研究分野別一覧
神経生理
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O1-1本研究では,話者特性の一つであるパーソナルテンポが対面朗読時の二者間における生理的シンクロニーに及ぼす影響について調べた。その結果,二人朗読課題の序盤および終盤において,個人のタッピングテンポの類似と二者間の心電図RR間隔のシンクロニーとの間に相関関係が見られた。また,ペア間で個人の発話テンポが類似していることは,二人朗読課題の中盤における生理的シンクロニーならびに発話の音声シンクロニーと関連があることが示唆された。
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P-12月経前症候群(以下、PMS)とは、黄体期特異的に、イライラなどの心身諸症状により、日常生活に影響が及ぶ状態であり、全女性の半数以上が該当する。PMSを有する女性は、認知機能と関連するコルチゾールの応答が鈍化する。これらのことから、ストレス誘導前後とストレス誘導1時間後に認知課題を行うと、PMSを有する女性のストレスによる認知機能への影響が示唆された。これらのことから、PMSは、心身症状だけでなく、認知的な影響も及ぼす可能性がある。
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P-24日本語の会話で頻繁に使われる「のだ」は、当該の命題を既定とみなす場合に用いられる談話標識である。これは、学習者にとっては習得が難しいと言われている。本研究は、事象関連電位の指標を用い、「のだ」の使用条件と非使用条件に応じて、「のだ」の有無に対する神経活動が母語話者と学習者とでどのように異なるかを比較した。両群で異なる成分が見出され、学習者による「のだ」過剰使用の傾向が非使用条件に対する理解に乏しいことに起因している可能性を示唆した。
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P-25身体化認知の枠組みに基づいて,意味記憶が運動と処理資源を共有するという考えが提案されてきた.本研究の目的は,手で操作可能な物体の操作的知識に対して運動シミュレーションが与える影響とそのメカニズムを明らかにすることである.本研究では単語刺激を用い,手で操作できる物体の意味処理を行う際に身体拘束がどのような干渉効果を及ぼすのかをNIRS(近赤外分光法)を用いて計測した.
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P-36人は他者とのコミュニケーションにおいて相性を感じることがある.この相性は何に起因しているのだろうか.この問題を解く1つの鍵として,安静時の脳状態に見られる特徴的な活動パターン=デフォルトモードネットワーク(DMN)が注目されている.本研究はこのDMNを脳波測定により抽出し,人が持つ固有の脳活動パターンを情報量的に特定することを目的とした.しかし,結果として今回の実験では人が持つ固有の脳活動状態を情報量的に特定するには至らなかった.
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P-73少数の被験者が音楽 (ポップス) を聴いている時の脳活動をEEG (脳波計) で計測し、脳波の被験者間相関 (ISC) 解析によって大衆の曲の好みを予測できるかどうかを検証した。その結果、大衆がより好む年間チャート上位の曲(1~50位)のISC値はやや下位の曲(51~100位)のISC値よりも有意に大きいことが分かった。したがって、脳波の被験者間相関解析より算出したISC値が音楽に対する大衆嗜好性を予測する指標となる可能性が示唆された。
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P-136我々の知覚決定は,他者の観察によって暗黙のうちに影響を受け,低次な知覚さえも調整され得る.本研究では,他者の数認識の観察により,個人の数知覚がどのように暗黙的に調節されるか,その神経機構を調べた.実験の結果,他者の過大評価と過小評価を観察した後,数知覚が異なる調節がされ,上頭頂小葉の活動が異なることが示された.この結果は,他者の数認識の観察が数知覚の神経基盤に暗黙的に影響することを示唆する.