈示し,再認判断を求めた。虚偽課題では,記憶課題の反応に基づき,真実か虚偽の反応を求めた。虚偽課題での動作の虚偽反応が真実反応よりも,右上前頭回のみで,高い賦活量を示した。
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P2-38本研究では,身体姿勢の操作が,虚偽自白場面にまつわる潜在的・顕在的態度に及ぼす影響を検討した。実験では,前屈姿勢または直立姿勢を取る前後に,潜在的屈服感を測定するIATを行い,続いて姿勢を維持したまま,場面想定法による質問項目への回答を求めた。その結果,前屈姿勢は,潜在的水準では屈服感を高めるものの,顕在的水準では一律に屈服的な意思決定を促すわけではなく,同調傾向が低い者においてはむしろ抵抗的な態度を促すことが示された。
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P2-39本研究では,絵画に対して,感情的評価(好き,嫌い)に続いて認知的評価(理解可能,不可能)を実施した際に,感情的評価が認知的評価と不一致であると,一致よりも前頭前野の賦活量が上昇することが(Pelowski et al., 2012),絵画評価に限定される反応であるのか検討した。絵画評価課題に加えて,趣味を評価する趣味評価課題を実施した結果,感情的評価と認知的評価の反応の割合が,2種類の課題間で異なることが確認された。
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P2-40医療情報システムが導入された外来診察室における問診場面をモデルとして,3つの記録条件によるインタビュー実験を行い,会話の構造と主観的評価を比較した.その結果,話し手と聞き手がモニタ画面を共有している条件では,会話の評価が大きく低下することが明らかになった.これらの結果にもとづき,対面コミュニケーションにおける情報機器の使いやすさと,効果的なITながらコミュニケーションのあり方について議論した.
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P2-41本報告は,協調的な学習理論(建設的相互作用)とそれに基づいた授業の型(知識構成型ジグソー法)を題材として,教師が自らの授業に型をどう使い,授業中にどう子供に介入しようとするかから学習観が推察できることを報告する.その上で教師の学習観から想定される水準を超えて学ぶ力が子供にあった場合,その姿の観察が学習観更新の契機になるかを検討する.
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P2-42本研究は人とより自然なインタラクションを行う事ができるロボットの設計を目的としている.人がロボットの機能を推測しロボットに適応すると同時に,ロボットも人の反応によって学習し人に適応する相互適応現象を考慮したロボットの学習方法の提案を目指し研究を進めている.提案したロボットの学習方法を,人との実験を通して,ロボットの印象や学習の速度等を調べた.また,母子間インタラクションを参考にした相互適応を設計し,その実験構想について示す.
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P2-43本発表では,「面白い話」の多言語データベース構築という現在進行中の作業を紹介し,話の実際を,「面白い話」に関する意識調査の結果と共に示す.主な結論は3点である:(1) 日本語で「面白い話」と言えばほぼ体験談だが,学習者の「面白い話」はそうではない;(2) 日本語学習者は日本語のしゃべり方として大人しい話し方を獲得している可能性がある;(3) 「日本語では面白いが母語では面白くない」という学習者の感じ方があり得る.
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P2-44このポスターでは、「一変数表示系」と呼ばれる図表現系のクラスを特徴づけた上で、日常的に利用されている多くの図表現系がこれに分類されることを示す。この特徴づけに基づけば、図表現の認知機能に直接関連するいくつかの一般的な特性が、一変数表示系にどの程度備わっているかを一般的に探究することが可能となり、個々の図表現系の特性を逐次的に探究するという従来の統語論的・意味論的研究の限界を克服する可能性がある。
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P2-45本研究では,創造的デザインと非創造的デザインを評価している際に関わる脳部位にはどのような差異があるのか, 主観的な基準に基づく創造性評価は外的に与えられる社会的評価からどのような影響を受けるのか,という2つの問いに対して,fMRIを用いた実験的な検討を進めた.なお,本研究では,創造性評価の実験的検討を進めるため,創造性研究に供するデザインデータベースの開発を行い,評価実験を通してその妥当性についても合わせて検討を行なった.
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P2-46本研究では手中心の座標系情報が視覚運動知覚に及ぼす影響の解明を目的に,通過・反発刺激遭遇点の真下に置いた手の向きがその見え方を変容させるか検討した結果,左右手掌を合わせた条件のみに反発知覚がそれ以外に比べて上昇した。この効果が視覚情報と自己受容感覚のどちらに依存するか,加えて手と通過・反発刺激の距離に及ぼす影響を検討した結果,手中心の座標系情報が限られた空間範囲で視覚運動知覚に影響し,自己受容感覚がこの効果に重要であることが示唆された。
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P2-47対話インタラクションによる合意形成の中で相互信頼感構築・維持が進展する過程を記述するモデルとして「関心擦り合わせ」の概念を提示し, 関心擦り合わせモデルに基づく医療分野での具体的対話の分析を示す. また, 関心擦り合わせを通じた合意形成は, 複数エージェントによる相互依存的意思決定ととらえることが可能なので, 関心擦り合わせ過程の複数論点交渉によるモデル化を提案する.
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P2-48本稿は,参加型デザインにより宅内用Wi-Fiアクセスポイントの設定マニュアルを改訂したプロジェクトについて報告する.本プロジェクトでは,参加者にユーザ,情報の提供者,デザイナーとしての複数の役割を与えることで,ユーザとして参加したメンバーが,プロジェクト内でより主体的に活動することを期待している.本稿では,プロジェクトについて概説すると共に,改訂されたマニュアルを用いた評価実験の結果を報告する.
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P2-49本研究では、おもちゃの操作を構成する動作に着目し、その動作局面における母親の対乳児動作と視線位置の関連を検討した。母親はおもちゃの操作方法を被教示者(子ども、成人)に対して実演した。その結果、母親は子どもに対しておもちゃの操作を教示する際に、特定の動作を強調し、さらに、子どもに対して特徴的な視線行動を行うことが明らかとなった。このことから、対乳児動作は母親自身の視線行動によって引き起こされる可能性が示唆される。
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P2-50本研究では,選択を促す情報提示時間を4秒,6秒,ベースライン(制限無し)といった3条件に設定し,2属性3肢選択課題において,タイムプレッシャーがファントム効果に及ぼす影響を実験的に検証することを目的とした.実験参加者は大学生208名であった.実験の結果,先行研究と同様にファントム効果を確認できた.特に,ベースラインと4秒条件よりも,6秒というタイムプレッシャーのもとで,ファントム効果が特に高く生起するという知見は新たなものである.
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P2-51ストーリー再生課題を用いて,話し手が2名1組の場合と3名1組の場合を比較し,参加人数の違いがインタラクションに与える影響について分析した.その結果,話し手が3名1組の場合は, 2名1組の場合よりも,お互いに視線を送りつつ,発話権を頻繁に交替しながらストーリーの説明を行なうことが明らかになった.また,話し手が3名1組の場合には,発話権取得回数や視線配布に参加者間で偏りがみられたことから,積極的に関与していない参加者の存在が示唆された.
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P2-52催眠は視覚や聴覚等、知覚の変容を引き起こすことのできるツールであり、認知科学分野でも近年様々なアプローチが試みられている。本研究では、催眠にかかりやすい人々を対象にエビングハウス錯視の構成要素の一部(外周円)が見えなくなるという暗示をかけることで、中心円のサイズを正確に見積もることができるかを計測した。これにより従来ボトムアップ的な情報処理が行われていると考えられてきた錯視を、再びトップダウン的な処理過程の制御下におけるかを検証した。
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P2-53本稿では,著者らが提案した想起性と安全性の高いパスワード作成支援システム および,単語の素を変形させる方式の2つのパスワード生成方法を利用し,ユー ザがパスワードを生成する過程および,パスワード生成1週間後にどの程度再現 可能かを分析する.これにより,生成したパスワードのどの部分が想起に関わり をもつかを明らかにする.
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P2-54本研究は,モデル化の手法を用いて情報社会論を拡張するためのFSの進展ぶりを報告する.情報社会論に移動体と経路の双方をICTによって制御することで安全性経済性と環境に配慮した網へと変貌させた高度交通システム(ITS: Intelligent Transport System)の研究・教育と実践の手法を導入する,としたのが研究の発端であった.ITS研究への参与により導入のプロセスを検討し,実践を行い,展開した実例と現状を報告する.