研究分野別一覧
臨床
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OS08-3公募発表臨床心理学においてプロジェクションに最も近い概念は投影であるが,描画や刺激に対する言語反応への内的表象の投影に限られている.一方,認知科学では,認知的な働きの一つとして幅広くプロジェクションの研究が展開されており,その知見を臨床心理学に応用することで心の働きやメカニズムの理解が深まると考えられる.本研究では他者の視点と自己の視点を仮想的に交換することで心理的変容を促す心理療法を題材に,そこで成立しているプロジェクションについて検討する.
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OS12-4公募発表四肢切断後には,失った四肢があたかも存在しているような“幻肢”を経験する.しかしながら,この幻肢の形・大きさの歪み(テレスコーピング現象)は,幻肢痛リハビリを阻害することから,どのようなリハビリ手続きによってこれが是正されるのかを明確にしておく必要がある.我々は,幻肢痛を有する単一症例において,歪んだ幻肢のサイズに合わせた視覚像を仮想空間内で付加することが,幻肢の歪みを是正する最も効率的なリハビリ手続きであることを明らかにした.
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P2-5229名の実験参加者にアイトラッカーを装着して、18対の肯定・否定刺激への視線行動を記録した。実験終了後、ベックの尺度を用いて抑うつ傾向を探るとともに、平均睡眠時間も聞いた。これら2つの測度とその交互作用が、18対のスライド刺激の肯定・否定刺激への視線行動にどのような影響があるかを探った。視線分析では、初視・注目・注視・瞬目の4つの観点から分析し、刺激によって、これらの分布クラスタに3つのタイプがあることが示された。
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P2-60本研究では,綱渡りのようなバランス・スポーツ“スラックライン”のトレーニング効果の検証を目標にする.本発表では,その効果を評価する方法,課題について検討した予備実験の結果を報告する.予備実験の結果,スラックラインによるトレーニングの効果は,不安定なバランス課題(片脚立ち,支持面が不安定な条件)で,より顕著な変化(姿勢動揺の減少,持続性相関の強化)が観察された.今後,さらにデータを収集し統計的に検証したい.