10月12日(土) 13:10 - 14:30
口頭発表3 仮想空間 (O-3)
会場:国際学術総合研究棟1F 三番大教室
座長:大貫祐大郎 (一橋大学)
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O-3-1A本研究は,バーチャル空間においてアバターをまとって行われるコミュニケーションと,嗜好品摂取によって得られる心理学的効果との関係について,質的・量的研究の両面から検討した.その結果,一定のプロセスを経てコミュニケーション促進,セルフ・エンパワメント,ポジティブ気分の獲得という3つの効果が得られることが示された.得られた結果と装いや演技との関係を踏まえつつ,バーチャル空間でのアバターをまとったコミュニケーションについて考察する.
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O-3-2VRにおける他者アバタの存在感やその要因に関する研究が多くなされてきた.しかし他者アバタの存在感が,自己アバタに対して抱く身体化感覚へ及ぼす影響は未だ十分に検討されていない.本研究では,VR空間において他者アバタの存在が現実空間と同様に身体化感覚に影響を与えると仮定し,実験参加者の身体所有感への影響を調査した.結果,身体所有感の増加には他者アバタの存在だけではなく,共通の目標が必要であることが示された.
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O-3-3A本研究は,複数人の視線が人の選択行動に与える影響を明らかにすることを目的とした.実験では,パソコン画面に複数の人の顔と選択肢が左右に1つずつ提示され,参加者は1つを正解として選んだ.実際には正解は無い問題が使われた.結果から,向けられた視線の数が多い選択肢の方が,より多く,またより速く選択されることが示唆された.多くの他者が見ている対象物は「正しい」選択肢であると根拠なく判断する傾向があることが示されたと考える.
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O-3-4遠隔地間において同じ場所を共有しているように感じさせる技術「テレプレゼンスアバターロボット」が注目されている.これらの技術において,遠隔地のロボットを自己の身体であると認知するプロセスには,外部とのインタラクションが深く関わっている可能性がある.これを検証するため本研究では視線追従動作を操作者の意思とは別の自律動作として実装し,この自律動作によってロボット操作者の没入感が向上するか検証した.実験の結果,本仮説を示唆する結果が得られた.