研究分野別一覧

言語

  • OS03-3
    公募発表
    黒嶋智美 (玉川大学)
    萱場豊 (東京大学)
    小俣貴宣 (ソニー株式会社R&Dプラットフォーム)
    本研究では、会話分析と行動経済学という全く異なる既存の方法論と理論的枠組を用いて,同一の社会的相互行為における現象を検討することで、一見して、購買活動や展示販売活動といった経済的活動の具体的な場面と記述されうるやりとりが、どのような社会的行為によって組織されているのかを明らかにすることを試みる。その際に、行動経済学からの理論的枠組を記述された現象の裏付けとして援用する。
  • OS09-4
    公募発表
    傅翔 (宇都宮大学)
    康茗淞 (宇都宮大学)
    張昭誼 (宇都宮大学)
    伊藤篤 (宇都宮大学)
    平松裕子 (中央大学)
    原田康也 (早稲田大学法学学術院)
    佐々木陽 (宇都宮大学)
    羽多野裕之 (宇都宮大学)
    To improve the satisfaction of the tourists, we have been developing tour guide application in Nikko since 2014. There are many tourists visiting Nikko, among them many travelers from Taiwan and Mainland China. For this reason, the need to explain the tourism resources of Nikko in Chinese is increasing more and more. However, there are several problems in the signs and menus.In this paper, we discuss the problems of Chinese notation in the tourist spot and explain that the correctness of translation for signs is important. Then we propose the points to consider for translation procedure using machine translation to increase the understandability of signs based on Functional Translation Theory.
  • sO3-1
    西川純平 (静岡大学情報学部)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    言語能力に関わる脳機能障害への注目を背景に,言語の習得支援に関する研究の需要が高まっている. 本研究では,認知アーキテクチャを用いてことば遊びを行う認知モデルを構築し,シミュレーションにより言語習得に必要な音韻意識のモデル化を試みた. さらに,認知アーキテクチャのパラメータを調整することによって,しりとりを活用した音韻意識の訓練が実現可能であるか検討した.
  • sO3-2
    赤間啓之 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院)
    人間の言語活動をめぐり、脳機能イメージングの領域に機械学習を適用し、言葉の意味処理の神経基盤を求める研究は、脳の中に辞書を地図として描く段階にまで進んでいる。しかし、こうした研究は現在、個人差の捉え方と意味処理中枢の位置をめぐり、大きな限界に直面している。本研究では、Mitchell et alのScience論文に始まる計算神経言語学的アプローチを新たな視点で再分析することで、この限界を扱いうる具体的なメタ分析の例を提示する。
  • sO3-4
    田浦秀幸 (立命館大学)
    言語間距離の遠い日本語と英語を対象言語とする通訳になったばかりの新米通訳者を6年間(22〜28歳)追跡し、英語力・ナラティブ力と脳賦活度合いの関連性を調査した。その結果、大学卒業時に既に高い英語力を持つ新米通訳者も6年間の内に語彙密度や流暢さは向上し、脳賦活もより堪能な母語賦活を抑えることで第2言語にリソースを多く割り当てる経済的な賦活様態に変化してきていることが判明した。
  • sP1-5
    水野りか (中部大学)
    松井孝雄 (中部大学)
    刺激語が人間か否かを判断させる意味分類課題で人間語でのみ同音異義語効果が生じないという知見 (松井・水野, 2017) を受け,刺激語に判断に必要十分な情報が含まれている場合は仲間の情報のような周辺情報が活性化されないと考えた。そこで新たに両刺激語の第1文字の形態的隣接語数の多寡の意味分類時間への影響を調べ,人間語でのみ形態的隣接語数効果が生じないことを確認し,上の考え方の支持的証拠を得た。
  • sP1-6
    井上拓也 (京都大学人間環境学研究科)
    認知言語学では近年,第三期の認知科学として人間・環境の相互行為の中で意味を捉えるべきであるという主張がなされている [17]。本稿では,言語が情報を伝達するという伝達モデルや,意味の表象主義的モデルを前提とする従来の言語観を棄却し,生態学的実在としてのアフォーダンス理論の意味観を導入することの必要性を論じる。さらに, Normanのデザインやシグニファイアの概念の観点から,言語がシグニファイアとして機能していることを指摘する。
  • sP1-8
    大山将来 (東京工業大学生命理工学院生命理工学系ライフエンジニアリングコース修士課程)
    辻田亜門 (東京工業大学生命理工学院生命理工学系)
    粟津俊二 (実践女子大学人間社会学部)
    赤間啓之 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院)
    embodiment理論によれば、脳の運動野は言語の意味理解に本質的に関与する。 これを踏まえ、本研究では人間の動作、特に手の動作を表す文を読む時と、運動を含まない心的な文を読む時の脳の賦活を比較し、運動野と言語野との協調性について考察する。 変量効果分析を行ったところ、左角回と左中側頭回の周辺に有意な差が確認できた。 この結果はembodiment理論に対立するamodal理論を支持している。
  • sP1-10
    神原一帆 (京都大学)
    本研究はフレーム意味論を用いた名詞分析の枠組みを提案することを目的とする.本稿では Killing フレームにおける動物名詞の分析を通して,従来動詞の意味が重視されてきたフレーム意味論が名詞の意味も扱える可能性を持つことを示す.分析の結果から,(i)フレーム要素の実現傾向が動詞の意味だけに還元できないこと,(ii)名詞の多様な意味は喚起されるフレームによって同定される,という2点を主張する.
  • sP1-14
    秋元泰介 (九州工業大学情報工学研究院知能情報工学研究系)
    自律的な人工知能を実現するためには,外界と関わり合う中で,世界を物語的に組織化し,それに基づいて他者とコミュニケーションをしたり,筋道のある行動をしたりする仕組みが必要になると考えられる.このような考えに基づく認知アーキテクチャに関する検討の一環として,エージェントが内面に作る世界の表象としてのストーリーが,どのような構造を持つと考えたらよいのかという問題について考察する.
  • sP1-18
    井関龍太 (大正大学)
    人は手書き文字に基づいてパーソナリティの印象を評価できる。この評価は実際のパーソナリティとは必ずしも一致しないが,多くの人が共通して一貫した印象を抱くとすれば,その根拠となる文字の特徴があるはずである。本研究では,手書き文字に基づくパーソナリティ評定と画像化した文字の分析に基づいて,パーソナリティを推測させる文字の具体的な特徴を探索的に検討した。ビッグファイブのうち,外向性と調和性の印象に影響すると思われるいくつかの特徴が示唆された。
  • sP1-19
    辻田亜門 (東京工業大学生命理工学院生命理工学系)
    大山将来 (東京工業大学生命理工学院生命理工学系ライフエンジニアリングコース修士課程)
    粟津俊二 (実践女子大学人間社会学部)
    赤間啓之 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院)
    本研究では、機能的連結性を用い、日本人が母語の文を理解するのと比較し、同じ意味の英文を理解する際に特徴的な脳反応を、言語処理ネットワークに着目し抽出した。また、TOEICの点数に基づく英語能力の差による脳反応の違いを調べた。結果として、DMNと顕著性ネットワークが英語の意味処理に関係することが示唆され、両側に跨る第二言語特有のネットワークが存在することも導かれた。
  • sP1-30
    張寓杰 (ベネッセ教育総合研究所)
    加藤健太郎 (ベネッセ教育総合研究所)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    本研究では大規模言語コーパスから計算された単語間共起頻度のデータベースを用いて,名詞と動詞の「語彙組み合わせ問題」を難易度別に自動的に生成できるシステムを開発した.今回は,このシステムを用いて「名詞(主語)が動詞(述語)」と「名詞(目的語)を動詞」二種類の組み合わせに対して,同じ手順で自動的に問題を生成した.さらに,自動生成した問題を用いた実施テストの結果,想定された難易度がテスト参加者の正答率と十分一致していることが実証された.
  • sP1-32
    川端良子 (千葉大学/国立国語研究所)
    「そうしたら」と「そうすると」の会話における使用傾向を『日本語日常会話コーパス』を用いて分析した結果,前件の事実関係によって形式の使用傾向に偏りがあることが明らかになった.
  • sP1-33
    岡本真砂夫 (姫路市立八幡小学校)
    小学校英語音声指導において音声分析ソフトウェアPraat,並びにフォルマント値を調音位置図にプロットする教材をエクセルで作成し,児童の調音音声を教師,児童自身が評価できるようにした.発音研究の対象音は/æ/音である。本研究を通じて,小学校高学年児童の音声分析に適切なLPCパラメータ値を明らかにすることができた.また児童が自らの英語母音の調音位置を意識することができ,英語の母音発音を変容させた児童が確認できた.
  • sP1-41
    黒田航 (杏林大学)
    BCCWJから動詞を抽出し,物理事象, 心理事象,社会事象…のような6属性を付与した.物理事象は少数派で,社会事象が多数派である事がわかった.Formal Concept Analysis で相互行為性が動詞体系の基礎になっている可能性が示唆された.語彙意味論が社会的意味を認定どう記述に取り込むために,幾つかの提案をする.
  • sP1-44
    井上雅勝 (武庫川女子大学)
    藏藤健雄 (立命館大学)
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    本研究では、「すべての2回生が新入生を世話した先生を呼び止めた」のような構造的曖昧文の名詞句の量化詞を操作し、関係節主要部のガーデンパス(GP)効果量を比較した。その結果、GP効果量が疑似量化(量化詞の作用域を計算しない解釈)の割合 (藏藤他, 2017) と関連することが示された。疑似量化では即時に文の解釈が決定されるが、標準的量化では決定が一時遅延される、という観点から論議される。
  • sP1-51
    中里周子 (東京藝術大学美術学部)
    矢野史朗 (東京農工大学工学研究院)
    宇野良子 (東京農工大学工学研究院)
     本研究は人物写真における擬物化から、現代アートにおける人間観を明らかにすることを目指して、アンケート調査を行なった。結果として、人間の身体の扱い方が、物を扱っている時のようであり、鑑賞者が比較的不快感を感じる擬物化と、人間の身体が素材となり機能が増えるような加工が行われ、鑑賞者が快と感じる擬物化が主に観察された。
  • sP1-52
    布山美慕 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    文章理解の機序解明に向け,著者らは,読者が読みつつ文章情報を意味のまとまりごと圧縮し保持する“オンライン要約”に注目した.本研究では,オンライン要約の基礎過程の一つである意味のまとまり範囲推定(意味的段落分け)時に,読者が利用する情報を調べた.実験の結果,意味的段落分けは当該段落内部の情報のみでも一貫性をもって可能だと示唆された.この結果は,意味的段落分けが,段落の意図の記述の必要十分性の認識に依拠するとする本研究の仮説に整合的である.
  • sP1-53
    粟津俊二 (実践女子大学人間社会学部)
    言語の身体性に関する多くの研究では、行為文の理解時に知覚運動シミュレーションが活性化し、実行為が影響されることが示されている。 本研究では、記述された行為の速度が、知覚運動シミュレーションに影響するか調べた。日本語行為文の有意性をボタン押しで回答させ、 低速―高速行為文間で反応時間を比較した。その結果、低速文理解時の方が高速文理解時よりも、反応時間が速かった。この不一致をもたらす仕組みについて、考察した。
  • sP1-54
    本多明子 (至学館大学)
    本論文の目的は,英語の使役移動構文と動詞不変化詞構文の獲得過程について,認知言語学・用法基盤モデルの観点から示すことである.これらの構文は,認知言語学において関連構文であるとみなされており,自然言語やCHILDESを調べてみても,こどもの発話において広く観察され,且つ,其々の構文の使い分けが見られる.本論文では,この二つの構文の獲得過程について,文法構文として確立するまでに三つの段階があることを提示する.
  • sP1-55
    阿部廣二 (早稲田大学人間科学学術院)
    牧野遼作 (早稲田大学人間科学学術院)
    山本敦 (早稲田大学人間科学研究科)
    門田圭佑 (早稲田大学人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    会話場面の分析を通して会話中に飲み物を飲む行為の調節が達成される過程を検討した結果、1)発話が宛てられていない受け手になることで飲むことを開始できること、またそうした受け手も、発話の宛てられた受け手になる可能性が高い場所では飲むことを開始しないこと、2)話し手も飲み始めることがあり、それは発話の先延ばしとして理解できることが明らかになった。この点を、会話中に飲み物を飲むことの参与者間の相互調整と、会話と飲み物の関係の観点から考察した。
  • sP1-63
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    近年の音韻論では、日本語の撥音・促音が逆行同化を起こすのは、要素が過小指定され、CC スロット構造により後続要素が自律分節的拡張が行われるためであると考えている。しかし、この説明では撥音が「鼻母音」に変異することを説明できない。また、「空の C スロット」という表示では特殊な促音の変異を誤って予測してしまう。本稿では、音節のコーダ位置という性質と撥音・促音に固有の情報を考えることで、撥音・促音の変異を正しく導出できることを述べる。
  • sP1-68
    加藤祥 (国立国語研究所)
    浅原正幸 (国立国語研究所)
    文章の冒頭の重要性が言われる.しかし,いわゆる冒頭にあたる部分がないような短い説明文章でも同様か.本稿は,ある対象物に関する説明文章を用い,読み手がテキストに記された対象物を認識するとき,冒頭文が後続の説明文に影響を及ぼすのか調査した.結果,読み手が冒頭によってカテゴリのプロトタイプのようなものを想起した場合,すなわち強い印象を受けた場合,情報が追加されても読み手の認識は覆らない傾向がみられた.
  • sP1-69
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    齊藤優弥 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    人間の言語には,表現と意味の間を結ぶ関係に構造依存性と呼ばれる階層構造がある.本論では,記号的コミュニケーションにおいて,その構造依存性が生じる過程をメカニズム的に解明するための実験室実験を検討し,参加者が取り組む課題の構成要件を整理して,具体的にゲーム課題を考案・設計する.また,設計したゲーム課題に基づき,人間が扱う意味を多様化・複雑化させる際の原動力を議論する.
  • sP1-74
    吉沢栄貴 (東京電機大学理工学部)
    高橋達二 (東京電機大学理工学部)
    「p ならば q」という形式をとる条件文を人間が解釈する際、論理学上の通例的な定義と人間の直感的解釈に相違があることが知られている。 先行研究ではGauffroy らの研究があり、日本語条件文では Namikiらの研究が存在するが後者の研究には様々な問題点があった。先の問題点を改善した上で、先行研究を複合した日本語条件文実験を行い、条件文の解釈の分析と Gaufrroy らの結果との比較を行なった。
  • sP1-75
    星野徳子 (津田塾大学)
    Montserrat Sanz (神戸市外国語大学)
    Past research suggests that when learners speak in a second language (L2), their first language (L1) is co-activated and needs to be inhibited. The present study examined the mechanism of non-target language inhibition when Japanese learners of Spanish spoke in their L1 Japanese and L2 English as well as in their third language (L3) Spanish. It was predicted that the degree of non-target language inhibition would be modulated by relative language proficiency.
  • sP1-83
    星田雅弘 (立命館大学文学研究科)
    林勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    田村昌彦 (立命館大学文学部)
    対人認知場面では,(1)相手に関する既有知識と(2)相手の振舞いの2つの手がかり情報を利用しながら印象が形成される.本研究では,エージェントに対しても同様の印象形成が行われるのかを実験的に検討した.互いにある対象を単語で伝え合う場面を設定し,エージェントの知識量が知性の印象にどのように影響するのかを調べた.その結果,相手の知識量は知覚される知性に影響しなかった.
  • sP1-86
    犬童健良 (関東学園大学)
    本論文では古典的な知識表現の一つであるフレームを用いて,日本語文の理解を解釈した.語彙ネットワークは,語フレームの結合によって文フレームを組み立てるサプライチェーンと同型とみなされる.また助詞「は」と「が」の交換による文の意味の微妙な変化を,ネットワークの安定性の問題として定式化する.これにより,従来インフォーマルに論じられてきた総記や対比,情報の新旧,非言語的コンテキストの影響などを,厳密に認知モデル化することが可能になった.
  • sP1-87
    山森良枝 (同志社大学)
    一般的に条件文には、条件節pが条件、結果節qがその帰結を表すという意味で、pとqの間に依存関係があることを示す。ところが、pとqの間に依存関係が成立しない例がある。前者をStandard conditional(SC)、後者をBiscuit Conditionals(BC)と呼ぶ。本論では、 (I) BCの読みはどうして生じるのか、また、(II)同じ条件形式にBCとSCの読みが生じるのはなぜか、について考察する。
  • sP2-2
    稲葉みどり (愛知教育大学)
    本研究では、日本語の発達過程を英語の発達過程と比較した。日本語を第一言語とする子どもと英語を第一言語とする子どもの物語文(Frog Story)を対象として、1)発話数の年齢による推移、2)形態素数の年齢による推移、3)平均発話長から見た発達過程等を比較した。結果から、幾つかの類似点と相違点が明らかになった。また、平均発話長(MLU)は分析方法によって数値に大きな差が出ることが分かった。
  • sP2-5
    宿利由希子 (神戸大学)
    Gøran Vaage (神戸女学院大学)
    林良子 (神戸大学)
    定延利之 (京都大学)
    本発表では,日本語の対話において相手から面白い話を聞いた場合,学習者はその直後に応答しがちであること,また,母語話者より早い発話タイミングでの応答を好みがちであることを実験で示す.この結果は,「間」を単に「先行発話を解釈し,応答発話を準備する時間」ととらえては理解できない.少なくとも「間」の一部は,たとえば「束の間の沈思黙考」「たじろぎ」「態勢の立て直し」のような,不作為の行動と考える必要がある.
  • sP2-10
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    ユーモアは皮肉表現からも生じうることが知られている.しかし,ユーモアを生じない皮肉表現もあり,ユーモアを生じる条件は不明である.本研究では,日常的表現を用いて,ユーモアと皮肉の関係を実証的に検討することを試みた.意味分析の結果,ユーモアを生じた群では「次回にやり直しができる程度の悪い出来事」が関与するのに対して,ユーモアを生じない群では「やり直しの出来ない深刻な悪い出来事」が関与するように見える.
  • sP2-12
    羅希 (京都大学)
    定延利之 (京都大学)
    話の面白さが,発話のタイミング次第で活かされも殺されもするということは,経験的に知られている.だが,従来の研究は,話の内容の面白さの解明に集中しがちであった.この発表は,話の面白さを活かす発話タイミングに光を当て,対話音声合成ツールを利用することによって,これが画一的なものではなく,言語間で(つまり日本語と中国語で),また話の「型」ごとに違っていることを示し,その奥深さの一端を示そうとするものである.
  • sP2-29
    川﨑貴子 (法政大学)
    田中邦佳 (法政大学)
    竹内雅樹 (理化学研究所脳神経科学研究センター ​言語発達研究チーム )
    本研究では選択肢呈示タイミングと聴取対象語の文中のポジションにより, 1)選択的注意が誘導できるか,2)注意誘導によりL2音知覚の成績が向上するかどうかを日本語・中国語母語話者を対象とした音声知覚実験を行って調査した.その結果,音声呈示の前に選択肢呈示を行うことで知覚成績が向上すること,聴取対象の語の文中の位置が知覚に影響を与えることが分かった.また,選択的注意の誘導は,音声知覚のプリファレンス効果の抑制の効果もあることが示唆された.
  • sP2-40
    佐山公一 (小樽商科大学商学部)
    話し手が,話し手の怒りの理由を伝えるとき,話し手の怒りの表情や怒りを含む音声が,メッセージの理解にどう影響するかを実験的に検討した.映像を見た後,映像で伝えられたメッセージの分かりやすさと話し手の怒りを評定した.メッセージが話し手を怒らせる理由の有無,話し手の表情の怒りの有無,話し手の声のトーンの怒りの有無に分け分析した.その結果,声のトーンが,メッセージに怒りがあるかどうかの判断に影響することが示唆された.