研究分野

自然言語処理

  • OS06-2
    公募発表
    村井 源 (はこだて未来大学)
    奥山 凌伍 (公立はこだて未来大学)
    富田 真生 (はこだて未来大学)
    保土沢 朋和 (はこだて未来大学)
    金刺 智哉 (はこだて未来大学)
    基盤モデルや生成系AIと呼ばれる大規模言語モデルによる物語自動生成では,文脈の矛盾や意味の破綻が生じやすく,また表現の詳細を制御できないという課題があった.本研究では,既存の作品から物語の展開や描写の構造を抽出し,従来の物語構造分析の手法と基盤モデルを組み合わせることで,物語の出力を制御する手法を提案した.また提案手法の技術的実現性を確認するため推理物語での会話を例としてケーススタディ的な分析及び自動生成を行った.
  • P1-015A
    前田 晃弘 (北陸先端科学技術大学院大学)
    鳥居 拓馬 (東京電機大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    単語分散表現は,そのベクトル演算が単語の類推関係に対応するなどの数理的な性質を示す.この性質は単語共起分布に由来するが,その数理的構造は未解明である.本研究は,二部グラフを用いる分析手法により,バイクリークと呼ばれる完全二部部分グラフが,単語ベクトル間の関係性を数理的に特徴付けるとともに,言語上の意味関係に対応することを示す.さらに共起関係が二項関係であることに起因して,単語共起分布に代数構造が現れる機序を明らかにする.
  • P1-016
    坂中 武蔵 (公立はこだて未来大学)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学)
    本研究では,なぞかけの特性と受け手の個人差がユーモア認知に与える影響について,なぞかけ生成システムにより意味構造に考慮して生成されたなぞかけを用いたアンケート調査により検証した.結果として,自閉症スペクトラム指数と神経症傾向は,なぞかけの前提とオチの関係が異なるなぞかけに対するユーモア認知に対して影響を及ぼすのに対し,外交性はなぞかけのオチの意外性(類似度)が異なるなぞかけに対するユーモア認知に影響することが示唆された.
  • P1-029
    太田 聖三郎 (早稲田大学)
    河原 大輔 (早稲田大学)
    野村 理朗 (京都大学大学院教育学研究科)
    川柳は日本の伝統文芸の一つである.詩や俳句に関する機械学習を用いた研究は散見されるが,川柳に関するものはない.本研究では,川柳を構成する要素を様々な指標に分解し,それらの予測を組み合わせることで,より高精度な川柳評価を予測する手法を提案する.川柳を使った事前学習モデルやクラウドソーシングを用いた川柳データセットを構築し,BERTのファインチューニング(パラメータの微調整)により川柳の評価を予測する.
  • P1-048
    山次 善太 (金沢工業大学)
    服部 一宏 (金沢工業大学)
    金野 武司 (金沢工業大学)
    本研究では人工知能が未学習の対象を正しく判断できるようにすることを人工知能にだけ任せるのではなく,人間の順応力を利用して対象を特定することのできるシステムを構築し,その効果を実験により検証することを目指した.結果,人工知能とのインタラクションの有用性を示すことはできなかった.この結果から,人間の順応力を人工知能が活用するためには,対象への名付けのプロセスを人工知能がたどることができるようになる必要があるという示唆を得た.
  • P1-060
    猪原 敬介 (北里大学一般教育部)
    上田 紋佳 (北九州市立大学文学部)
    人工文章ではない自然文章からの偶発的語彙学習を捉える方法論として,眼球運動測定と読了後の不意打ち語彙テストを用いたGodfroid et al. (2018) を参考として,日本語・縦書きにて実験を行った。その結果,先行研究の結果を再現し,さらに一般語彙力,内容理解,文章を楽しむことなどの主観的体験の質が語彙学習へ影響する可能性を示唆した。
  • P2-058
    佐々木 康佑 (静岡大学)
    西川 純平 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    人間の思考は身体動作と結びつく.この結びつきの詳細を明らかにするために,本研究では,単語分散表現から多次元の数量的意味を抽出する手法を提案する.本手法は,単語分散表現のベクトル空間に,大きさ/速さ/丸さの軸を定義し,その軸に基づいて単語のイメージを生成する.この提案手法を検証するオンライン調査を実施した.その結果,記号と数量の変換機構を持つ人工物の開発可能性が示唆された.
  • P3-015
    佐藤 央一 (公立はこだて未来大学大学院)
    村井 源 (はこだて未来大学)
    本研究は,指示文の読解を補助するアプリケーションを開発することを目的とした.読解困難性が高いと考えられる媒体を分析して読解困難性の原因を分類し,自然言語処理の手法を用いてそれぞれの原因を改善するアプリケーションを作成した.分析対象として,カードゲームのテキストを選択した.結果,特有の語彙の意味や関連語を表示することは読解補助に有効である可能性が示された.今後,本研究で着手しなかった別の読解困難性の原因について改善することを行いたい.
  • P3-029A
    岩城 史享 (東京電機大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    本研究の目的はPlutchikの感情の輪という感情モデルの妥当性を検討することである.実験により感情語順序対の類似性,連想性のデータを収集し,それぞれネットワークを作成した.まず,類似性に比べ連想性の方がより大域的であることを示した.そして,作成したネットワークの構造と元々の感情の輪を比較し,大部分の構造は等しいが,「恐れ」と「驚き」の位置関係が異なるという結果を得た.