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口頭発表2: 認知と主観のメカニズム (O2)
9月5日(木)
11:00 - 12:20
会場:共21
座長:鳴海拓志(東京大学)
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O2-1我々が何かを認識するとき、それはその何かの鋳型のような“表象”を我々が持っている、という考え方は、デカルト以来の心の哲学や認知科学でも主流の考え方である。しかし、もしその表象の考え方から脱け出すのならば、“直接アクセスできない対象”をアクセスできるデータから、その“正解”のない場面において如何に構築するのかを説明する必要がある。本研究はこれをオブジェクト同定問題と呼び、その最たる一例として曖昧図形の錯視を数理的に説明するモデルを示す。
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O2-2哲学と他の認知科学分野の間では、これまで知覚に関してあまり交流が行われてこなかった。そこで本発表は、知覚の哲学の基本的な概念と理論を解説し、それを認知科学の考え方と比較することを通して、両者の今後の交流のための土台を作り出すことを目指す。特に、表象の投射という観点から知覚を理解しようとする「プロジェクション科学」の知覚観を取り上げ、それに対する疑問を提起し、またその発展のための提言を行う。
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O2-3洞察問題のヒント情報を閾下呈示することで,解決が促進されることが知られている。しかし先行研究では画像を複数のステップに分割して閾下呈示すると、効果が得られなくなることが示されている。本研究では分割したヒント画像に線運動錯視を用いることで動的な情報として呈示した場合、個々の画像を統合活用できるのかを検討した。その結果,解決者数の増加は有意ではなかったものの,その行為には動的な情報によって潜在情報を統合した影響が見られた.
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O2-4本研究では示唆特徴が話し手の比喩表現に対する適切性と選好の判断に与える影響を検討する。2つの実験の結果、比喩の適切性の評定課題と比喩の選好判断課題のそれぞれにおいて、標的比喩の示唆特徴(ある比喩に固有の特徴)を呈示した場合に、競合比喩の示唆特徴や共通特徴を提示した場合よりも、適切性や選好が高くなった。これらの結果は示唆特徴が特定の比喩表現の使用に影響している可能性を示唆した。