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注意

  • O2-4
    中田龍三郎 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)
     本研究は鏡を見ながら食事すると単に孤食するよりも食品をよりおいしく感じることを初めて報告する。この結果は従来考えられてきた気分(ムード)以外の要因も共食によるおいしさの向上に関係していることを示唆するものであった。さらに大学生でも高齢者でも年齢に関係なく鏡を見るとおいしさの認知は向上した。高齢化が急速に進む日本では高齢者の孤食が社会問題化している。本研究から孤食の問題に対処するうえで有用な高齢者の食認知に関する知見が得られた。
  • P1-8
    大塚翔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究の試みは,従来,認知心理学的に検討されてきた“ぼんやり”を,環境との相互作用の視点から問い直すことである。長時間のビデオデータ記録作業中の行動とインタビュー内容を分析した結果,人が,記録作業を局所的に組織化する中で「この状況では何もイベントが出ないはず」と見通しを立てており,その説明可能性をリソースに,自身の経験を“ぼんやり”と語っていた。本研究の議論は,“ぼんやり”の本質を「状況」に置くための視点を提案する。
  • P1-34
    栗延孟 (東京都健康長寿医療センター,筑波大学)
    富田瑛智 (筑波大学システム情報系)
    須藤智 (静岡大学 大学教育センター)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究では,加齢によりペットボトルキャップが開けにくくなる要因を明らかにするため,アンケート調査と,日常からキャップを開けることが困難な高齢者と容易な高齢者を対象に開栓実験を行った.その結果,両群の間に握力やピンチ力の差はなく,困難な高齢者はキャップの握り方,力のかけ方が多様であった.このことから,経験による「開けにくい」というメタ認知の結果,「より開けにくい」環境を作っている可能性が考えられた.
  • P1-35
    徐貺哲 (千葉大学人文社会科学研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    本研究で注目したのは対人印象と顔全体かあるいは顔部分(顔のパーツ)との関連性である。特に、顔の印象形成には、目や鼻など、顔を部分的に着目するのか、それとも顔を総合的に観察するのか眼球運動を基に定量的に検証することを本研究の目的とした。
  • P1-36
    仲嶺真 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    山田陽平 (奈良教育大学)
    河原純一郎 (北海道大学大学院文学研究科)
    永井聖剛 (愛知淑徳大学人間情報学部)
    我々は,大きく腕を回すと,小さく腕を回したときに比べ,拡散的思考が促進されることを明らかにした。しかし,大きく腕を回す動作が必須であるのか,広範囲に視線を向けるだけで十分なのかは明らかではなかった。そこで,本研究では,広範囲の視線移動が,拡散的思考を促進するかを検討した。その結果,広範囲の視線移動は,狭範囲の視線移動に比べ,拡散的思考を促進しなかった。この結果から,拡散的思考の促進には,腕を回す動作が必須であることが示唆された。
  • P2-21
    髙橋麻衣子 (日本学術振興会/東京女子大学)
    田中章浩 (東京女子大学)
    本研究は,説明的文章を視聴覚提示する際に理解に最適な提示方法を検討することを目的としたものである。実験1では文章を視覚先行,聴覚先行,視聴覚同時のタイミングで提示し,理解成績を比較した。それに加えて実験2では視覚情報に,実験3では聴覚情報に参加者の注意を方向づけて文章理解の成績を比較した。3つの実験の結果,視覚情報を聴覚情報に先行して提示し,かつ視覚情報に意識的に注意を向けることで理解が促進されることが示された。
  • P2-30
    小谷俊輔 (神戸大学)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
     漆芸に使われるヘラの製作技法の伝達場面における指導者とその周辺の分析を行った。具体的に指導者の発話・行動を観察し分析した。また製作の一連の流れを、それを構成する下位工程のユニットに分節化し、指導者の発話・行動の分析と関連づけ、指導者が目的の達成のために行う状況作りの特徴を明らかにした。また漆芸用ヘラの完成という目的に進む組織の創発において、逐一製作工程の細かい指示が出されるのではなく、ある種の「柔軟性」が存在することも示唆された。
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