研究分野別一覧

社会心理

  • OS07-1
    公募発表
    大石 真史 (筑波大学)
    大澤 博隆 (筑波大学)
    本研究では,人間とエージェントの相互作用での社会的比較の効果を評価するシステム構築を目的とした.社会的比較は,タイピング課題とアンケートで評価する.同化と対比を誘発する2条件とエージェントが人間より能力が高いか低いかを示す2条件を組み合わせた4条件を作成した.条件操作は,使用者に与えるエージェントの情報やエージェントとのチャット,タイピング課題時の能力値で操作する.GPT-2とチャットボットで自動化したシステムを構築することができた.
  • O1-2
    沼田 崇志 (株式会社日立製作所)
    工藤 泰幸 (株式会社日立製作所)
    加藤 猛 (京都大学)
    金子 迪大 (京都大学)
    野村 理朗 (京都大学 大学院教育学研究科)
    森口 佑介 (京都大学)
    嶺 竜治 (京都大学)
    パーソナリティ評価は,適切な仕事の支援やメンタルケアに有用である.しかし,紙媒体の質問紙調査は負担が大きい.本研究では,質問数を削減可能な評価法の開発に向け,質問への回答に加え,回答反応を取得可能なデジタル質問紙を開発した.パーソナリティと回答反応の関係を評価した結果,複数の有意な相関関係が見られ,パーソナリティの評価可能性を確認できた.今後,回答内容と回答反応を組み合わせた評価法の開発をめざす.
  • O2-2
    松田 憲 (北九州市立大学)
    高宗 加奈 (北九州市立大学)
    畔津 憲司 (北九州市立大学)
    有賀 敦紀 (広島大学)
    本研究は,商品の購入対象(自分用,友人用)と購入場所(近所のコンビニ,東京)の操作が選択のオーバーロード現象に及ぼす影響を検討することを目的とした.実験の結果,自分用より友人用の選択時に,さらには近所のコンビニの商品よりも東京で希少性の高い商品を購入する時に,選択肢数の増加によって選択への後悔が高まった.また,自分用では東京での購入時に選択のオーバーロードがより高まり,友人用の選択には購入場所による希少性の効果が見られなかった.
  • O4-1
    粟津 俊二 (実践女子大学教育学部)
    金谷 春佳 (実践女子大学)
    加藤 奈々 (実践女子大学)
    オンライン上での二次創作物への嗜好と、本人の恋愛観や恋愛経験の関係を調べた。二次創作物の嗜好は、自身の恋愛観や恋愛経験を反映していた。特に、非オタク、実在しない人物を好むオタク、実在人物を好むオタクで、恋愛の捉え方が大きく異なった。オンライン上での非現実的で馴染みのないコンテンツも、現実と同じ認知システムで処理されている。二次創作物の理解の身体性について、考察を試みた。
  • P1-07F
    横山 真衣 (帝京大学)
    小島 一晃 (帝京大学)
    山川 真由 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    本研究では,自己に対する評価のずれ,および,他者に対する評価のずれとBig Fiveとの関連を検討した.グループワークを行い,自己評価と他のメンバーに対する他者評価を測定した.分析の結果,自己を過大評価する人は過小評価する人より,外向性と開放性が高いことが示された.また,他者を過大評価する人は過小評価する人より調和性が高いことが示された.
  • P1-29F
    小笠原 香苗 (総合研究大学院大学)
    小池 耕彦 (総合研究大学院大学,生理学研究所)
    定藤 規弘 (総合研究大学院大学)
    プレッシャーが運動制御に影響を与えるメカニズムを明らかにするため,運動制御精度と,力みという意識下の身体状態を区別可能な実験系を考案し,両者にプレッシャーが与える影響を検討した.握力で車を制御する課題を用いた.参加者は,練習の後に,本番として,評価を受けるプレッシャー条件,評価のない対照条件をおこなった.実験の結果,運動制御と力の発揮はどちらもプレッシャーにより影響を受けるものの,影響の受け方が異なることが明らかとなった.
  • P1-34
    徐 キョウテツ (関西学院大学)
    長田 典子 (関西学院大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    人の顔を観察する際,観察者の眼球運動と性格特性間に相関があることは既に知られている.一方,逆の関係である眼球運動による性格特性の推定に関する研究はほとんど行われていない.本研究では,眼球運動の推移過程をモデル化することにより,眼球運動による観察者の性格特性の推定を試みた.その結果,Big-Five性格特性における協調性,外交性,開放性,神経質性と勤勉性の全てを隠れ状態数や着目部位への転移確率によって有意に推定可能であることが示された.
  • P1-44
    松林 翔太 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    下條 朝也 (名古屋大学 大学院情報学研究科 心理・認知科学専攻 博士課程)
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    歩行者とモビリティが同一空間を共有する歩車混在空間が実際の都市などに適用されている。本研究では歩車混在空間を模した実験室課題を開発し,どのような行動がより協調的であると捉えられるかについて検証を行なった。その結果,他者を妨げないようにし,自身の目的地への到着が遅れる行動に対して,より協調的であると知覚された。また評定者自身の過去の妨害経験が協調評定に影響することもまた示唆された。
  • P1-50F
    平田 瑞貴 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    問題を明確化したり新たに設定したりすることを問題構築と呼び,創造的問題解決場面において重要である.本研究では時間的解釈が問題構築に与える影響を検討する.実験では,プライミング課題によって時間的解釈を操作し,問題構築課題の成績を評価した.その結果,時間的解釈を近く誘導されると創造性スコアが高かった.また,時間的解釈の違いが,独創性スコアと品質スコアの間に異なる相関関係を生み出した.抽象的な解釈がよい問題構築に繋がる可能性を示唆している.
  • P1-62
    渡辺 謙仁 (放送大学)
    田邉 鉄 (北海道大学)
    「野火的活動」が一時的に燃え拡がる条件の分類を試みた.野火的活動は,(1)市場化できるかどうかも含めて様々な実験が行われている段階に活動がある場合,(2)市場規模が小さすぎ,営利企業にとって,大規模資本を投入して様々なサービスを提供し,完全に市場化する旨味がない場合,(3)倫理的な問題や権力関係から,健全で安定した市場を作れない場合,(4)中央集権的な活動がそもそも不可能な場合の4条件のいずれか一つ以上が成立する場合に燃え拡がるだろう.
  • P2-14
    世良 菜那見 (明治大学大学院 理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    我々は他者と関わりながら生活を営む上で「この運動は我々が引き起こしている」という共同運動主体感を感じることがある。本研究では、協調課題の1種である共同サイモン課題における共同運動主体感と2者の脳波同期の関係から共同運動主体感に関わる脳領域を調査した。その結果、δ波帯域における行為者の前頭前野と観察者の前頭前野や運動野に関連する脳波同期が共同運動主体感の生起に関わることが示された。
  • P2-43
    佐々木 美加 (明治大学商学部)
    本研究では芸術関連ボランティアの心理過程を測定する尺度の開発を試みた。美術館のボランティアと地域芸術祭のボランティアに対するインタビューの内容分析(佐々木,2020ab)を基に尺度項目を作成し,全国の美術館ボランティアと地域芸術祭ボランティアの参加経験者に対して調査を行った。分析の結果,「地域愛着・交流」「非日常的豊かさ」「人生の転機と創造性」の3因子構造が見出され,構造的妥当性が確認された。