キーワード索引
実験記号論
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OS09-2公募発表本研究では,ジレンマ環境での新規なコミュニケーションシステムの成立と変化について,ゲームを用いて実験的に検討した.ゲームでは,利益を独占する行動と二者間でやり取りされるメッセージの曖昧さに相互関係があると想定された.ゲームを用いた予備的な実験の結果から,曖昧な意味付けを含むコミュニケーションの生起の可能性が示された.その上で集団実験を行い,生起したコミュニケーションに多様性があることが確認された.
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OS10-4公募発表本論では,二者間でやり取りされる記号表現に構造依存性が発生する過程を定量的に観察できる実験課題について検討し,2対2のゲーム課題を開発した.その結果,協力する二者が共創した意味の数と,扱う記号表現のバリエーションの増加を確認した.しかし,構造依存性を持つ表現の発生は確認されなかった.その原因として,協力・競合関係から生じる失敗回避の動機によって,二者間でやり取りされる意味の増加が抑制されたのではないかと考えられる.
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P2-58人間言語には非常に多くの語彙があり,かつその語彙の意味は集団で共有されている.人間は局所的なコミュニケーションを繰り返して共通の語彙を持った言語を創り出すことができる.本研究では,記号のやり取りを通じて協調的な調整課題に取り組むゲーム枠組みを用いてその計算モデルを構築した.結果,記号の意味推定に応じた行動修正の仕組みや他者の記号の使い方と行動の仕方を模倣する仕組みがあれば,集団で同一化した記号システムが形成されることを確認した.