研究分野

注意

  • P1-038A
    畑 美緒 (早稲田大学)
    加藤 麻樹 (早稲田大学人間科学学術院)
    三嶋 博之 (早稲田大学)
    観察者の移動から生じるGOFと対象の移動から生じるLOFが視覚的探索に与える影響について,実験1では一重のリング状のLOFを,実験2では球状のLOFを使用しLOFの肌理の違いの効果を検討した.また実験2でGOFの速度が変化する効果について検討した.その結果,一重のリング状のLOFはその輪郭あるいは外側に,球状のLOFはその輪郭に視線を誘導する可能性が示唆され,GOFの速度が上がると視覚探索の反応時間が長くなる可能性が示唆された.
  • P1-041A
    岩淵 汐音 (千葉大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    自閉スペクトラム症で見られる細部へのこだわりは,カテゴリー学習に対する自閉スペクトラム症の影響を説明しうる.本研究ではドットランダム図形とAQを用いて自閉スペクトラム特性,細部へのこだわりそれぞれとプロトタイプ推論が有効なカテゴリー学習課題における正答率の関係を検討した.自閉スペクトラム特性全体の強さよりも細部へのこだわりの強さのほうが,自閉スペクトラム特性によるカテゴリー学習への影響を説明しうる可能性があることが示唆された.
  • P1-047
    林 美都子 (北海道教育大学教育学部函館校)
    本研究では,「F」並びに「F」に頭部を添えた記号を作成し,大学生 71 名の協力を得て心的回転実験を行った。正答した項目に関する反応時間を,項目(F 文字・F 擬人化記号)×性別(男性・女性)×回転角度(0度から340度まで20度刻み)の三要因混合分散分析の結果,項目と性別間で交互作用が確認された。男性では統計的に有意な差はなかったが,女性では F 文字より F 擬人化記号の反応時間は短いことが有意傾向で示された。
  • P1-054
    山本 博暉 (静岡大学総合科学技術研究科)
    大本 義正 (静岡大学)
    ユーザーの周囲のランドマークを経路案内に組みこみ、行動変容を促さない非決定点においても逐次的に情報提示を行うことによって情報マッチングを行うインタラクションモデルを提案した。実験の結果、「情報整理」や「都市空間の把握」の項目で有意差がみられた。これより、提案手法がマップや音声案内から得られる情報を現実世界に対応付けることを容易にすると考えられ、地理的空間把握が助長され経路探索をスムーズに行えるようになる可能性が示唆された。
  • P1-056
    坂井 萌々子 (金沢工業大学)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学)
    本研究では,テレプレゼンスロボットの特徴である,動き回れる「身体」を持っていることが,コミュニケーション相手との社会的関係構築に与える影響を明らかにすることを目的とした.実験では,テレプレゼンスロボットまたはビデオ会議システムを用いた10分間の会話後に,会話相手の顔画像を手がかり刺激とした共同注意課題を実施した.その結果,共同注意課題における手がかりの効果は見られたが,デバイスによる違いはなかった.
  • P1-057A
    晴木 祐助 (北海道大学)
    金子 景 (北海道大学 文学部)
    小川 健二 (北海道大学 文学研究院)
    Interoception refers to the perceptions arising from the internal body's physiological processes. Researchers have suggested a gender difference in interoception, with women more likely to report somatic symptoms in association with mental disorders. This study examined gender differences in three aspects of interoception and individual tendencies regarding bodily feeling. Results showed no significant gender differences in perceptual accuracy, confidence, or metacognitive ability. However, women who strongly linked bodily sensations to emotions had reduced interoceptive metacognition, not seen in men. These findings empirically support women's vulnerability to impaired interoceptive metacognition related to bodily and emotional feelings.
  • P2-013
    横田 陽生 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    國部 雅大 (筑波大学)
    小井土 正亮 (筑波大学)
    本研究は,サッカーにおける認知的疲労についての 基礎的知見と,適切な測定指標に関する情報を得るこ とを目的として,単一事例により5週間,サッカーの試 合・練習前後様々なタイミングで5つの認知課題と疲 労に関する主観的評価を行った.その結果,特に抑制機 能と視空間ワーキングメモリーにおいてサッカーによ る認知的疲労の影響が見受けられ,その時間変化にも 複数の形態が示された.これらは,練習内容や主観的評 価との関連性もみられた.
  • P2-053
    児玉 謙太郎 (東京都立大学)
    友野 貴之 (札幌学院大学心理学部, 早稲田大学人間総合研究センター)
    本研究では身体性認知の考えに基づいて立位姿勢時に「どこに意識を向けるか」によって,姿勢動揺の複雑さが変わるかを探索的に調べた.特に,内的焦点化(身体に意識を向ける)について身体部位の違いや外的焦点化(環境に意識を向ける)について目の前の地面や障害物の存在,および,身体と環境の関係(アフォーダンス)の影響などを検討した.しかし,いずれの要因の影響も見られなかったため,先行研究の知見を踏まえ多角的に考察した.
  • P3-008A
    佐野 貴紀 (慶應義塾大学)
    本研究では,Vision Transformerを用いて顔の魅力を予測するモデルを構築した.構築したモデルのAttention機構を用いて,魅力の予測において重要な特徴を可視化した.その結果,魅力度の高い顔画像の場合に特に,目の領域が活性する傾向が見られた.この結果は心理学研究で報告されている知見と整合的であった.本アプローチは,顔魅力に関与する特徴の理解に有効であることが示唆された.
  • P3-018
    藤井 佑実子 (筑波大学図書館情報メディア系)
    森田 ひろみ (筑波大学図書館情報メディア系)
    携帯型情報端末の限られた画面に表示されたものの視覚情報処理は,全体視とは異なる特徴を持つ.本研究では心理学実験を用いて,小さな画面でのスクロール表示が画像内の物体位置の記憶の正確性に与える影響を明らかにすることを目的とした.実験の結果,スクロール表示では窓を通して観察することにより,また画像の絶対位置を移動して観察することにより物体位置の符号化及び遅延後記憶の正確性が低下することが示唆された.
  • P3-028A
    澤田 知恭 (筑波大学大学院 人間総合科学学術院 心理学学位プログラム)
    原田 悦子 (筑波大学)
    話者交替の際,次話者は自らの発話を,十分な情報が手に入った時点で計画し始めるとする早期仮説が提案されている。この場合,次話者にとって現話者の発話の聴取理解と,自らの発話計画による二重課題状況が頻繁に発生する。先行研究では若年成人を対象に,特定の言語構造に依存した操作を用いて仮説が検討されているため,本研究では,若年成人と高齢者を対象に,発話に含まれる情報の十分性を実験的に操作することで,次話者が発話を計画するタイミングについて検討した。
  • P3-038A
    友野 貴之 (札幌学院大学心理学部, 早稲田大学人間総合研究センター)
    栗原 勇人 (早稲田大学人間科学学術院)
    海見 康秀 (早稲田大学人間科学部)
    村野 良太 (早稲田大学人間科学学術院)
    加藤 麻樹 (早稲田大学人間科学学術院)
    自動運転車乗車時の間隙通過場面の動画とオンラインの質問紙を用いた実験を行い,車の車速が間隙の通過判断とその確信度に与える影響について検討した.その結果,間隙幅が車幅の1.6倍の場合,車の速度は間隙の通過可否判断に影響を与えることがわかった.また,間隙幅が車幅の1.9倍の場合は,1.6倍の場合よりも,間隙の通過可否判断に対する確信度が高くなることがわかった.一方で, 速度は通過可能と判断した際の確信度に影響を与えるとは言えなかった.
  • P3-045
    大森 隆司 (玉川大学)
    宮田 真宏 (武蔵野大学)
    山田 徹次 (玉川大学)
    倉見 昇一 (玉川大学)
    教室での授業の映像から生徒と教員の顔情報を抽出し,生徒の関心集中を導く教員の働き掛けや授業の質の評価手法を開発する.そのため,AIにて顔情報を抽出し,機械学習で個々の生徒の授業参加を推定した.この結果を踏まえ,今後の教室での授業の在り方を検討する.
  • P3-046A
    安久 絵里子 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    椎葉 黎 (筑波大学)
    渡部 健 (筑波大学)
    富田 智晶 (沖電気工業(株))
    赤津 裕子 (沖電気工業(株))
    マニュアルを見ながら同一あるいは類似の課題を複数回繰り返す実験室実験を行い,「慣れ」の生起の有無,および慣れによる作業者の行動の変化を検討した.その結果,同一の課題を繰り返すほど課題時間が減少し,主観評価が向上し,マニュアルを見なくなるという「慣れ」が確認された.一方で,類似の課題を繰り返し行う場合には,課題時間が減少し,マニュアルを見なくなるという慣れの影響が行動には現れたが,主観評価には反映されないことが示された.
  • P3-053
    高屋 真絵 (電気通信大学大学院)
    阪口 豊 (電気通信大学大学院)
    本稿では,技能習得課程における注意の働きを検討することを目的として「意識上の働き」を担う系と「意識下の働き」を担う系から構成される階層的な強化学習モデルについて議論する.ここでは,ヒトの運動制御の実態に即した議論を行うため,感覚入力や運動出力,内部表現,情報処理の時間スケール,転移学習などの問題も陽に取り扱い,概念レベルではなくアルゴリズムレベルでのモデル構築をめざす.また,倒立振子問題を題材とした具体的なモデルの実装についても述べる.
  • P3-054
    鶴島 彰 (セコム株式会社)
    宮野 修平 (セコム株式会社)
    指示方向を動的に変化させる動的避難誘導システム の有効性が議論されている.しかし,人間の避難者が 動的に指示方向を変える標識の指示通りに行動するか については明らかにされていない.本研究は VR 実験 を使って,指示方向を変化させる避難標識の下で被験 者がどのように行動するかを調査した.その結果,指 示方向の頻繁な変化が避難標識の信頼性を毀損し,被 験者が指示通りに行動しなくなることが明らかになっ た.