研究分野

動物認知

  • P1-011
    内海 英夏 (京都電子)
    篠原 修二 (東京電機大学)
    正角 隆治 (エプソン)
    森山 徹 (信州大学)
    交差点間距離が10,16,32cmの多重T字迷路装置を用い,ダンゴムシに対しT字迷路を連続で約6時間与えた.その結果,交替性転向の成功率は,それぞれ64,45,30%と距離の増加に伴い減少した.一方,いずれの条件でも,約半数の被験体において,交替性転向の成功試行数の100試行移動平均が,10から80%程度の範囲で増減する現象が観察された.この結果は,本種の多くは,交替性転向を自発的に動機づける心的過程を備えることを示唆する.
  • P1-031
    中田 龍三郎 (北星学園大学)
    鏡を見ながら茶やコーヒーを試飲するとおいしくなるだろうか。食事環境を鏡のありなしで変化させ、飲料のおいしさや現在の気分について評定させた。その結果、鏡を見ながら嗜好性飲料を試飲すると、鏡がない条件に比べて飲料をおいしく感じることがわかった。栄養摂取的観点の強い食品摂取場面ではなく、より嗜好性が強い飲料でもおいしく感じたことは、味や匂いを楽しむといった必ずしも「多く摂取する」ことが求められない食行動でも鏡の効果が生じるためと考えられる。