日程
オーガナイズドセッション (OS02)
非可換確率論を用いた認知科学(量子認知)の基礎と展開可能性
9月3日(金)
16:00 - 18:00
会場:zoom会場No.1
オーガナイザー:布山 美慕(早稲田大学),西郷 甲矢人(長浜バイオ大学)
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OS02-1これからの「確率」の話をしよう―非可換確率論によるモデリングに向けて決定論の枠組みは、自然に対して余りに狭い。そこで人類は「確率」を考え測度論的に定式化したが、量子現象はその枠組みからもはみ出す。本講演では、量子現象のモデリングに端を発し、認知科学の研究にも用いられつつある非可換確率論(量子確率論)が、測度論的確率論のいかなる意味での一般化であるか明らかにしつつ、演者らが最近取り組んでいる「圏代数と圏上の状態」を用いた非可換確率論的モデリングの展望について述べる。
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OS02-2研究事例の紹介を通じた量子認知研究の基礎と課題の共有量子認知の研究では、量子確率を用いて認知状態をモデル化し、説明や予測を行う。量子確率の特徴から、自然科学に応用する際の「確率」の解釈が変わり、それに伴い認知状態の捉え方も変化する。また、古典確率論に従う数理モデルでは説明できなかった認知が数理的に説明可能になるとされる。本発表では、量子確率を用いるモデルの特徴や、量子的効果の有無の判定方法、量子認知研究の課題について、主にBusemeyerらのグループの研究事例を通して説明する。
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OS02-3量子確率論の認知神経科学への応用に向けて招待講演学的枠組みが人間の思考の流動性を説明できる可能性に関心が集まりつつある。このようなアプローチは、これまで古典的な理論を用いた認知科学研究では説明が困難であったが故に、人間の思考の非合理性として扱われてきた認知現象に対し、新たな枠組みと心の法則を導き出すものとして期待できる。本講演では、現在主流の古典的な理論に基づく心の法則と、量子確率論に基づく心の法則を比較し、認知神経科学研究との接点について議論する。
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OS02-4総合議論総合議論:まず、主に三件の発表を踏まえて、ディスカッサントと発表者で議論する。その後、フロアを交え総合議論を行う。