キーワード索引

相互行為

  • P-1-50A
    大髙 愛 (札幌学院大学心理学部臨床心理学科)
    ティッシュ配りの路上観察から、受け手に複数の行為選択が可能な状況において物の受け渡しがどのように達成されるかを分析し、視線や身体を向けるタイミングの調整が受け渡しの成否に関与していることを明らかにした。受け渡しの達成は第一に受け手候補の特定、第二に差し出し行為と受け取り行為の成立を経て実現するが、これは会話における隣接対の形成に似た形で進行し、二者間でコミュニケーション状況が維持されることが重要であることが示唆された。
  • P-3-17A
    梅村 弥生 (千葉大学融合理工学府数学情報科学専攻)
    仕事の現場では,社員らが図面や作りかけの部品を指し示しながら話し合う場面を頻繁に見かける.彼らはコ系指示表現を用いて,指さしや視線を配分しながら,実際にはそこには存在しない「水の流れ」や「製造機の故障」等について話し合っている.本研究は,最近の指示詞研究の分類枠を参考にしながら,相互行為の視点から,そこに「存在しないもの」がどのようにして「存在するもの」として参与者間で共有されるのかを記述し,コ系指示詞を伴う指さしの可能性を考察する.
  • P-3-46A
    山本 敦 (早稲田大学人間科学学術院)
    牧野 遼作 (早稲田大学人間科学学術院)
    本発表では,心身重複障碍者とその母親との間で比較的スムーズに進行している日常的なコミュニケーションに着目し,障碍のために生じうる様々な困難にもかかわらずスムーズなコミュニケーションがいかにして達成されているか,振る舞いの意味の理解可能性がいかに構成されているかを,日常的な活動の構成に着目することで探索的に検討する.