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記憶
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O1-4認知的加齢の現象とされるディストラクタの記憶と,文化的情報処理様式の相違による「より広範な文脈処理の記憶」との関係性を明らかにするため,日本人サンプルを対象として,ディストラクタ記憶の年齢群間比較を行う4つの実験を実施した.その結果は英語圏での先行研究の結果と大きく異なり,文化的処理様式の効果と加齢の効果の独立性と,そこに関与する言語の効果を含め,複雑な関係性について考察を行った.
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OS16-3I依頼講演ひとのアイデンティティを私的—公的,社会的—個人的という2軸で類型化したうえで,本人視点の私的社会的アイデンティティについてのインタヴュー調査データを検討した.他者との異同や相互行為場面における快適さが,アイデンティティ選択の基底にあることを指摘した.公的アイデンティティには一瞥的側面があるが,この分野の研究はあまり蓄積がない.最後に,アイデンティティの4類型と認知科学との関係の現状と将来について論じた.
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P1-1F洞察問題解決時にワーキングメモリに負荷をかけると,パフォーマンスが改善する可能性が考えられる.本研究は被験者を三条件に分け,それぞれワーキングメモリに対して異なる負荷を与えた際の,洞察問題解決時の影響を検討した.結果は、解決率に対して促進的な効果は見られなかったものの、ワーキングメモリへの負荷によって制約の緩和を促すことが示唆された.また負荷のかかる部位が異なると,促進される制約緩和のパターンに差異がみられた.
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P1-6F変則的な事例に対して,表面的な入出力に着目する記述的対処方略と,構造的なメカニズムに着目する説明的対処方略を定義し,それぞれの性質について実験を通して検証を行った.その結果,課題の難易度が低く単純な場合は説明的方略のほうが課題成績は高かった一方,複雑な場合には記述的方略のほうが要したコストも小さく,成績が高いことが示された.特に,従来研究ではあまり重要視されてこなかった記述的方略の性質を明らかにすることができた.
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P1-20F本研究では,高齢者のスマートフォンの利用学習に対するグループ学習型講習会の介入効果を検討した。グループ学習型講習会では,実際のスマートフォンの利用場面を再現し,支援者と共にグループでスマートフォンを利用した。実験は4週間行われ,1週目の4週目のユーザビリティテストの成績を比較検討した。実験の結果,グループ学習群の4週目の利用成績は対照群よりも有意に向上した。発表では,結果をもとに高齢者のIT機器の利用学習の支援デザインを議論する。
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P1-28Fマルチタスク遂行における個人差のメカニズム解明を目的とし,「自動車運転中に会話を行う」状況を想定し,認知的リソース容量が少ないと仮定される実験参加者群が,マルチタスク遂行においてどのような行動を見せるか検討を行った。認知的リソース容量が少ない人達は,運転走行課題遂行中に計算課題や数カウント課題が課された方が,より高い運転パフォーマンスを示すことが明らかになった。
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P1-37Fパスワードの入力フォームの多くは,入力文字を伏字にすることで,パスワードの秘匿性を保っている.しかし伏字のフォームではユーザが入力した文字を確認することができず,タイピングミスが起こりやすく認証に失敗することがしばしばある.本研究では,タイピングミスの起こりにくいパスワードを作成することを目的とし,ユーザのタイピングミスの傾向分析,類型化に基づいたパスワード生成手法を提案し,その有用性を検討する.
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P2-18本研究の目的はHMDのヘッドトラッキング技術に着目し,映像が観察者の視点の位置によって変わる視覚の能動性によってVR体験がどのような影響を受けるか検討することであった.これまで,受動的に視覚するより,能動的に視覚した方が認識能力は高くなることが報告されている.実験の結果,視覚の能動性が観察者の感覚や記憶成績に影響を与えることが明らかとなった.VRがどの程度人の学習や記憶などの認知処理に影響を及ぼすか議論する.
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P2-23心理言語学的研究では,統語的プライミング(言語処理プロセスにおいて,直前に処理した文と同じ統語構造パターンを用いる傾向)が,学習者の言語産出における統語構造の学習や統語処理能力の向上に利用できる可能性が示されている。第一著者は,日本人英語学習者を対象とし,統語的プライミングを利用した一連の実験を行い,語彙・統語情報とその処理プロセスについての知見を得ている。本稿では,接触回数を操作して新たな実験を行った結果について報告する。
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P2-31地球規模の難題群に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の循環の論理と適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境の変化に中立的な,高深度で広域的な高次の認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.その条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調,などの一見矛盾し二項対立する相補的なベクトルの間に,融合という臨界性を実現して行くことであろう.
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P2-34目がストーリーの信ぴょう性に与える影響を調べた.信ぴょう性評定の後,話し手の性格の第一印象を評定した.分散分析の結果,目の形の主効果が認められた.性格印象の因子分析の結果,4因子が見出された.4因子に信ぴょう性を加え共分散構造分析を行った結果,知性因子が信ぴょう性に影響していた.多母集団の同時分析の結果,たれ目の人は,アーモンド形,半月の人よりも信ぴょう性を高めることが分かった.
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P2-37近年、動画視聴時の脳活動解析の手法として被験者間相関(ISC)解析が注目されている。本研究では、ISC解析を用いて動画授業の内容理解に関わる脳機能を調査した。同じ動画を視聴した時に被験者間で脳活動が相関する脳領域を特定し、ISC値の時系列変化について解析した結果、特定の解説場面において右半球の背外側前頭前野の活動が有意に高かった。このことから動画授業視聴時には背外側前頭前野のワーキングメモリが被験者間で同様に働くことが示唆された。
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P2-42“Return Trip Effect”(RTE)とは,往路よりも復路を短く感じる現象である(van de Ven, et al., 2011).筆者らは山本・阿部(2015)において先行研究が前提とする時間経験モデルでは「もうここまで来たのか」という日常経験としてのRTEを捉えられないことを示し,新たな時間経験モデルを提案した。本発表では,最新の研究を含む先行研究の再整理と,新たな時間経験モデルに基づいた実証研究の提案を行う.