9月10日(木)
ワークショップ(W1) 17:30-19:00 会場:ι11
文章理解における経験と認知の関連
- 企画:森島泰則(国際基督教大学)
- 話題提供者:猪原敬介(京都大学)、常深浩平(京都大学)、福田由紀(法政大学)
- 指定討論者:井関龍太(京都大学)
「理解」は一方で問題解決的、自覚的な性格を有し、また状況によっては非常に知覚的、無自覚的である。
文章理解研究を通じて得られる知見から、認知全般について興味深い理論的示唆が得られると期待できる。
今回のワークショップでは、「文章理解において経験と認知はどう結びつくのか?」を中心テーマとし、以下の問いを中心に議論を展開する。
1)文章理解にはどういう経験がとくに関連が強く、それはどのようにモデル化(記憶)されるのか?
2)それらの経験は、どのように文章理解に使われるのか?
3)認知科学への貢献.議論の話題として提出される研究は、LSA(潜在意味解析)、自伝的記憶、読み手の自己化である。
ワークショップ(W2) 17:30-19:00 会場:ι23
総合学術オントロジー
- 企画:橋田浩一(産業技術総合研究所)
- 話題提供者:橋田浩一(産総研)、Steven Kraines(東京大学)、長尾確(名古屋大学)、小橋康章(大化社)
認知科学会の「認知科学辞典」をオントロジーに基づいて再構成し、 情報処理学会の「次世代情報処理ハンドブック」を含む他学会の辞典類も同じオントロジーに基づいて編纂し、 学会の垣根を越えてこれらを相互に連携させ、 さらに他学会の用語辞典類も組み込みながら持続的に拡張したいと考えており、 「認知科学辞典」と「次世代情報処理ハンドブック」に関してはすでに具体的な作業に着手した。 この辞典の複合体である「総合学術オントロジー」の編纂を中核として関連する 論文等のコンテンツやサービスを全体的に高度化するプロジェクトの構想とそれを実現するアプローチについて討論する。
ワークショップ(W3) 17:30-19:00 会場:ε21
概念の数理認知モデル
- 企画:中川正宣(東京工業大学)、松香敏彦(千葉大学)
- 話題提供者:中川正宣(東京工業大学)、寺井あすか(東京工業大学)、坂本佳陽(A*STAR)、松香敏彦(千葉大学)
- 指定討論者:河原哲雄(埼玉工業大学)、楠見孝(京都大学)、三輪和久(名古屋大学)
本ワークショップでは、高次認知において重要な役割をになう概念に関して、
数理的アプローチを用いておこなわれた最近の研究を紹介し検討する。
寺井氏は概念構造の数理モデル、坂本氏と松香は概念・概念学習の計算モデルの研究を発表し、
人間の概念の形成と利用に関わる認知行動・認知情報処理を検討する。
寺井・中川は、言語統計解析に基づく概念の階層的確率構造の構築とその比喩理解の数理モデルへの応用について検討する。
まず、概念を言語統計解析により意味ベクトルとして表現し、
次に、直喩の理解過程はカテゴリ化過程とダイナミックインタラクション過程の2段階からなると仮定し構築された、
概念の意味ベクトルに基づく比喩理解の数理モデルを紹介する。
坂本・中川は、数理モデルの構成による人間の論理的推論過程の理解、とくに言語統計解析に基づく帰納的概念学習の数理モデルを紹介する。
松香は、これまでの行動実験のデータから示されて人間の認知過程とモデルの予測および解釈を比較し、
微分方程式に基づく学習モデルの記述妥当性を再検討する。また、解決策として、確率的最適化法を応用したモデルを紹介する。
最後に、これらの知見が、概念および高次認知研究に与えるインパクトや、今後の展望について議論する。
ワークショップ(W4) 17:30-19:00 会場:ε22
知能研究の評価方法論の模索
- 企画:諏訪正樹(慶應義塾大学)
- 話題提供者:諏訪正樹(慶應義塾大学)、田村大(株歯堂)、和泉潔(産業技術総合研究所)、平嶋宗(広島大学)、 須永剛司(多摩美術大学)、藤井晴行(東京工業大学)、中島秀之(はこだて未来大学)、古川康一(慶應義塾大学)、 藤波努(北陸先端科学技術大学院大学)、工藤和俊(東京大学)
身体性や社会性を陽に扱う知能研究においては、従来「科学的研究」に求められて来た客観性、普遍性、再現性に固執し過ぎると、 本質を逃してしまう危険性がある.身体や社会で生起する現象は、とかく主観的で、個人固有性や一回性を有する。 個々の研究の知見を受け継ぎ次世代の研究へとつなげる、もしくは個から普遍を見出すためには、 研究を評価する新しい方法論の確立が急務である。本ワークショップは、人工知能、認知科学、スポーツ科学、社会インタラクション、 デザイン、建築、教育の分野で知能研究に従事する10名のパネリストを招き、各分野の具体的例題を基に議論を展開する。