研究分野
哲学
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P2-035本研究は,一人称なる自我の「わたし」を超越する<わたし>,すなわち無人称の自己に関する認知の解明を目的とする.方法として,呼吸を意識している時と,観念的虚構を想起している場合のそれぞれの脳活動と言語報告を検証した.その結果,呼吸を意識している時に前頭前野の脳活動の低下が示されたことから,呼吸により自我の働きが弱まる可能性が示唆された.また呼吸への意識と観念的虚構との切り替わりの際に,体感に関するクオリアの現出が認められた.
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P2-051自由意志の実験哲学における一部研究は、処罰欲求が決定論的行為に対する自由意志・道徳的責任の帰属を増大させる可能性を示唆している。本研究ではこの効果の因果関係を明らかにすることを主目的として新たな大規模なオンライン実験 を設計し、低欲求条件と高欲求条件それぞれで二種類の非道徳的行為に対する責任帰属判断の質問紙調査を実施した。その結果、行為の種類の違いが処罰欲求と責任帰属判断それぞれに影響することが明らかとなった。