研究分野別一覧

コミュニケーションとネットワーク

  • OS11-6
    公募発表
    小林 勝也 (東京電機大学大学院)
    安田 哲也 (東京電機大学)
    小林 春美 (東京電機大学)
    本研究では共有知識の有無が、言語・非言語使用に影響するのか否かを調べるため、Zoomを使った遠隔対話を用いた実験を行なった。実験はナビゲーション課題を模したものであり、話し手に道順を伝えてもらった。言語分析からは特に「そ系」(それ・その・そこ)の用法ごとの使用頻度に大きく差があり、指示形容詞である「その」が最も多く使われた。非言語分析からはジェスチャーの回数も相手を見る時間も、どちらも共有知識の有無に影響を受けていることが示された。
  • OS13-9
    公募発表
    高橋 英之 (大阪大学大学院)
    橋川 莉乃 (大阪大学)
    堀部 和也 (大阪大学大学院)
    岡田 浩之 (玉川大学)
    本発表では,「自分と他者の関係」と「世界の心的操作可能なモデル」を反復的にもう一方の学習に際してプロジェクションさせることで,他者との関係性の理解と世界そのものの理解が相補的に展開していくモデルを提案する.そしてこのようなモデルにもとづいてコミュニケーションを捉えることで,これまでとは異なるコミュニケーションの価値についての視座が得られるのではないか,という議論を行いたい.
  • OS14-2
    公募発表
    松本 一樹 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    これまで、芸術作品鑑賞時の認知過程についていくつかのモデルが提案されてきた。中でも作品の背後にある作品が創作されたプロセスなどに鑑賞者がいかに注意を向けているかについて着目した諸研究が近年登場してきており、関心が高まっている。本論では、こうした作品創作プロセスの認識に関して今後精緻なモデルを提案していく上で必要とされる実証的知見について、情報の収集、内的処理過程、感情等の他の心理的側面への寄与という三要素に整理しながら議論を行う。
  • O2-4
    中山 隆弘 (東京大学)
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    齊藤 萌木 (東京大学)
    飯窪 真也 (東京大学)
    対話型授業の中で話量が少なくとも理解を深めている生徒が存在する.本稿では「知識構成型ジグソー法」7授業61グループ172名の発話量と学習成果の相関関係を調べた先行研究の結果を詳細に分析した.話量は平均より少なくとも理解を平均以上に深めた48名を対象に,グループメンバーの話量と理解度を分類した上で,対話のパタンを分析した.その結果,寡黙な生徒も他の生徒の対話を聞きながら,対話を意味的に先導するモニター役を務めていたことが示唆された.
  • P1-04F
    下條 志厳 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学)
    大本 義正 (静岡大学情報学部)
    森田 純哉 (静岡大学)
    ICAPにおいて最も深い学習プロセスであるInteractiveに学習者が従事することは困難である.本研究では,協同におけるコンセプトマップ作成活動に着目する.文脈・タイミングに応じた支援を行うには,コンセプトマップの状態を把握する必要がある.ここでは,CmapToolsを用いた先行研究と同様に学習パフォーマンスが向上するのか確かめた.その結果,学習パフォーマンスは促進されることが分かった.
  • P1-08
    田中 徹 (慶應義塾大学)
    高橋 萌 (元慶應義塾大学)
    佐野 岳史 (元慶應義塾大学)
    鈴木 敬和 (元慶應義塾大学)
    角 晴美子 (元慶応義塾大学)
    水口 高翔 (元慶應義塾大学)
    慶應義塾大学リーディングプログラムは文系理系13研究科から学生が集まり,超成熟社会の持続的発展をリードする文理融合型博士人材育成を目指している.その中で我々は,対話を重視するリビングラボ活動を岩手県遠野市で進め,多様な話題で来場者の滞留時間を上げ,小人数で対話を深める『遠野サイエンスカフェ』を開催し,成果を上げてきた.今回は文理融合教育実践活動の視点から,成果/課題/可能性について報告する.
  • P1-09
    安久 絵里子 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学人間系)
    鷹阪 龍太 (筑波大学人間系)
    葛岡 英明 (東京大学)
    本研究では旅行代理店での接客場面を想定し,遠隔対話システムを用いた接客(遠隔接客)と対面接客との比較,および遠隔接客の中でもアバター映像と実写映像による接客との比較をし,各場面での客-店員間の主観評価の比較を行った.また,客の年齢(高齢/若年)の影響を分析に加えた.その結果,店員役の推測と客役の評価間や,店員自身の評価と店員役の推測間での主観評価には非対称性が見られた.
  • P1-18F
    ヒュース 由美 (東京大学大学院学際情報学府)
    向井 香瑛 (早稲田大学理工学術院, 日本学術振興会)
    渡邊 克巳 (早稲田大学理工学術院)
    工藤 和俊 (東京大学大学院学際情報学府)
    本研究では,第三者による即興劇と台本劇の弁別特性を検討するために,3条件(「視聴覚」「視覚のみ」「聴覚のみ」)の映像刺激により弁別テストを行い,理由と自信度を尋ねた.その結果,3条件ともチャンスレベルよりも高い正答率を示し,条件間に有意な差は認められず,自信度は「視聴覚条件」が有意に高かった.今回の課題における即興劇の弁別は,刺激モダリティの数に関わらず可能であること,回答に対する自信は刺激モダリティの影響を受けることが示された.
  • P1-19
    星 海地 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    人間のパーソナリティ特性の評価方法としてビッグファイブ理論が提案されており、ビッグファイブの5因子から少なくとも4つの性格クラスタに分類できることが報告されている.本研究では5因子によって分けられる4つの性格クラスタと安静時の脳波から得られた脳領域間のコネクティビティとの関連性を調査した.実験の結果,各クラスタにおけるコネクティビティのパターンを可視化でき,5因子をクラスタに分けて脳ネットワークとの関連性を議論することの有用性を示した.
  • P1-24
    尾関 智恵 (愛知工科大学)
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    中山 隆弘 (東京大学)
    コロナ禍によって遠隔教育の必要性が高まるなど,オンラインでの学習環境に注目が集まっている.しかし,学習環境のデザイナーやユーザの学習モデルが古いままでは,単なる教授主義での知識の伝達と受容の強化にとどまってしまう.「一人で教科書を読む」という受動的な活動になりがちな学習環境をいかに能動的な知識理解の環境にすることができるか.本稿は,三省堂教科書を電子化した20年前の試みのその後10年間の報告を基に,学習環境のデザイン指針を得る.
  • P1-62
    渡辺 謙仁 (放送大学)
    田邉 鉄 (北海道大学)
    「野火的活動」が一時的に燃え拡がる条件の分類を試みた.野火的活動は,(1)市場化できるかどうかも含めて様々な実験が行われている段階に活動がある場合,(2)市場規模が小さすぎ,営利企業にとって,大規模資本を投入して様々なサービスを提供し,完全に市場化する旨味がない場合,(3)倫理的な問題や権力関係から,健全で安定した市場を作れない場合,(4)中央集権的な活動がそもそも不可能な場合の4条件のいずれか一つ以上が成立する場合に燃え拡がるだろう.
  • P2-37
    森下 浩平 (大阪経済法科大学)
    本稿では,2020年度に著者が教育機関4校で担当した授業のうち,専門学校2校でのアンケート調査の結果について,授業科目(情報科学)と授業内容(情報リテラシー)がこれらの専門学校と同じで,授業形態(対面とZoomによるオンライン vs Zoomによるオンラインのみ)が一部異なる大学1校との比較を行う.
  • P2-43
    佐々木 美加 (明治大学商学部)
    本研究では芸術関連ボランティアの心理過程を測定する尺度の開発を試みた。美術館のボランティアと地域芸術祭のボランティアに対するインタビューの内容分析(佐々木,2020ab)を基に尺度項目を作成し,全国の美術館ボランティアと地域芸術祭ボランティアの参加経験者に対して調査を行った。分析の結果,「地域愛着・交流」「非日常的豊かさ」「人生の転機と創造性」の3因子構造が見出され,構造的妥当性が確認された。
  • P2-65
    長尾 由伸 (千葉工業大学)
    山崎 治 (千葉工業大学)
    Web会議システムが普及する一方でWeb会議システムを利用した会話においてオンライン疲れ(Zoom疲れ)ともいわれるような心理的抵抗感が生じることがある.そこで,本研究では「初対面同士」の参加者グループによるオンラインコミュニケーションを想定し,「カメラ(顔映像)のオン/オフ」による対話・会話の質的変化と心理的抵抗感の違いを検討した.