日程
オーガナイズドセッション (OS05)
認知科学のモデル論 −哲学から感情まで−
9月3日(金)
16:00 - 18:00
会場:zoom会場No.3
オーガナイザー:林勇吾(立命館大学),大森隆司(玉川大学),竹内勇剛(静岡大学),森田純哉(静岡大学),寺田和憲(岐阜大学)
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OS05-1メタモデル探求としての認知科学、科学哲学招待講演認知科学が、「認知主体は身体や環境をモデル化して捉える」ことを前提にする科学であるならば、認知科学モデルはメタモデルである。一方、科学哲学は科学におけるモデルの一般的特徴を捉えようとするので、メタなモデルを扱う点で共通している。いずれも、探求にリカーシブな側面があるので、「そもそもモデルとは何か」という根本的な問いが無視できない。この問いの処理の手がかりを、これまでの科学哲学の議論をもとに考える。
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OS05-2招待講演同じ感覚・言語データに対して、我々は異なる意味や解釈を見出す。こうした意味推論に関する論考は心の哲学分野で深められてきたが、計算可能な形式は未整備である。これに対し、本研究は意味推論の最小課題として数列の類推問題を対象とし、その典型的な人の推論を説明する数理モデルを提示する。このモデルは、系統的な傾向性をもつ人の主観的な解釈の生起機序の解明を目指す「数理現象学」の萌芽ともいえるだろう。
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OS05-3公募発表言語発達の過程の一部は音韻意識と呼ばれる能力に支えられる. 発達の過程では,音韻意識が未熟なために起こる誤りが報告されている. このような能力の形成をうまく支援するためには,個人の認知特性を考慮することが重要になる. 本稿では,人の内部プロセスに対応するモデルを組み込んだ支援システムを提案する. 個人に対応するモデルを持つシステムにより音韻意識の形成を支援する仕組みを構築することを目指す.
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OS05-4公募発表Marrによれば認知モデルを表す階層として計算論とアルゴリズムの水準が区別される.これらの水準は相互に関連しているが,そのつながりは必ずしも明確ではない.そこで本研究では,アルゴリズムの水準の認知モデルを,計算論の観点から検討し,妥当性を付与することを目指す.本報告では,知的好奇心のACT-Rモデルの振る舞いを計算論に基づくベイジアンネットワークを用いて分析した.その結果,知的好奇心の仮説とACT-Rモデル間で整合する特徴が現れた.
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OS05-5Connecting computational cognitive modeling to the physiological and to the Social to have a better understanding of the Human招待講演How do we develop tractable computational cognitive models that can simulate the rich real-world context people experience when behaving in environments? Answering this question ultimately requires an account not only for cognitive minds, but also physiological bodies and the sociocultural environments. I have approached this question by developing a hybrid computational cognitive architecture called ACT-R/Φ and developing cognitive models that use this architecture to help define their knowledge and action space. I discuss ACT-R/Φ and how we can use ACT-R/Φ in the context of existing sociocultural processes to model real-world contexts, particularly from the perspective of Human-AI interactions.