キーワード索引
実験記号論
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P-35本研究では,記号的なコミュニケーションの成否が,人間の調和的な性格特徴によって影響されるかどうかを調査した.具体的には,既存の心理尺度による調和性指標に基づき実験群を構成し,二者間で人工的な言語を作る課題の成績との関係性を調べた.結果,両者には有意な関係性は確認されなかった.これは,ことばによるコミュニケーションの成否が,単純に性格特徴によって決定されるものではないことを示していると考えられる.
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P-72本研究では,人が記号的なコミュニケーションにおいて字義通りの意味と言外の意味を共有・学習するメカニズムを,メッセージ付きコーディネーションゲームを用いた計算機シミュレーションにより調査した.結果,我々が構築した計算モデルが,他者の言外の意味を同義語・同音異義語の数から推定する方法を持つ場合に,人どうしの実験データをより良く再現することを確認した.本論ではこの結果に基づき,人が持つ記号への意味づけとその共有のメカニズムを議論する.