研究分野別一覧

運動

  • OS13-6
    公募発表
    齋藤 五大 (東北大学)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    本稿では,参加者が両手を背中に回して上側の手で実験者の手をなでると同時に下側の手を実験者になでられる新奇な自己接触錯覚を提案し,その事態で感じられる自己接触と身体変形の様態を報告する。実験の結果は,両手が背中でどの程度とどくかという身体の柔軟性に関連せず,なでる手となでられる手に伝わる触覚が時間的に同期すると,自分で自分の手に触れたと感じるだけでなく指や腕が伸びたと感じることを示した。
  • OS13-7
    公募発表
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学)
    齋藤 五大 (東北大学)
    本稿では、ダブルタッチによって生じる新たな自己接触錯覚について報告する。従来のラバーハンド錯覚パラダイムが、自分自身の手への触覚刺激を心理的に「遮蔽」することにより、ラバーハンドへの触覚刺激に「置換」されるものであるとすると、ダブルタッチ錯覚は、自分自身の手への触覚刺激を心理的に遮蔽せず、ラバーハンドへの触覚刺激と「接合」される点に特徴がある。予備的な心理実験により、ダブルタッチ錯覚における錯覚の様態を示唆する結果を得た。
  • P1-22
    山田 雅敏 (常葉大学)
    大畑 昌己 (桃山学院教育大学)
    栫井 大輔 (桃山学院教育大学)
    The purpose of this study was to discuss the assessment of proficiency in advanced physical skills by focusing on the coaching of the skills for changing running direction under sports settings. In discussion, it was found that the evaluations of the mastery of physical skills could receive a certain level of positive assessment in terms of the presence of mastery but, at the same time, had much room for consideration in respect of the degree of mastery. In addition, it was indicated that the learner’s self-evaluation might be affected by the instructor’s evaluation.
  • P1-29F
    小笠原 香苗 (総合研究大学院大学)
    小池 耕彦 (総合研究大学院大学,生理学研究所)
    定藤 規弘 (総合研究大学院大学)
    プレッシャーが運動制御に影響を与えるメカニズムを明らかにするため,運動制御精度と,力みという意識下の身体状態を区別可能な実験系を考案し,両者にプレッシャーが与える影響を検討した.握力で車を制御する課題を用いた.参加者は,練習の後に,本番として,評価を受けるプレッシャー条件,評価のない対照条件をおこなった.実験の結果,運動制御と力の発揮はどちらもプレッシャーにより影響を受けるものの,影響の受け方が異なることが明らかとなった.
  • P1-32
    阪口 豊 (電気通信大学)
    本発表では,ヒトの運動制御における注意の働きについて議論する.特に,外的焦点に比して内的焦点において運動成績が低下する原因について運動計画の局所最適性の観点から考察し,大域的最適性を実現する注意の在り方として包括的注意の意味を論じる.また,全身運動の協応構造であるシナジーが注意の在り方と密接な関係にある可能性を指摘するほか,運動計画の評価関数の荷重係数を注意によって修飾することで注意が運動に与える影響を説明するモデルについて述べる.
  • P1-33F
    市川 淳 (市川 淳)
    藤井 慶輔 (名古屋大学)
    本研究では,数理モデルから三者の運動協調における不均一な役割を検討した.各自がリールを回して糸の張りを調整し,3本の糸につながれたペンを動かして正三角形をなぞる課題の役割を運動方程式で定式化したうえで計算機シミュレーションを行った.結果,少なくとも三辺をなぞるためには,集団全体のバランスを保つ役割がペンの逸脱量に応じて張力を調整する必要があり,課題の成果を示すパフォーマンスから他者の操作に関連する情報を補う可能性が示された.
  • P2-17
    元橋 洸佐 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    筆者らが既に発表したHMDインタラクション「Room Tilt Stick」では, わずかに足場を傾斜させることによって、CG空間において設計された仮想的な空間の回転(ルームチルト)に対する没入度が高くなる反応を得ていた. そこで本研究では, 類似のHMD空間において, 視覚情報と足場の傾斜を要因とする被験者実験を行った. その結果, 足場の傾斜と映像空間の回転の方向性が一致した場合に、地面の傾斜認知を大きく歪めることが示された.
  • P2-32
    渡邉 樹生 (株式会社リペア)
    小倉 加奈代 (岩手県立大学)
    本研究では,教示言語化行為が,身体知獲得の促進に繋がっており,技能習得に取り組む人間が意識する課題や身体部位の違いにより成長度合いに変化が生じることを仮説とし,一人称視点での傘回しに関する身体知獲得における教示言語化行為の影響を検討した.その結果,言語化行為によって意識化に該当する記述が行われた直後は,前回の成果よりも低下し無意識化の崩壊が行われること,同じ練習段階でも練習中の意識対象が異なることで成果に幅が生じることが確認できた.
  • P2-53
    伊藤 万利子 (札幌学院大学心理学部)
    三嶋 博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    けん玉の「もしかめ」では,自然な状態では,運動研究において安定した協調パターンと言われる同位相だけではなく,同位相から少し「ずれ」のある協調パターンもみられる.本研究では,「もしかめ」における安定した協調パターンを調べた.けん玉熟練者を対象として運動のテンポを制約する実験を行った結果,大皿の接触時には,「ずれ」のある協調パターンが維持された.中皿の接触時には,身体運動が変動的になり,大皿での接触時とは異なる協調パターンが選択された.
  • P2-63
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    竹田 亮大 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    人と機械のインタラクションで実現が困難なことの1つに,ターンテイキングと呼ばれる主従関係の自然な入れ替わりがある.我々は,モニター越しに球の移動を介して他者あるいは計算機とインタラクションする実験室実験を実施し,相手とのインタラクション視点が三人称から一人称に変わることによる,人と計算機の識別率の違いを調べた.結果,一人称視点は計算機が示す主従関係に人を合わせやすくする効果があることを示唆する結果を得た.
  • P2-66
    田中 祐貴 (金沢工業大学大学院)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学大学院)
    日本舞踊の評価において専門性がどのように反映されるのかを明らかにするため感性評価実験を行い,評価構造の違いを検討した.実験参加者ごとの回答から探索的因子分析を行い.抽出された因子の違いを確認した. 家元にのみ拡散性という因子が抽出された.また専門家と非専門家で空間を連想させる項目において,一緒に因子に含まれる項目に違いがあったことから専門性の有無によって,評価構造の違いはあると考えられる.