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哲学

  • OS03-1I
    依頼講演
    嶋田総太郎 (明治大学)
    本発表では、プロジェクションの認知機能について考えるために、ラバーハンド錯覚とミラーシステムを取り上げて議論する。ラバーハンド錯覚を自己の物体へのプロジェクション、ミラーシステムを自己の他者へのプロジェクションとして捉えることによって、「身体を介した自己のプロジェクション」のメカニズムと機能を浮かび上がらせたい。これらの検討を通じて、単なる「認識」とは異なる「プロジェクション」の射程について考えたい。
  • OS03-7
    横山拓 (青山学院大学社会情報学研究科)
    鈴木宏昭 (青山学院大学)
    本論文はマイケル・ポランニーによる暗黙的認識と投射の概念を援用しながら,熟達の過程とメカニズムをプロジェクション科学の観点からとらえ直すことを目指す.この観点からすると,熟達者とはある領域においてより多くのものを近位項として機能させることができる存在であり,熟達化は世界に対する投射能力の拡張として考えることができる.本論文では投射による熟達の暫定的なモデルを示した上で,伝統芸能やボクシングの熟達化に関する事例にアプローチする.
  • OS08-3
    竹村亮 (日本大学)
    片桐恭弘 (はこだて未来大学)
    種々の問題形式について、オイラー図を用いたヘテロジニアス推論について検討する。とくに比較のために本システムにおけるオイラー図を使わない推論、すなわち文・論理式のみを用いた自然演繹推論も検討する。これにより、オイラー図を用いたヘテロジニアス推論の特徴を分析する。
  • OS09-3
    加藤龍彦 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    Systematicity Argumentによれば,心的表象は構成素と規則によって作動する.そのため認知の説明を与えられるのは計算主義だけである.この議論に対して多くの論者はその経験的な前提を批判し,二重過程理論が認知の説明理論として適切であるとしてきた.本稿ではこれを批判する.認知は異なる2つのメカニズムに依存してはいない.Predictive Processingはこの点で,二重過程理論に代わって認知のより良い説明を提供し得る.
  • OS09-4I
    依頼講演
    西郷甲矢人 (長浜バイオ大学)
    本論文の主題は、自明に異なるもののあいだの「同じさ」の措定が、自然変換の創出という、圏論的な概念でとらえられるという作業仮説を提起し、その応用の可能性を論じることにある(全体として田口茂氏との進行中の共同研究に基づく)。また、この主題の具体的な展開として、「同じさ」の措定(発見/発明)である「比喩」の一般理論の枠組みを提示する(布山美慕氏・岡隆之介との進行中の共同研究に基づく)。
  • OS09-5I
    依頼講演
    田口茂 (北海道大学)
    現象学的な観点から、「同じさ」を「差異」によって定義することを試みる。われわれは、差異を基盤としてはじめて何かを「同じもの」としてつかむことができる。「同じもの」とは、差異に満ちた現実から差異が部分的に相殺された結果であると考えることができる。それゆえ、同一性は差異に還元可能である。さらに、同一性に対する差異の根源性を、固視微動、カエルの視覚、神経適応、ニューロンの生理学的特性といった経験的・実験科学的知見から裏付けることをも試みたい。
  • OS11-2
    小山虎 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    本論文では、心を備えたエージェントを工学的に実現するためのアーキテクチャを提案する。これは哲学と人工知能における心や自己の研究の流れを踏まえ、両者を統合したものである。既存のアーキテクチャとの比較的優位性や進化的妥当性についての議論に加えて、本アーキテクチャの学際的価値をロボット工学、哲学、認知科学などの観点から論じる。
  • OS18-10
    福島宙輝 (慶應義塾大学)
    本研究では,味覚と形の感覚間象徴対応関係において従来行われてきた,選択式の課題に対して,生成課題を試みた.言語表象,描画(非言語)表象,そして身体という多面的な表象の分析から,従来はAngular図形として表象されると考えられてきた旨味,酸味に関して,これまでの定説とは逆にRoundnessとして表象される可能性を示した.また辛味,渋味などの刺激としての味が描画表象によって象徴的に角張った形に対して記述される可能性を示した.
  • P1-2F
    下嶋篤 (同志社大学文化情報学部)
    Dave Barker-Plummer (Center for the Study of Language and Information)
    図的表現の重要な特徴の一つは、複数の図要素が集まって特定の知覚的パターンを形成し、それによって大局的な情報を伝えることができることである。本発表では、論理学的アプローチにより、そもそもなぜそうした知覚的パターンが特定の意味をもつのかを明らかにする。また、こうした論理的知見が、図の知覚的パターンの読解に必要な心理的条件や、関連するいくつかの重要な心理的現象の機序にどのような光を当てるのかについても考察する。