日程

オーガナイズドセッション (OS15)

教育評価のデジタルトランスフォーメーションに向けて:算数・数学を例に
9月4日(土) 16:20 - 18:20
会場:zoom会場No.4
オーガナイザー:益川 弘如(聖心女子大学),白水 始(国立教育政策研究所),齊藤 萌木(東京大学)
  • OS15-1
    招待講演
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    本オーガナイズドセッションでは,教育評価でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する利点を探ると共に,それをテーマに認知科学におけるDXとはどのようなものであるべきかを考える.そのために「比・割合」という一見簡単そうに見える題材を巡るAIドリルと協調学習とを対比しながら,子供の学びにいかに迫り得るかを検討し,学習モデルとテクノロジを共進化させるものとしてDXを再定義する.
  • OS15-2
    埼玉県の学力向上施策の概要~埼玉県学調を中核としたPDCAの推進~
    招待講演
    八田 聡史 (文部科学省初等中等教育局)
    大根田 頼尚 (文部科学省総合教育政策局)
    埼玉県では平成27年度以降、独自の調査設計を有する「埼玉県学力・学習状況調査」(埼玉県学調)を実施するとともに、同調査を中核とした各種の学力向上施策に取り組んでいる。また、教育ビッグデータとAIを活用した個に応じた指導の実現や、タブレット等を活用したCBT化に向けた実践研究も進めている。本セッションでは、埼玉県学調の調査設計や学力向上施策の概要とともに、現在の成果と課題等について述べる。
  • OS15-3
    招待講演
    益川 弘如 (聖心女子大学)
    稲垣 忠 (東北学院大学)
    小中学校で一人一台情報端末整備と共に,AIドリルの導入自治体が増えている.AIドリルで子供たちはいかに学んでいるか.5年生54名が2020年5月から2021年3月の間に取り組んだログ記録データ111,161件から「比・割合」に関連する「小数のわり算」単元分を抽出,分析した.結果,正答が出せることに主眼が置かれており,意味理解をしっかりしたものにすることは支援対象外だった.認知科学の研究成果を取り入れ,改善サイクルを回すことが望まれる.
  • OS15-4
    公募発表
    林 勇吾 (立命館大学)
    本論文は,学習支援システム研究で研究が行われてきたCAIからその後に発展した適応的な支援を目指すITSの研究,AIドリルなどで利用されるコンピュータ適応型テストについての解説を行い,CAIとITSに関する文献レビューを通じてこれまでの研究の動向について紹介する.
  • OS15-5
    招待講演
    齊藤 萌木 (東京大学)
    水谷 隆之 (シカゴ日本人学校)
    本稿では,指導と評価の一体化の視点から比・割合の指導の指針を得るため,「比とその利用」の「知識構成型ジグソー法」授業における小学6年生の学習プロセスを検討した.結果,児童が「差に着目した比べ方」に強い志向を持つこと,その見直しには協調問題解決が貢献するものの,理解深化プロセスは複雑多様で1コマでは達成しきれないことが見えてきた。この結果から,同領域における概念理解支援の重要性を改めて示唆された.
  • OS15-6
    教育評価のデジタルトランスフォーメーションに向けてのコメント
    笠井 健一 (国立教育政策研究所)
    飯窪 真也 (東京大学)
    寺尾 尚大 (大学入試センター)
    教育評価のデジタルトランスフォーメーションに向けて,話題提供の内容に対して,算数・数学教育の専門家,学習科学の専門家,認知的テスト理論の専門家よりコメントをいただくことにより,これから認知科学が貢献できる点について議論を深めていく,