日程
オーガナイズドセッション (OS14)
芸術を「情報」で現す意味
9月5日(日)
16:00 - 18:00
会場:zoom会場No.5
オーガナイザー:佐藤 由紀(玉川大学 リベラルアーツ学部),安藤 花恵(西南学院大学 人間科学部)
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OS14-1公募発表Ambiguity was divided into semantic and affective ambiguity, and their effects on the aesthetic evaluation of haiku were examined for Japanese and German speakers. 450 Japanese and 373 German speakers evaluated 36 haiku for 10 items. The results showed that as semantic ambiguity increased, the aesthetic evaluation of haiku decreased. As a measure of affective ambiguity, we focused on awe and nostalgia, which encompass both positive and negative emotions, and the more they felt these emotions, the higher the aesthetic evaluation. These tendencies were greater for German speakers than Japanese. The reasons for the effects of two kinds of ambiguity on aesthetic evaluation of haiku and the cultural differences will be discussed.
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OS14-2公募発表これまで、芸術作品鑑賞時の認知過程についていくつかのモデルが提案されてきた。中でも作品の背後にある作品が創作されたプロセスなどに鑑賞者がいかに注意を向けているかについて着目した諸研究が近年登場してきており、関心が高まっている。本論では、こうした作品創作プロセスの認識に関して今後精緻なモデルを提案していく上で必要とされる実証的知見について、情報の収集、内的処理過程、感情等の他の心理的側面への寄与という三要素に整理しながら議論を行う。
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OS14-3表現研究におけるシステム論的な分析単位-再構成された共通入力を用いて-招待講演従来,舞台表現を論じようとするとき,研究者は多くの場合において演者が有する特性として表現を記述してきた.だが,表現の本質的な性質の一つは,多くの観客の心を動かし,一斉に感情を喚起させるということである.それゆえ,演者のみに着目する方法では,論理的に探究不可能な相互作用の領域が存在する. 本講演では,この問題を解決しうる舞台表現の「システム論的な分析単位」を指摘し,どうすれば量的研究・質的研究が可能かについて実例を挙げながら述べる.
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OS14-4指定討論ここ数年、芸術表現を認知科学的視点から解明しようという研究者が増えている。しかし、そもそも「芸術」といわれる表現、ないし表現行為を「情報」に置き換えることは可能なのか。可能であるとしたら、「情報」で現された「芸術」は、芸術なのか。今回の発表や講演を受け、芸術が情報に転換されることで失われたもの、付加されたもの、を改めて検討し、芸術表現を認知科学的手法で検討をおこなうことは、芸術にとって幸福なことといえるのか、議論をおこないたい。