日程

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ポスターセッション1 (P1)

9月5日(木) 14:10 - 16:10
会場:共11, 情報学部2号館ホール
  • P1-1
    EUNBI PARK (首都大学東京 人文科学研究科 言語科学教室)
    保前文高 (首都大学東京 人文科学研究科 言語科学教室)
    Word production requires conceptual preparation, lexical processes, phonological processes, and motor preparation. Indefrey and Levelt (2004) proposed the time course of these stages in serial progress, without including the effect of overt speech. To clarify this effect, we recorded electroencephalogram from participants performing the following three tasks: naming, phonology, and category tasks. We found that task differences were observed sequentially as the model suggested. Moreover, a semantic interference effect was observed only in naming task. Our results suggest that the speech motor command of the word affects early lexical-semantic processes. We propose some modifications of the model include cascade and interaction between stages.
  • P1-2
    方(Fang) 思源(Siyuan) (早稲田大学グローバルエデュケーションセンター )
    田和辻可昌 (早稲田大学人間科学学術院)
    松居辰則 (早稲田大学人間科学学術院)
    This study investigates whether the relationship between prototypicality and preference of paintings differs across styles using Gogh's and Gauguin's paintings. Data analyses show that affective evaluation of paintings has dimensions "Nervosity", "Individuality" and "Preference". Regarding the acquired Gogh style, nervosity correlates positively with prototypicality and negatively with preference, implying that nervosity may bridge a spurious prototypicality-preference relationship. Regarding the acquired Gauguin style, neither nervosity-prototypicality nor prototypicality-preference correlation exists. The results suggest that, in different styles, different prototypicality-preference correlations will be detected due to different underlying mechanisms.
  • P1-3
    Thanakit Pitakchokchai (Graduate School of Integrated Science and Technology, Shizuoka University)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    山本 祐輔 (静岡大学情報学部)
    遊橋裕泰 (静岡大学情報学部)
    高口鉄平 (静岡大学情報学部)
    This research aims to develop a system based on ACT-R cognitive architecture to prevent rumination. The proposed system consists of two sub-systems: data collection sub-system and distraction sub-system. The former collects searching data immediately after the individual visits a website. The latter includes an ACT-R cognitive model that utilizes such data as well as physiological data directly from the individual to predict rumination while searching through websites. In addition to predicting rumination, it provides an implicit intervention for rumination based on a concept of nudge. While a product image on the screen displays on the screen, after rumination is detected, the system changes the image to mildly intervene not to keep ruminating.
  • P1-4
    郭セツ根 (名古屋大学 大学院 情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    Food tastes better and people eat more when eaten with company than alone. A good example demonstrating an influence of social factors in food intake, eating together can make food taste better. Here, we further explored a social facilitation of eating in the absence of other individuals. In this study, we set three videos. Participants tasted popcorn when watching each video. Participants ate more popcorn when they watched the other eating video than watched the other calling or the absence video. The subjective evaluations of popcorn was also better in the eating condition than absence condition, but not differ from the calling condition. These suggest eating behavior of the other people was a crucial factor to induce a social facilitation of eating.
  • P1-5
    久富望 (京都大学大学院 教育学研究科)
    坂口智洋 (京都大学大学院 情報学研究科)
    北雄介 (長岡造形大学)
    本研究では,ワークショップのもつ【個別性】【多主体性】【時間性】【多目的性】を考慮しながら,ワークショップのプロセスを定量的な手続きで可視化する手法を提案する.その事例として,「京都大学サマーデザインスクール2017」で行われた22のワークショップについて可視化・比較を行う.本研究の手法は,ワークショップの実践知の共有や,様々な教育活動における形成的評価のための道具となる可能性を持っている.
  • P1-6
    神尾優奈 (静岡大学総合科学技術研究科)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    個人の共感力を測るEQ(Empathy Quotient)に着目し,それと関連する共感的行動を分析した.共感的行動を引き出す要素としてVRによって導入される身体性も検討した.課題は2人のAgent(Ag1, Ag2)と行うキャッチボールゲームを改変し,Ag1とAg2が参加者とAg1に均等に投げる条件,Ag2が参加者のみに投げる条件を設定した.結果,高EQの参加者はAg1を排斥する傾向があったが,この傾向は身体性の導入によって軽減した.
  • P1-7
    南部美砂子 (公立はこだて未来大学)
    河端里帆 (公立はこだて未来大学)
    観光行動のひとつである「まちあるき」のような,地図を手にしながらその土地を自由に探索する場面を対象として,紙地図条件とスマホ地図条件の探索行動(経路,距離など),参加者ペアの会話,地図や探索に関する主観的評価,探索の記憶と空間認知(マップスケッチ課題)にどのような違いがあるのかを検討した.その結果,地図メディアによって探索行動が大きく異なっており,紙地図はより豊かな共同行為としての探索を促すことが明らかになった.
  • P1-8
    小倉加奈代 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    鳥越大地 (株式会社アイシーエス)
    本稿では,スマートフォン上で誤入力の起こりにくいパスワードを生成することを目標とし,先行研究により誤入力が少ないと予想される「左右に何度も操作指が行き来しない」パスワードを試作し,その有効性を評価した.その結果,試作したパスワードが,左右に操作指が行き来するパスワード,ランダムな文字列で作成したパスワードよりも誤入力数,入力時間,ユーザの入力しやすさの点で優れたパスワードであることを確認した.
  • P1-9
    谷貝祐介 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    三嶋博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    古山宣洋 (早稲田大学 人間科学学術院)
    本研究では,プロドラマー3名にテンポの異なる8ビートを演奏してもらい,その際の3次元動作データから,演奏速度による協応構造の変化を検討した.解析の結果,低中速のテンポでは,右手首に対してその他の部位(肘・肩・頸部)が逆位相や90度位相差など,個人間で多様なパターンを示すが,高速テンポでは,全ての参加者が同位相に近い傾向を示した.この結果から,個性を表現できるテンポ(低中速)とそうでないテンポ(高速)が存在する可能性が示唆された.
  • P1-10
    梛木功介 (早稲田大学人間科学部)
    谷貝祐介 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学 人間科学学術院)
    津軽三味線演奏における「巧みさ」とは何か。本稿ではモーションキャプチャを用いて津軽三味線演奏の熟練者から未経験者にかけて叩き動作を比較した。各マーカーの位置情報の時系列変位を基に、撥・三味線を含む全身運動アニメーションを作成、視認した結果、矢状面から見た撥運動軌跡について、熟練者では楕円的, 初心者では直線的となることが観察された。津軽三味線演奏の「巧みさ」の解明には、撥運動軌跡を司る身体協応に関する実証研究の必要が明らかになった。
  • P1-11
    山川真由 (名古屋大学・日本学術振興会)
    清河幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,物事に対する固定的な見方を解消する方法として「関連性の低い2つの対象間の共通点探索」に着目した。関連性の低い2つの対象間に共通点を発見するためには,対象がもつ顕在的でない特徴への着目が重要であると想定し,このプロセスを共有すると考えられるカテゴリ列挙との関連を検討した。その結果,共通点探索課題とカテゴリ列挙課題の成績には正の相関関係が認められ,「対象の顕在的でない特徴への着目」という共通するプロセスを有することが示唆された。
  • P1-12
    田岡祐樹 (東京工業大学 環境・社会理工学院)
    布施瑛水 (東京工業大学 工学院)
    齊藤滋規 (東京工業大学 環境・社会理工学院)
    近年,企業は新しく革新的な製品やサービスを開発するために,グループで長期的なデザインプロジェクトを実行している.グループメンバーの専門の多様性とグループ内の対立は、革新的なアイデアを発展させる要因とされているが,成果物への影響は,特に長期の設計プロジェクトでは十分に検証されていない.本研究は,1.5ヶ月の学生によるデザインプロジェクトにおける多様性の高いグループと低いグループのグループ内対立と成果物の創造性を調査した.
  • P1-13
    ヒュース由美 (東京大学大学院学際情報学府)
    三浦哲都 (早稲田大学人間科学学術院)
    向井香瑛 (東京大学大学院総合文化研究科)
    工藤和俊 (東京大学大学院学際情報学環 )
    本研究では, 演劇経験者2名ペアが 即興的に演じた劇を20回反復した時に起こるセリフと動きの変化を実験的に検討した. 映像からセリフの変化を, 足圧中心の時系列データから二者の身体的な相互作用を検討した結果, ①セリフの重複が反復開始後に減少した. ②即興時の二者間の相互相関が最も高かった. ③反復により即興時の微細な動きは割愛され, 大きくパターンのあるものに変化した. この結果は, 反復性により即興表現が編集されたことを示唆する.
  • P1-14
    野澤光 (東京大学大学院学際情報学府 後期博士課程)
    本研究は書道熟達者1名が16試行を通じて臨書作品を制作するケーススタディである.書家のかいた字画について,画像相互情報量による類似度評価を用い,字画の形態調整を縦断的に検討した結果,字画形態の一貫性は,紙面上の文脈に依存して異なることが明らかになった.またこの結果は,文字の配置計画について述べた書家の内省報告と部分的に一致していた.以上の結果は,書家が戦略的な配置によって「不確実性を飼いならす」技を身につけていた可能性を示唆する.
  • P1-15
    ヨウシン (名古屋大学)
    松林翔太 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    本研究は,ユーザがアプリケーションを使用する場面を考え,その時行われるメンタルモデルの修正を検討する.実験で,参加者に同じ機能を持つが機能構造が異なる2つの家計簿アプリを使用させることで,メンタルモデルの修正を行わせる.その後,カードソーティング課題により,メンタルモデルを測定し,その修正の程度を定量的に分析する.また,アプリ操作中のヒューマンエラーを分析し,ヒューマンエラーとメンタルモデルの修正がどう関連するかを検討する.
  • P1-16
    宝田悠 (東京電機大学)
    福地庸介 (慶應義塾大学)
    今井倫太 (慶応義塾大学)
    高橋達二 (東京電機大学 理工学部)
    機械学習技術の発展に伴い,人工エージェントと人間との協働の実現が期待されている.協働では参加するメンバ間の相互理解が重要となる.Fukuchi et al.が提案したPublicSelfは,エージェントの目標を人に伝達する動きであるlegible motionを生成することができ, 本研究では情報の非対称性が発生する場面での観測者への影響を検証する実験を行った.結果,人がエージェントの目標を推測する際の精度を向上できることが確認できた.
  • P1-17
    野村竜暉 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    人とエージェントによる協調作業において,エージェントの援助の失敗は信頼関係の破綻に繋がる.これを防ぐ方法として「エージェントに失敗の責任を帰属させない」という手法を検討した.責任の帰属のプロセスをモデル化できればこれに則したインタラクションの設計が可能となる.そこで人がエージェントを社会的存在であると認知していることを検証する予備実験を行い,モデル構築のため責任の判断プロセスを明確にする実験を検討した.
  • P1-18
    堀田拓海 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    創造的思考場面において,当初とは異なる使い道や目的を発見することで,より重要な発明品や概念を生み出すというアプローチは有用であるが,固着が生じることでそのアプローチを発見しづらくなると考えられる.本研究では,エージェントとインタラクションを行う創造的思考場面において,エージェントに対し帰属する価値観が,エージェントの行動に対する解釈と,固着の解消・創造的思考プロセスの転換に影響するという仮説を,実験により検証する.
  • P1-19
    森本優洸聖 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    意識的処理が応答プライミングに与える影響については十分に検討されていない。本研究では矢印の左右判断課題と可視度判断課題を用いて応答プライミングがプライム刺激の可視性により変動するのか、また応答プライミングが正と負のいずれのプライミングであるのかを検証した。可視度がSOAと独立にプライミング量に影響することの示唆は得られたが、SOAが一定の実験では明確な結果が得られなかった。今後も実験統制を改善し検討を進めていく。
  • P1-20
    高口鉄平 (静岡大学情報学部)
    土屋望実 (静岡大学情報学部)
    本分析では、インターネットサービス等において個人情報の収集方法や利用目的を定めたプライバシーポリシーについて、そのフォントの変化によって、利用者の信頼感や安心感などの印象に影響を与えるかについて検討した。分析を通じて、プライバシーポリシーへの向き合い方や個人意識などの利用者の属性にこだわることで、フォントがプライバシーポリシーへの印象に有効にはたらく場合があるということが明らかになった。
  • P1-21
    岩井優介 (東京大学大学院学際情報学府修士課程)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究の目的は、熟達者によって創作されたショートショートを推敲することが面白い作品の創作を促進し、また、触発が起きるという仮説を検証することである。48名の学生が4つの実験群(推敲・熟達者の作品群、読解・熟達者の作品群、推敲・初心者の作品群、読解・初心者の作品群)にランダムに割り当てられた。その結果、仮説は支持されなかったが、初心者の作品条件の被験者は、表現の自覚性を獲得し、また、他者の創作プロセスの推測と評価を伴う鑑賞が促進された。
  • P1-22
    新垣紀子 (成城大学 社会イノベーション学部)
    大間知ありさ (成城大学)
    本研究では、個人で事前に生成したアイデアが、協働で行うアイデア生成の成果物にどのように影響するのかを検討した。5組のペアで検討した結果、協働することにより個人のアイデアに加えて多くのアイデアを生成したペアと新しいアイデアがほとんど生成できないペアが観察された。新しいアイデアが多く生成されたペアでは、一方の生成したアイデアに触発されて、他方の参加者が別の新しいアイデアを思いつく事例が多く観察された。協働における議論の重要性が示唆された。
  • P1-23
    山本敦 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    門田圭祐 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学 人間科学学術院)
    本研究では,ピアノレッスン場面で演奏音がいかにポインティング(以下PTG)されるかを,相互行為的資源の時間的・空間的配置構造に着目して分析した.音楽大学で行われている2台のピアノを用いた1対1のレッスンを収録し,分析の対象とした.分析の結果,演奏とPTGの時間的関係の示し,PTG中の演奏と演奏姿勢の維持の構造,PTGの特定性の粒度の3つの要因によってPTGが構造化されていることが明らかになった.
  • P1-24
    岡千春 (お茶の水女子大学)
    本研究では,舞踊の身体知を,コンテンポラリーダンサー(以下ダンサー)の熟達と言語化の働きという視点から探った.国内外の公演で活躍中のダンサーを対象にPAC分析調査を実施し,舞踊における知の様相及びその熟達の特性を考察した.そこから,ダンサーの身体知には,型の知およびその型の定着によって獲得される「場」の知が含まれ,この場の知が舞踊における「上演の知」であること,熟達には上演の知の言語化,即ちメタ認知的言語化の寄与が示唆された.
  • P1-25
    清水雄貴 (早稲田大学人間科学部)
    谷貝祐介 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学 人間科学学術院)
    弓道では、いかに力みを抑え、同じ動きを再現できるかが重要視される。本研究では、弓道熟練者3名と初心者3名の床反力中心データを4本ずつ計測し、両群の比較および各試行の一貫性の検討を行った。分析対象は、離れ(矢を放つフェイズ)を中心に、その前後のフェイズを含む、会・離れ・残心とした。その結果、弓道における的確な行射には、会における予備動作や、各射の重心移動の再現性が寄与している可能性が示唆された。
  • P1-26
    斉藤功樹 (日本ユニシス株式会社、北陸先端技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    ソフトウェア開発の要件定義にて,顧客要求は過不足なく定義されるべきであるが,既存のレビュー指標ではその必要十分性を評価できず,レビューアに依存する.そこで,レビューアのもつ要求の必要十分性判別能力をはかるための課題を作成する実験を実施した.その結果,象徴化された顧客要求に対し,必要十分性を満たす/満たさない要求のセットを得た.さらに,本実験は一般の要件定義工程と同様の性質を持ち,その工程を十分に模した実験であることが示唆された.
  • P1-27
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    開拗音の存在は、日本語の音節構造を考える上で興味深い問題を引き起こす。もし開拗音が 1 つの子音なら、日本語の頭子音に子音連鎖はない。一方、開拗音が子音+介音の構造を持つなら、限定的ではあるが、日本語は頭子音の子音連続を許すか, /ia/, /io/ などの上昇二重母音を持つ。本稿は、日本語拗音の構造について生理学的手法による検討を行う。結論として、複数の先行研究と同じく拗音は [CjV] という構造を持つと考えるのが妥当と述べる。
  • P1-28
    高梨克也 (京都大学大学院情報学研究科)
    本稿では野沢温泉村道祖神祭りの社殿建設のための協同作業を対象とした微視的ビデオ分析を行う.複数の事例を成員性と物質性という2つの観点から詳細に比較分析することを通じて,進行中の作業の中でどのメンバーがどの作業を担うべきかや,その作業の際にどのような道具や対象物の操作方法を選択すべきかといった,きわめて状況固有性の高い課題が参与者たちによってどのように解決されているかを例証する.
  • P1-29
    廣田章光 (近畿大学 経営学部)
    イノベーションにおける対話の重要性は指摘されている。しかしプロセスの視点でその実態を捉えた研究は少ない。さらに対話を構造的に捉えた研究も充分では無い。本研究ではインサイトに至る、認知と表現の相互作用を、開発におけるピボット(Pivot(変曲点))に注目し比較事例分析を行った。そこから閉鎖型と開放型の2つのタイプのピボットの存在を明らかにした。さらに2つのピボットの関係と閉鎖型から開放型へのピボットの変化について説明した。
  • P1-30
    小川雄太郎 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    近年,協調作業環境の1つとして複合現実(MR)環境がある.本研究では,MR環境下で協調作業中の2者の脳活動をハイパースキャニング計測した.実験の結果,協調作業時の方が単独作業時より、前頭前野での2者間脳波同期が高まった.またアンケートスコアと脳波同期の相関解析から,MR環境での空間や図形の共有感が脳波同期と関係することが示された.以上より前頭前野での2者間脳波同期は,MR環境下での協調作業の質を反映する可能性が示唆された.
  • P1-31
    吉田康行 (産業技術総合研究所人工知能研究センター)
    Bizokas Arunas (Non-affiliate)
    Demidova Katusha (Non-affiliate)
    中井信一 (ダンスジャルダン)
    中井理恵 (ダンスジャルダン )
    西村拓一 (産業技術総合研究所人工知能研究センター)
    ワルツは世界的に有名な社交ダンスである.また,社交ダンスを競技化しものは競技社交ダンス,またはダンススポーツとも呼ばれる.このダンスではホールドポジションにより,上半身のセグメントが連結され,そこから相互作用が生じる.本研究の目的は,競技社交ダンスのワルツにおけるインタラクションを歩幅と下肢の動作の観点から考察することである.
  • P1-32
    崔豪准 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    対話インタラクションにおいて,非言語行動とされる聞き手のあいづちと視線は話し手の発想促進に影響を及ぼすのか検討する.独立変数はあいづちの頻度(多・少)×視線(有・無)で参加者内計画をとる.従属変数は発想数,発話数,関心・同意・賞賛の認知と考える意欲とする.課題や要因の提示順は4×4のグレコ・ラテン方格法によりカウンタバランスがとられる.
  • P1-33
    池田駿介 (東京電機大学)
    高橋達二 (東京電機大学 理工学部)
    布山美慕 (早稲田大学)
    西郷甲矢人 (長浜バイオ大学)
    意味の創造過程としての動的な比喩理解の分析と実現のために数学の圏論の概念を用いて提案された不定自然変換理論 (TINT: theory of indeterminate natural transformation, Fuyama & Saigo, 2018; 布山 & 西郷, 2019) の計算論的な実現を目す.その実装の過程で現状の諸課題を浮かび上がらせ,その解決案を提案する.
  • P1-34
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    中嶋直哉 (筑波大学 人間学群 心理学類)
    言語性能力は加齢による影響を受けにくいとされる一方,加齢により低下するとされる抑制機能が文章理解に関係するとも言われる.本研究は,複数文の中の1文がテキスト全体の記憶表象に合致しない不要文である材料テキスト20セットを作成し,記憶課題成績や読み過程の分析から,若年成人は不要文を組込まない記憶表象を構築するのに対し,高齢者は不要文を抑制せず両者が混在する記憶表象を作ることが示され,テキスト読解過程と抑制機能の関係について考察を行った.
  • P1-35
    光田基郎 (ノースアジア大学・経済学部)
    概要:成人に「対象の予期しない移動による誤信念」の理解を求めた実験(例:Birchなど’07)に注目し,実験参加者が対象の移動を知り得た結果が登場人物の誤信念内容の理解と誤信念一般に与える効果を検討した。内容は画面で読み聞かせた絵本の内容理解,下位技能と成人の誤信念理解検査成績(従来の2肢/Birthの4肢選択)とを関連付けた探索実験である。
  • P1-36
    布山美慕 (早稲田大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    物語の大局的理解と局所的理解の相互依存的関係は解釈学的循環と呼ばれ,文章理解の基盤の一つとされる.本研究は解釈学的循環の認知過程解明を目指し,大局的理解を反映する元童話推定課題と局所的理解を反映する意味的段落分け課題を提案し,両課題回答の関係性を分析した.その結果,両課題回答間の一貫した関係性や,意味的段落分け回答において物語終盤とそれ以外の部分に対し異なる構造が示唆された.これらの構造は解釈学的循環の認知過程の一端を示唆する.
  • P1-37
    服部郁子 (立命館大学総合心理学部)
    服部雅史 (立命館大学総合心理学部)
    認知資源は認知機能の遂行にとって重要であり,認知資源と推論との間の重要な関連性は古くから認識されてきた.認知資源によって課される制約は,しばしばあいまいなで膨大な情報を扱うための重要なメカニズムである.本研究では,近年の様々な領域の研究を概観し,二種類の思考の制御に関してワーキングメモリーが二つの役割を担っていることを論じる.
  • P1-38
    白砂大 (東京大学)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    松香敏彦 (千葉大学)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では、日常場面(商品選択)に着目して、なじみ深さの類似性に基づくヒューリスティック「familiarity-matching (FM)」の利用を検証した。「商品Xを買うなら? A社製 B社製」という課題に対し、FMによる予測が、実験参加者の選択パターンとどの程度一致するかを算出した。結果として、予測の一致率がチャンスレベルを上回ったことから、人が日常場面においても、FMのような選択方略を行っていることが示唆された。
  • P1-39
    辻泰輝 (千葉工業大学 大学院)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究の目的は,事前の目的設定の有無がデータ分析の過程や結果の洞察に及ぼす影響を調査することである.実験では「目的あり群/なし群」に分けた参加者を2人ずつの組にし,仮想的な店舗の売り上げデータに基づいた複数のグラフを提示した上でデータ分析を行わせた.分析過程について参照されるグラフの推移を整理した結果,両群の間に目的の有無が及ぼした差として,データを示すグラフの閲覧・利用の仕方に違いが現れることがわかった.
  • P1-40
    森下浩平 (大阪経済法科大学)
    基礎情報処理クラスの受講生を対象に,アクティブ・ラーニングについてのアンケートを行ったところ,アクティブ・ラーニングのニーズが少なからずあることが分かった.本調査では,基礎情報処理クラスの中で,実践的な問題解決型の小テストを実施し,小テストに関するアンケートの結果を中心に,その効果についてまとめた.
  • P1-41
    大貫祐大郎 (東京大学)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    従来の研究では、数値プライミング、または意味プライミングのどちらがアンカリング効果を発生させるのかに関して議論してきた。本研究の結果から、アンカリング効果の発生には、数値に単位を付けて提示する必要性が高いこと、数値を提示しない意味プライミングだけではアンカリング効果が発生しないことが確認された。本研究の結果は、アンカリング効果の発生メカニズムを解明するために、2つのプライミングモデルを組み合わせることが重要であることを示唆している。
  • P1-42
    笠原臣 (東京電機大学大学院 理工学研究科)
    柏舘敬 (東京電機大学大学院 理工学研究科)
    小林春美 (東京電機大学大学院理工学研究科)
    本研究では、指さしの解釈の方法について注目し、対象物を指し示す際の指さしの遠近、文脈の有無によって、指さしの対象特定における文脈の効果を検討した。例として、実験者が風邪を引いていて何かを飲みたいという文脈において「それを取ってください」と発言しながら指さしを行うと、実験参加者は指さしの先にあるジュースではなく指先から逸れた位置にある風邪薬であると解釈した。また、対象からの距離が近い指さしであっても、文脈を優先した解釈をする結果となった。
  • P1-43
    二宮由樹 (名古屋大学)
    寺井仁 (近畿大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    誤った表象からの転換には潜在的処理の関与が見られることが多くの洞察研究で示されてきた.しかし,次善解から最善解への転換のような,初期表象による課題の解決が可能な状況における転換に関する議論は進んでいない.本研究では,次善解から最善解への転換における潜在的処理の関与を眼球運動計測を用いて検討した.その結果,言語報告と乖離した固着の緩和が,転換に先行して観察された.これは,次善解から最善解への転換における潜在的処理の関与を示唆する.
  • P1-44
    石黒千晶 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科)
    高岸治人 (玉川大学脳科学研究所)
    佐藤由紀 (玉川大学リベラルアーツ学部)
    加藤悦子 (玉川大学芸術学部)
    髙橋愛 (玉川大学芸術学部)
    阿部祐子 (玉川大学芸術学部)
    岡田浩之 (玉川大学工学部・脳科学研究所)
    創造性はアイディア生成能力やプロダクト生成能力,社会的実績の観点から研究されてきたが,各創造性の関係については明らかになっていない。本研究はアイディア生成能力,創造的実績に焦点を当て,2つの創造性の関係を検討した。88名の大学生を対象に,アイディア生成能力と創造的実績を測る実験を行った。その結果,アイディア生成能力と創造的実績の間に有意な正の相関が見られた。今後は、プロダクト生成能力も含めて多様な観点から創造性を検討する必要がある。
  • P1-45
    坂田顕庸 (東京工業大学)
    坂平文博 (株式会社構造計画研究所)
    國上真章 (東京工業大学)
    吉川厚 (東京工業大学)
    山村雅幸 (東京工業大学)
    寺野隆雄 (千葉商科大学)
    本研究の目的は,同期タッピング課題における音刺激に対するボタン押しの同期のズレの発生の原因を確かめることである.実験では,まず,実験参加者に対して特定の方策をとるよう指示すると,刺激の周期に関わらず,指示した方策に対応したタイミングでボタン押しが起きることを確かめた.次に,予測的なタッピングの発生率と反応的なタッピングの発生率が,刺激の周期が長くなるに従って低下することを確かめた.結果は発表の場で報告する.
  • P1-46
    佐藤信之介 (千葉工業大学大学院 情報科学研究科 情報科学専攻)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究では,モデル構築による推定作業を促進する要因として課題遂行中の役割における等質性と異質性に着目した.等質性と異質性を操作するために2種類の役割を用意し,参加者に異なる役割を与える条件と,同じ役割を与える条件を用意し,課題遂行中の役割が等質性・異質性としてグループ形成に及ぼす効果を検討した.実験の結果,課題遂行中の役割を分けて与えた条件でモデルの構築が促進される可能性が示唆された.
  • P1-47
    秋元泰介 (九州工業大学大学院情報工学研究院)
    内海彰 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    本研究の基本的な目的は,様々な種類の類似性・関連性に基づいてストーリーどうしを関連付ける記憶の計算モデルを作ることである.これは,認知システムにおけるストーリーの生成的認知の基盤として位置付けられる.本発表では特に,ストーリー間にマルチモーダルな類似を生み出す仕組み焦点を合わせる.マルチモーダル分散意味論を取り入れて,ストーリーや概念的な記憶要素と視覚的特徴表現とが結び付いた記憶構造の初歩的な実装を試みた.
  • P1-48
    小島隆次 (滋賀医科大学)
    田中廣明 (京都工芸繊維大学)
    西口美穂 (京都大学大学院教育学研究科)
    対象の空間位置が指示される場面では、指示者側の視点に基づく制約に関する認識が、被指示者の一人称視点からの見えによって影響を受けることが考えられる。また、指示間違いの可能性に関する被指示者の認知の影響を考えることも重要である。本研究は、これら二点について検討した。その結果、空間指示場面において、被指示者視点からの見えと指示間違いの可能性の認知が、被指示者の空間指示理解に影響を及ぼすことが示唆された。
  • P1-49
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    一人の実践者が,好みの「卵焼き」/「出汁巻き卵」を作成できるようになるまでの過程を,言語化により記録した.言語化した記録のうち,実行した動作に関する記述および動作や状態への気付きに関する記述に注目し,それらの変遷について分析・検討した.その結果,気付きの詳細化に伴った調理品の完成度の上達が認められた.また,習得された動作が実行できなくなったときには,新たな気付きを生みながらより再現性の高い動作が獲得し直される過程が観察された.
  • P1-50
    上田樹美 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    下中尚忠 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    下田宏 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    石井裕剛 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    大林史明 (パナソニック株式会社エコソリューションズ社)
    著者らは,知的作業に対する集中に着目して執務者の状態を客観定量的に評価する指標である集中指標の開発を行ってきた.これまでに,作業中に集中していた時間の割合を表す集中時間比率CTRと,集中していた時間の中でもより深い集中状態にあった時間の比率を示す集中深さ指標CDIを提案しており,本研究ではこれらの詳細を実際の例を交えつつ紹介する.また,今後の展望として時系列解析の試みにも言及する.
  • P1-51
    宮﨑大輔 (京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻修士課程)
    上田樹美 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    石井裕剛 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    下田宏 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    大林史明 (パナソニック株式会社エコソリューションズ社)
    オフィスの室内環境を改善することで知的作業に対する集中が向上し,労働生産性が向上することが期待できる.室内環境として温熱環境,気流環境および照明環境の3つの環境に着目し,それぞれの環境において知的集中の向上が期待される環境を提案し,実際にどの程度知的集中が向上するのかを実験を行うことで定量的に評価した.その結果,3つ全ての室内環境において提案環境の方が標準環境に比べて知的集中が有意に高くなった.
  • P1-52
    樋田浩一 (東北大学加齢医学研究所)
    越智光 (株式会社デンソー)
    田中君明 (株式会社デンソー)
    杉浦元亮 (東北大学加齢医学研究所)
    自動運転車の室内デザインについて,我々がどのような評価構造を有しているのか明らかにするため,因子分析を実施した.その結果,「高級感」「すっきり・未来感」「活動性」「かわいらしさ」「安心感」の5つの因子が抽出された.これらは,従来の自動車に対してみられていた評価因子と一部共通する一方で,「すっきり・未来感」は,自動運転車に着目したことで抽出された特徴的な因子であった.
  • P1-53
    後藤靖宏 (北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科)
    絵画のタイトルと解説文が印象評価に与える影響を検討した.美術未経験者に絵画を鑑賞させ,美術作品評価のための4因子を用いて評価させた結果,解説文の影響およびタイトルの内容差と解説文の相互的影響は観察されなかった.一方,活動性及び明るさ因子にタイトルの影響が見られた.これはタイトルそのものの影響力が絵画の評価に対して大きな影響を持っているか,タイトルと解説文が絵画に与える影響は別物であると考えられる.
  • P1-54
    西川純平 (静岡大学情報学部)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    言語は社会的営みを通して習得される.とくに音声言語の習得過程では,一連の音の中から音韻を意識できるようになることが重要である.本研究では,インタラクションを介した音韻意識の獲得プロセスをモデル化によって理解することを目的として,認知アーキテクチャを用いてモデルを構築しシミュレーションを行った.シミュレーションの結果から,未熟な音韻意識をモデル化する方法や音韻の誤りを抑制する要因が示唆された.
  • P1-55
    小森 政嗣 (大阪電気通信大学)
    未知の関数の推定をする大域的逐次最適化手法の1つであるベイズ最適化(Bayesian Optimization)を応用し,化粧画像のリップ・チーク色の「かわいさ」「大人っぽさ」を題材とした対話的な二肢選択課題を行った.選択の結果をもとに,「かわいさ」「大人っぽさ」予測平均値が最大/最小となる色の組み合わせを推定した.本手法は,多変量の物理量が関与する繊細な感性的評価・判断を包括的に検討する有用な手法となりうる.
  • P1-56
    満下健太 (静岡大学大学院教育学研究科)
    村越真 (静岡大学教育学部)
    実践経験の異なる群において,SD尺度による山岳リスクのリスクイメージ次元がリスクの性質と個人属性によってどのような差異があるかを三相因子分析で検討した。結果,尺度相においては脅威性・制御可能性の2因子,評定対象相では急激的・遍在的リスクの2因子が抽出された。熟達指導者群と一般指導者群を比較した結果,急激的リスクに対して両者の評定に差異はなかったが,遍在的リスクに対して熟達指導者は制御可能性を高く,脅威性を低く評定する傾向が見られた。
  • P1-57
    于成 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    色字共感覚者は,数字や文字などから色の感覚を喚起される.その対応は個人間で異なるが,個人内では一定している.一方,非共感覚者は数字や文字と色との間に特定の対応関係を持たないとされる.本研究では,非共感覚者において,意識されない数字と色の対応関係が存在するかどうかを複数の課題を用いて検証した.この課題では数字と色の対応関係について明確な証拠は得られなかった.今後はストループ課題を用いて検討を進める予定である.
  • P1-58
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    石原由貴 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    Susceptibility to the rubber hand illusion has been found to function as a marker of individual differences such as empathy. Though a self-touch illusion has been regarded as a variation of the rubber hand illusion, we have found the susceptibility to the self-touch illusion does not positively correlate with the ownership susceptibility in the rubber hand illusion and the inter personal reflex index. Based on this result, we discuss prospects of individual differences research focusing on the self-touch illusion.
  • P1-59
    岡田莞助 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    脚への筋肉負荷に対して, 筋運動の方向とは異なる方向へと脚が伸びる映像をHMD環境にて呈示することで, 脚の伸縮感覚が誘発されることを我々は観測してきた. 本研究ではHMD環境を用いた被験者実験を行い, 特定の筋運動に対して, 収縮あるいは伸張という順逆いずれの位相の視覚イメージを適用しても等しく伸縮感覚が誘導されるという結果を得たので, これを報告する.
  • P1-60
    齋藤五大 (東北大学)
    本研究では視覚入力が優位な空間である身体正面とまれな背面の多感覚的な自己身体表象を調べるために,目を閉じたまま左手で偽物の手に触れながら右手を同期して触れられると,偽の手を触れているにもかかわらず自分自身の左手で自身の右手を触れていると感じるセルフタッチ錯覚パラダイムを用いた。その結果,錯覚強度は正面で両手を交差した条件よりも背面で交差した条件で高かった。これは正面と背面における手の触覚と自己受容感覚の信頼性が異なる可能性を示す。
  • P1-61
    三浦慎司 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    日本刀の美や力強さの評価は「日本刀を振る」身体感覚に左右されるのだろうか。本研究では、VRで日本刀を振ってブロックを斬る/壊す課題を行った後に日本刀の評価をさせたところ、ブロックを砕いた刀よりも真っ二つに斬った刀の方が好みの評価が高くなった。このエフェクトの差は日本刀を振る映像を身体を動かさずに見たときには現れなかった。このことから、日本刀の好みの評価は刀を振った時の身体感覚と視覚の統合的な働きに左右されることが示唆された。
  • P1-62
    青山征彦 (成城大学 社会イノベーション学部)
    ハンドメイドなどの趣味を題材に、どのようにして趣味が継続されているかをインタヴュー調査によって検討した。その結果、母親が同じ趣味に参入したり、母親近い趣味を楽しんでいたりするなど、母親との関係が趣味の継続に影響しているのではないかと考えられた。趣味は、主体に内在するエージェンシーによって維持されているというよりも、主体を下支えする社会―技術的アレンジメントによって可能になっていると言える。
  • P1-63
    粟津俊二 (実践女子大学)
    松香敏彦 (千葉大学)
    小田切史士 (青山学院大学 社会情報学研究科)
    鈴木宏昭 (青山学院大学 教育人間科学部)
    岡田浩之 (玉川大学工学部・脳科学研究所)
    松田哲也 (玉川大学)
    概念の神経表象が課題文脈によって変化するか検討するため、fMRI実験を行った。同じ単語刺激を提示して4つの判断課題で脳活動を比較した。食物の色、形、カテゴリー、食べ方(行為)に関する判断を比較したところ、左IPLと左ITLの活性化程度が課題によって異なった。この結果は、同一の概念でも、文脈によって神経表象が異なる可能性を示している。
  • P1-64
    森下美和 (神戸学院大学)
    本調査では,情報交換タスクを使用し,授業内での学生同士の対話における統語的プライミングの可能性について検討した.明示的な指導をしなくても事後テストの正答率が上がったこと,タスク内で作成したwh疑問文の正答率は事前・事後テストを上回っていたことなどから,統語的プライミングの可能性が示唆された.
  • P1-65
    犬童健良 (関東学園大学)
    本論文は自然言語文の理解を,取引サイクルを形成する市場アルゴリズムとして解釈した.市場モデルは協力ゲームの一種であり,また三重対角化を用いたその数値表現が提案された.コンピュータ実験として,日本語WordNetを用い,語義説明を節形式に翻訳し,語義の写像で定義されるゲームのコアを求めた.またベクトル・行列に再表現して三重対角化を行った.
  • P1-66
    川端良子 (国立国語研究所)
    『日本語地図課題対話コーパス』において,地図上のランドマークが最初に対話に導入される方法を分類する。分類方法を提案し,提案した方法に則って実際のデータにアノテーションを施し,提案方法の有効性について検討する。
  • P1-67
    古藤陽 (東京大学大学院学際情報学府)
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・情報学環)
    美術創作や鑑賞といった活動においては,しばしば日常とは異なる特殊なものの見方が生じており,その一つの要因として「美的態度」と呼ばれる認知的な構えが存在することが先行研究により示唆されている.本研究は,美的態度をもって非美術の対象を解釈する活動の中で生じる解釈の変化の過程を探索的に検討することを目指す.これにより,美術活動全般に関わる「対象を美的に見る」という力を養うための美術教育手法の開発に寄与することができると考えている.
  • P1-68
    熊谷優希 (東京電機大学情報環境学部)
    日根恭子 (豊橋技術科学大学情報・知能工学系)
    人間関係において、他者からの役割期待が重要な役割を持つことがある。しかし時間経過に伴って役割期待がどのように変化するかは不明な点が多い。本研究では、役割期待が時間軸に沿って、どのように変化するかを調査することを目的とし、大学生を対象とした質問紙調査を行った。その結果、恋人に対する「支援・信頼」に関する得点が、12ヶ月未満よりも12ヶ月以上の方が有意に高く、内面に関する期待が高くなることが示唆された。

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