キーワード索引
芸術
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P1-13本研究では, 演劇経験者2名ペアが 即興的に演じた劇を20回反復した時に起こるセリフと動きの変化を実験的に検討した. 映像からセリフの変化を, 足圧中心の時系列データから二者の身体的な相互作用を検討した結果, ①セリフの重複が反復開始後に減少した. ②即興時の二者間の相互相関が最も高かった. ③反復により即興時の微細な動きは割愛され, 大きくパターンのあるものに変化した. この結果は, 反復性により即興表現が編集されたことを示唆する.
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P1-14本研究は書道熟達者1名が16試行を通じて臨書作品を制作するケーススタディである.書家のかいた字画について,画像相互情報量による類似度評価を用い,字画の形態調整を縦断的に検討した結果,字画形態の一貫性は,紙面上の文脈に依存して異なることが明らかになった.またこの結果は,文字の配置計画について述べた書家の内省報告と部分的に一致していた.以上の結果は,書家が戦略的な配置によって「不確実性を飼いならす」技を身につけていた可能性を示唆する.
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P1-44創造性はアイディア生成能力やプロダクト生成能力,社会的実績の観点から研究されてきたが,各創造性の関係については明らかになっていない。本研究はアイディア生成能力,創造的実績に焦点を当て,2つの創造性の関係を検討した。88名の大学生を対象に,アイディア生成能力と創造的実績を測る実験を行った。その結果,アイディア生成能力と創造的実績の間に有意な正の相関が見られた。今後は、プロダクト生成能力も含めて多様な観点から創造性を検討する必要がある。
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P2-62近年,鑑賞者がいかに作品の背景にある作者情報の認識の鑑賞における重要性が示されてきている.本研究はこれに沿い,作者の方に意識を向けながら作品を見ることと,作品自体の表象する意味世界(作品世界)の形成(特に想像の広がりの程度)やその他の美的印象等との関係性を検討した.写真作品を素材とした実験を行った結果,作者に意識を向けることで作品世界の想像が促進され,その想像の促進度と好みや感嘆といった美的印象等が相関することが示された.