9月9日(金) 15:40 - 17:00
口頭発表3 (O3)
座長:山川 真由(名古屋大学)
-
O3-001A本研究では,二者択一課題中におけるマウスカーソルの軌跡,特にマウスの最大速度時点(衝動性の指標)を,drift diffusion modelにおけるドリフト率(証拠蓄積の速さ)や閾値幅(慎重さ)との相関から定量的に評価した。行動実験の結果,最大速度時点が,ドリフト率と負の相関を示し,閾値幅と正の相関を示した。よって,マウスカーソルの軌跡に基づく分析が,一定程度の妥当性を持つことが示唆された。
-
O3-002A我々は, 自他の指を自ら同時に触れることで, 他人の指の接触点まで自身の指に感じ, 身体変形感覚を生起するDouble Touch Illusion(DTI)を考案し, 調査を進めている. 実験では, 本手法において, 相手の指への触れる指の本数が身体所有感にどのような影響をもたらすかを調べた. 被験者実験からは, 触れる指の本数が増えるほど所有感が強く生起する興味深い結果が得られたため報告する.
-
O3-003A身体内部から生じる感覚は内受容感覚と呼ばれる。これまでの研究では主に心臓(心拍)に関わる内受容感覚が用いられた。本研究では異なる種類の内受容感覚が特定の脳活動パターンを引き起こすことを示す。具体的には,心臓と胃への注意が異なる脳領域を活性化し,それらの機能的結合を変化させた。さらに心臓/胃の客観的感受性の個人差が,島皮質における安静時機能結合と関連した。種々の内受容感覚は主観的経験としてだけでなく,その脳活動も異なることが示された。
-
O3-004A音声の認識を支える音韻意識が未熟なとき様々な発話の誤りが表れる.本研究は,個人に対応づけた認知モデルを用いて個人の誤りパターンを推定するシステムを提案する.本稿では,成人を対象とし,音声フィルタにより音韻処理に困難のある子どもを模擬する設定で予備的検証を行なった.結果として,特定の音声フィルタ下のモデル選好に参加者間で一貫性があることが示された.これは提案手法による音韻意識推定の可能性を示唆する.