日程 10月14日(月) 13:10 - 15:10

ポスター3 (P-3)

会場:福武ホールB1 ラーニングスタジオ
  • P-3-1
    菅生 大貴 (明治大学大学院 理工学研究科)
    都地 裕樹 (明治大学 研究・知財戦略機構)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    well-beingとは「個人や社会が経験するポジティブな状態のことである」と世界保健機構は定義している.これは,人生への幸福感や満足度など一人ひとりによって異なる主観的な評価であるため,客観的かつ定量的に評価することが困難である.本研究では急性の心理的ストレスに曝された時の自律神経系の活動として心電図を,中枢神経系の活動として脳波を計測することで,well-beingの客観的かつ定量的な指標を探索的に検討した.
  • P-3-2A
    松本 和紀 (東京電機大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    中村 紘子 (日本学術振興会, 東京電機大学)
    本研究では,条件文の発話者の性格や追加情報を提供する主体(人間またはAI)が,条件推論の抑制に与える影響をポライトネス理論に基づき検討した. 先行研究では,気難しい相手に対する曖昧な発言は,訂正を意図したものと解釈されやすく,推論が抑制されることが示されている.本研究では,AIによる曖昧な発言が推論に及ぼす影響を実験的に検討し,AIによる曖昧な発言は相手の性格によらず,人間の場合よりも推論の抑制がされにくいことを示した.
  • P-3-3A
    横須賀 天臣 (東京電機大学大学院)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    認知的満足化モデルは目的に応じた希求水準を満たすかにより、探索と活用のバランスを調整し、多腕バンディット問題において有効に働く。本研究では、4個の選択肢からなるベルヌーイ・バンディット問題における認知的満足化と Softmax による選択行動について、最尤推定によるパラメータのリカバリ性能を確認した。また、行動実験によるモデルの比較を行った。その結果、全モデルでパラメータのリカバリが確認され、データに適合する際の性質が明らかになった。
  • P-3-4
    上芝 智裕 (中京大学 工学部)
    宮田 義郎 (中京大学 工学部)
    カンブリアンゲーム(安斎,中村)に画像生成AIを使用したセッションの参加者は,AIが予想していなかった画像を生成したときに,より興味深いつながりを発見し,画像に新しい意味を見出し,世界に新たな可能性を発見し世界観が広がった.アートはテクノロジーによる創造的活動の抑制に抵抗してきたが,AIを含むテクノロジーを,便利なツールとして消費するのではなく,創造的活動のパートナーとして扱う必要があることを論じる.
  • P-3-5
    森 順平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    髙宗 楓 (北陸先端科学技術大学院大学)
    西本 一志 (北陸先端科学技術大学院大学)
    定性調査やユーザビリティテストで用いられているRetrospective Think-Aloud法には,十分な発話量が得られなかったり記憶の正確な想起が難しかったりするなどの問題がある.本研究ではこれらの問題を解決するために,Retrospective Think-Aloud法の実施時に提示するタスク遂行時の記録情報に誤情報を混入する方法を提案する.これにより,発話量の増加やより効果的な記憶の想起の実現を目指す.
  • P-3-6
    安永 大地 (金沢大学)
    前田 実香 (金沢大学人文学類卒業生)
    齋藤 五大 (東北大学)
    坂本 修一 (東北大学)
    髙橋 純一 (福島大学)
    本研究ではアファンタジアと非アファンタジアの文章読解の過程にどのような異同が観察されるかを整理するための実験が行われた.具体的には文章読解中の場面の転換に対してどのような情報処理を行っているかを群間で比較した.実験の結果,ファンタジアは場面転換の事実の整理だけを行っており,文章への没入の度合いが非アファンタジアよりも浅い読み方をしている可能性があることが示唆された.
  • P-3-7A
    飯田 愛結 (日本大学文理学部)
    長原 令旺 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    奥岡 耕平 (日本大学文理学部)
    福田 聡子 (日本大学文理学部)
    大森 隆司 (日本大学文理学部)
    中島 亮一 (京都大学)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    近年,発展が著しく進んでいる対話型生成AIは,言外の意味を扱うコミュニケーションにおいて,十分な性能を発揮できていない.我々は対話型生成AIと認知アーキテクチャを統合することで,ある3つのシチュエーションにおいて対話型生成AIが他者の意図を読むことができることを示してきた.本研究では,より多くのシチュエーションで提案手法を評価する.
  • P-3-8
    林 賢吾 (明治大学)
    小松 孝徳 (明治大学総合数理学部)
    山中 祥太 (LINEヤフー株式会社)
    コンピュータの処理時間におけるユーザの心理的負担を軽減するために、待機画面に表示するUI要素を変化させることで体感時間を操作する研究が行われている。しかし、先行研究の実験ではUI要素が実際に使用される環境における実験は行われていなかった。そこで本研究では、UI要素がページ遷移の間に表示されるウェブサイトを再現し、ユーザの体感時間への影響を調査した。その結果、UI要素を表示させる環境が異なると、体感時間も異なるということを明らかにした。
  • P-3-9A
    相馬 あい (関西学院大学大学院 理工学研究科 人間システム工学専攻)
    工藤 卓 (関西学院大学 工学部 知能・機械工学課程)
    我々が昨年に発表した結果では,自己位置感覚は視点位置と強い関係があることが示唆された.また,体外離脱体験に伴って「自己所有感及び自己主体感がある自己像」と「自己位置感覚がある場所」に意識が分離して感じている可能性が示唆された.また,従来研究で,擬似自己対象との同期が無くなると自己主体感が低下するとの研究結果があった.そのため,本研究では自己所有感と自己主体感を伴う自己像の視覚情報と自己の動作との同期と自己位置感覚との関係性を検証した.
  • P-3-10A
    髙橋 奈里 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    横坂 拓巳 (日本電信電話株式会社 NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    従来の身体所有感研究では, 自己と他人の身体に対する同期接触を扱うものが多かった. 本研究では,自己の左右の身体に対する同期接触によって,身体が接合したように感じる自己溶接錯覚の基礎的な誘発条件を検討した. また新たに, 主観評価だけでなく, 行動実験の指標においても, 自己溶接錯覚の効果を検証した. その結果, 接合感の生起にあたり, 同期接触が重要であることが明らかになった. また, 行動実験レベルで約4cmのドリフトが生起した.
  • P-3-11A
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    我々は,皮膚変形感を生起する透明スライムハンド錯覚において,実際には存在しない架空の皮膚を伸び縮みさせる動作のみを中止してもなお,錯覚が残る現象を発見した.本稿では,この錯覚残存効果が皮膚領域特有のものか,手全体の領域でも起こるのかを質問紙によって検証した.結果は触覚刺激を継続した状況で視覚刺激をキャンセルした時に限り,双方の部位に錯覚残存効果が作用することが示唆された.
  • P-3-12A
    下條 志厳 (立命館グローバル・イノベーション研究機構)
    王 凱 (立命館大学)
    木内 敬太 (独立行政法人労働者健康安全機構)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    現在,日本では高齢者の孤独が問題となりメンタルヘルス支援のシステム化が求められている.そこで,本研究ではVRを用いた会話エージェントによる解決志向アプローチの有効性を検討した.その結果,ポジティブ情動において改善がみられた.また,ネガティブ情動では,会話エージェントに対する印象における擬人化と知性の知覚との間に負の相関があった.VRを用いた会話エージェントによる解決志向アプローチの有用性と印象の重要性が示唆された.
  • P-3-13
    福田 大年 (札幌市立大学)
    本稿は,風景から動物を連想する「見立て観察」とその観察結果を他者に向けて表現する「仕立て作業」を組み合わせ開発したアイデア生成学習プログラム「まちなか動物園」の実践を解説する.まちなか動物園を複数回体験したデザイン初学者らの作品の特徴とその特徴の変化を概観し,デザイン初学者向け学習プログラムとしての可能性を考察した.その結果まちなか動物園は,既存の要素の収集と再構成の経験的な学習過程になる可能性が示唆された.
  • P-3-14
    佐藤 あかり (東京電機大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    中村 紘子 (日本学術振興会, 東京電機大学)
    現代社会において,陰謀論や疑似科学などの認識的に疑わしい信念の影響が問題視されている.先行研究では, BADE 課題を用い,妄想傾向が強く信念の更新が困難な者ほど, COVID-19 の陰謀論信念が強いことが示された.本研究では BADE 課題を用い,信念更新の困難さと一般的な陰謀論信念との関係を調査した.陰謀論信念の強さには被害妄想や科学的知識,認知的熟慮性といった要因に関係があるのか,疑似科学信念に対するこれらの影響も検討した.
  • P-3-15
    高橋 達二 (東京電機大学)
    不確実性の下の環境探索と適切な行動の学習に関し、従来は最も適切な (環境から得られる報酬を最大化) 行動の獲得が評価される。しかし実世界課題では多くの場合、単位を取る (60点以上獲得)、黒字化する (損益を0以上に) などの目標の達成との関係で行動が評価される。そこで、バンディット問題において目標設定理論の予測 (具体的で高い目標がパフォーマンスを向上させる) が正しいかどうかを検証する。結果は、目標設定理論を弱く支持した。
  • P-3-16
    長尾 颯大 (立命館大学人間科学研究科)
    安陪 梨沙 (立命館大学人間科学研究科)
    服部 雅史 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,単語対を手がかりとして呈示することのみで連鎖型連想の拡がりを示す指標である前向流動(FF)が変化するかを検討した.実験1では,自由連想を2回行うことによってFFが上昇したことが確認され,実験2では,単に2回連想を行う統制群より,意味的関連度の強い単語対を呈示した群でFFが低下することが示された.以上から,単語対の呈示によって人の創造性に介入できる可能性が示唆された.
  • P-3-17A
    梅村 弥生 (千葉大学融合理工学府数学情報科学専攻)
    仕事の現場では,社員らが図面や作りかけの部品を指し示しながら話し合う場面を頻繁に見かける.彼らはコ系指示表現を用いて,指さしや視線を配分しながら,実際にはそこには存在しない「水の流れ」や「製造機の故障」等について話し合っている.本研究は,最近の指示詞研究の分類枠を参考にしながら,相互行為の視点から,そこに「存在しないもの」がどのようにして「存在するもの」として参与者間で共有されるのかを記述し,コ系指示詞を伴う指さしの可能性を考察する.
  • P-3-19
    宮代 こずゑ (宇都宮大学共同教育学部)
    白戸 陽菜 (宇都宮大学卒業生)
    本研究は大学生を対象として,におい刺激の快-不快と,におい刺激を手掛かりとして想起された自伝的記憶の情動性の関連に焦点を当て,実験を行った.その結果,プルースト効果は見られなかったものの,5つのにおい刺激のうち,固形ハッカ,コーヒー豆,カレー粉,および制汗剤において,においがもたらす快感情が肯定的感情に関連した自伝的記憶の想起を引き起こしていたこと,すなわち気分一致効果の生起が示唆された.
  • P-3-20
    小宮山 晃央 (東海大学)
    中谷 裕教 (東海大学)
    幾何学図形を顔のように認識する現象をシミュラクラ現象,雲や花の模様を顔のように認識する現象を顔パレイドリアという.また顔パレイドリアの発現には被験者の性格特性が影響している可能性がある.従って本研究では,物体が規則的に配置されたシミュラクラ現象に着目し,3つの丸が配置された刺激を用いて実験を行い,シミュラクラ現象と性格特性との関係性を調べた.その結果,性格特性の中でも外向性がシミュラクラ現象の発現に影響を与えている可能性が示唆された.
  • P-3-22A
    澤田 和輝 (京都大学)
    石黒 千晶 (聖心女子大学)
    本研究では,科学博物館と美術館の2種のミュージアムで,メタ認知に焦点を当てたワークショップを企画し,参加者にどのような学びが生まれるかを検討した.その結果,参加者は自らの鑑賞を俯瞰し,その特徴や方法を理解し,鑑賞方法を制御する,いわば鑑賞のメタ認知を働かせ,多様な触発を経験していたことが示された.これらの結果は,複数のミュージアムを往還する経験が自らの鑑賞のあり方をメタ的に考える機会となり,触発を促す可能性を示唆している.
  • P-3-23A
    高田 亮介 (東京大学)
    升森 敦士 (東京大学)
    池上 高志 (東京大学)
    本研究では,初期状態やパラメータが同じ複数のLLMエージェントが仮想空間上を移動しながらコミュニケーションするシミュレーション実験を行った.実験の結果,同一のLLMエージェントであるにもかかわらず,エージェントの記憶や周囲へのメッセージ,行動パターン,性格が分化した.このことから,LLMエージェントの個性や性格は,エージェントが空間を移動することで生まれる集団の中でのインタラクションを通して創発し得ることが示唆された.
  • P-3-24
    大井 京 (近畿大学)
    酒井 亮太朗 (近畿大学)
    本研究は,他者存在によって生じる課題遂行量の促進と抑制,つまり社会的促進と抑制に,注意特性の個人差が影響するか否かを検討した.注意の制御を求めるストループ課題を,実験参加者が観察しない統制条件と,観察を実施する観察条件で実施した.また,注意特性を測定するため,日常的注意経験質問紙を用いた.ストループ課題の成績と日常的注意経験質問紙得点間での積率相関係数を算出したが,有意な相関係数は確認されなかった.
  • P-3-25
    渡邊 咲花 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    下條 志厳 (立命館グローバル・イノベーション研究機構)
    生理的反応以外にも認知機能や行動などに変化が生じることがあり,生理的な反応とされてきた変化が認知的要因であるスキーマの影響を受けている可能性がある.本実験では,継続的なスキーマの活性化のため,連続して摂取可能な刺激として嗅覚刺激を使い,スキーマの活性化が認知機能に影響を与えるのかを検討した.その結果,嗅覚刺激によって刺激への反応時間が減少した.本研究では,嗅覚刺激がスキーマを活性化させ,関連した行動や精神状態が生じる可能性を示唆した.
  • P-3-26
    川上 春佳 (明治大学大学院 先端数理科学研究科 先端メディアサイエンス専攻)
    小松 孝徳 (明治大学総合数理学部)
    気分とは、ある状況におけるその時の心の状態のことを指す。本調査では、気分が喚起される際に個人の性格がどのくらい関与しているのか検討を行うことを目的とした。POMS2、SUBIを用いて算出された気分状態とTIPI-Jで算出された性格特性の関係を調査し、性格で気分が決定されないことが明らかとなった。原因として、性格を構成する個々の要素が気分を決定するのではなく、性格を構成する要素の組み合わせが気分を決定しているからだと考えられた。
  • P-3-27
    川原 名見 (東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科)
    犬塚 美輪 (東京学芸大学)
    本研究では児童(n = 27)と書字指導者(n = 13)に分類課題とインタビューを実施し,文字の丁寧さの認識について分析した。分類課題では書字指導者と児童は一致した。インタビューでは,両者ともに丁寧さの判定に書字要素の「配列・配置」をよく使用していた。両者に有意な差がみられたのは「字形」であり,書字指導者は,画間の均整さなどをよく発語したが,児童は少なかった。書字要素の「字形」は児童には認知しづらいか記憶しづらい可能性が示唆された。
  • P-3-28
    堀野 康輔 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究ではVR曝露療法中の注意誘導が,プレゼン中の不安,スピーチ不安,社交不安に及ぼす影響について検討した.VR要因(あり対なし)と注意誘導要因(あり対なし)の2×2の参加者間計画で行った.結果,各指標について練習前後での変化量に条件間で差は見られなかった.練習中の不安の高さとプレゼン中の不安の減少量に正の相関が見られた.今後,スピーチ不安に対するVRETの効果の要因を明らかにするため,様々な練習環境や練習方法を比較検討する必要がある.
  • P-3-29
    大石 充希 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    近年,長期記憶において瞳孔反応が課題に依存することが確認されている.しかし,この課題依存性の原因である検索の違い(ボトムアップとトップダウン)に関する検討は十分でない.本研究では両検索を促すことができるfan課題に着目し,トップダウン検索における情報量の多さに対する瞳孔反応を検討した.結果として,情報量の多さに対する認知負荷により瞳孔が散大した.今後は,ボトムアップ検索で検討された瞳孔散大を本研究手法から調べていく.
  • P-3-30
    NAN XIAO (立命館大学人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    Banakouら(2018)の研究ではVR空間におけるアバターへの印象が内的動機付けや課題の成績に影響を与えることが示されている。プロテウス効果に関する研究では科学者アバターが主に使用されているが、高次の認知情報処理課題のパフォーマンスへどのように影響することが解明されていない。本研究ではアバターがハノイの塔課題に取り組む際の印象評価と内的動機付けへの影響を検討した。その結果、アバターへの印象評価に関係なく成績が向上することが示された。
  • P-3-31
    別莊 貴信 (龍谷大学大学院理工学研究科修士課程電子情報学専攻)
    小堀 聡 (龍谷大学先端理工学部電子情報通信課程)
    シルエット錯視においては女性ダンサーの回転方向(時計回りまたは反時計回り)が切り替わることがあるが,本研究ではその回転方向の切り替わりの回数に影響を与える要因として視線位置と視線移動に着目して実験を行った.その結果,視線固定よりも視線移動の方が切り替わりが起こりやすく,また,移動の向きも上向きよりも下向きの方が切り替わりが起こりやすいことが示された.
  • P-3-32
    松倉 悠 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    荻野 峻輔 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    坂本 真樹 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    本研究では,嗅覚識別能力を向上させるための手段の一つとして,直感的に感性の機微を表現可能なオノマトペに着目する.「ラベンダーよりもややスッキリした香り」や「ふわっとした印象が強いバラの香り」のように,細やかな香りの表現が可能になり,嗅覚感覚を向上させる効果があると期待される.本発表では,よく似ているが微妙に異なる香りを対象とし,オノマトペを用いることで香り識別能力が向上するか確認する実験を行った結果について報告する.
  • P-3-33
    櫻井 佑樹 (金沢工業大学大学院)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科)
    時間の知覚は,与えられた刺激に向けられる注意の量と課題の難易度に依存することがわかっている.これらの研究は,言語刺激で処理の抽象度を操作した研究が多い.本研究では,刺激の抽象度が異なる絵画を用いて,処理の抽象度が時間知覚に影響するかどうかを調べた.刺激として具象絵画と抽象絵画の両方を用い,絵画の鑑賞条件と解釈条件で実験を行った.その結果,予想に反して,鑑賞条件では再生時間が短くなることが示された.
  • P-3-34A
    佐々木 健矢 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    近年ではSNS (Social Networking Service)上におけるフェイクニュースの拡散や意見の分極化などが問題視されている.一つの原因として,小さな閉じた社会での意見の偏りが挙げられる.本研究では,これをローカルエコーチェンバーと呼び,その性質を理解するため,IBLT (Instance Base Learning Theory)に基づいて,ローカルエコーチェンバーの形成と,フェイクニュース拡散のシミュレーションを行う.
  • P-3-35
    川﨑 貴子 (法政大学)
    田中 邦佳 (法政大学)
    本研究では,ベトナム語を母語とする日本語L2学習者が日本語の歯擦音をどのように区別して発話するのか,音響分析により調査した.その結果,学習者はCoGとF2の一方,または両方を用いて日本語の歯擦音を区別することが分かった.また学習者は日本語の ɕ とベトナム語の ʂ の区別を行っており,その区別は学習者により異なり,CoGを用いる学習者とF2を用いる学習者,そして両方を用いる学習者いることが分かった.
  • P-3-36A
    市川 雄也 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻コミュニケーション科学研究室)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部理工学科情報システムデザイン学系)
    安田 哲也 (東京大学大学院総合文化研究科)
    現在,対面状況と共に遠隔対話ツールを利用する「ハイブリッド空間」の利用が一般化してきているが,こうした新たな空間における指示詞使用についてはあまり調べられていない.本実験では,対面状況とハイブリッド状況でそれぞれ家具が配置された部屋の図を再現する課題を参加者に行ってもらい,指示詞産出頻度を比較した.結果,対面状況では「こ系」指示詞が多く,ハイブリッド状況では「そ系」指示詞が多く使用された.
  • P-3-37
    市川 雅也 (静岡大学)
    竹内 勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究ではオンライン対話環境において創造的な議論を実践するための環境要因を探るために,複数の集団が互いにオンライン対話システムを介して接続していない/常時接続している/時間限定で接続している状況においてアイデア出しを課題とする実験を行った.その結果,常時接続している集団では問題解決に有用な発想の伝播が生じ,時間限定で接続していた条件では互いの案出偏向が類似する傾向がみられた.
  • P-3-38
    山本 博暉 (静岡大学)
    大本 義正 (静岡大学)
    熊崎 博一 (長崎大学)
    岩永 竜一郎† (長崎大学)
    今村 明 (長崎大学)
    清水日智 (長崎大学)
    寺田和憲 (岐阜大学)
    ASD高リスク児が手指微細調整運動を苦手とすることに着目し図形描画における時系列筆跡データからASD識別特徴量を抽出した。LSTMを用いて筆圧、ペンの傾き、速度などの時系列データから特徴量を抽出し、従来の検査結果を目的変数としてASD分類モデルを作成した。その結果、高い識別率を示した。ASD低リスク児との乖離度をDTW距離を利用して表現することで、ASD高リスク児を識別することが可能であることが示唆された。
  • P-3-39A
    鎌田 昂明 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部理工学科情報システムデザイン学系)
    安田 哲也 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では,集中線が球の運動速度の予測に与える影響,加えて,集中線が示唆する方向と球の方向の差による影響の差を調べた.参加者は刺激を見て,絵に描かれた球の運動速度を予測し,球が障害物にぶつかるまでの時間をボタン押しにより答えた.結果として,集中線が付加された場合に運動速度が速く知覚されること,集中線が示唆する方向と物体の運動方向が一致する場合はより速く知覚されることが示唆された.
  • P-3-40A
    西畑 千哲 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部理工学科情報システムデザイン学系)
    安田 哲也 (東京大学大学院総合文化研究科)
    大規模言語モデル(LLM) がどのような含意推論を出力するかについて調べた.利用したLLMはのGPT-3.5(OpenAI)であった.このGPTに実験参加者としての役割を与え,含意推定に関するタスクを行った.Nishihata et al.(2023)の人間データと比較した結果,GPTでは人間とは異なり,コミュニケーション相手によって含意推論を変えない場合が多い可能性と,文脈が交絡した場合,文脈情報を利用しない可能性が示された.
  • P-3-41
    黒田 航 (杏林大学医学部)
    Hierarchical Dirichlet Process (HDP) is a non-parametric version of Latent Dirichlet Allocation (LDA). HDP was used for unsupervised extraction of 1) constitutive patterns of English words (either in spelling or pronunciation) and 2) associative patterns between spellings and pronunciations in such a setting that words are “documents” and their character n-grams are “terms”, with distinction between continuous “regular” n-grams and discontinuous “skippy” n-grams. Results suggest regular n-grams allow extraction of morphemes, whereas skippy n-grams allow extraction of abstract patterns that rather capture rules of word-formation. The proposed method is language-independent, and therefore is applicable to any language in unsupervised manner.
  • P-3-42A
    新堀 耕平 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    個々の人間には固有の記憶の傾向があり,日常生活において様々なエラーを引き起こす.本研究では,エラーを引き起こす特定の個人属性や感情状態を表現するモデルパラメータを,データから推定する手法を検討する.モデルパラメータの推定手法には複数のものが存在する.本論文では,ACT-Rのパラメータを推定する手法として,勾配法に基づくものと最尤法に基づくものを比較し,両者の差異を比較検討する.
  • P-3-43A
    原野 瑞希 (東京大学大学院教育学研究科)
    中野 優子 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田 猛 (東京大学)
    髙木 紀久子 (東京大学大学院総合文化研究科)
    近年,社会問題に関するSTEAM教育が多く実践されているが,一方で実践の枠組みは十分明確になっていない.本研究ではこうした実践で重視される想像と問題の自分ごと化がアートの創造活動によって促進されると考え検討を行った.実践の結果,環境問題における多様な利害関係者の視点や自然に対する人間活動の複雑な影響への注目, 自己の身体や感情に焦点を当てて思考することの有効性の認識, 創造的自己効力感の向上と創造性不安の軽減が見られた.
  • P-3-44
    小林 海生 (静岡大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    本研究では映像によって「共食」を再現することの効果を検討した.24人に対して他者の食事場面の録画映像と「共食」を行った研究1では,被験者のおいしさに対する評価は向上しなかった.これを踏まえて研究2では,他者と交流した後に食事の様子を中継して「共食」を行う実験を16名に行った結果,孤食時と共食時で味に対する評価が異なる傾向が示された.今後は残り8名への実験結果も踏まえて考察を行う予定である.
  • P-3-45A
    瀬島 章仁 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部理工学科情報システムデザイン学系)
    安田 哲也 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究は,ニュース映像でアナウンサーを務めるアバターの口の動きと顔の向きが,視聴者に与える印象やニュース内容の認知に及ぼす効果を調べた.異なる4つの条件でアバターが映った刺激動画が提示され,理解度と好感度に関する質問紙調査を行った.結果,アバターの口の動きがある場合,参加者は動画をより理解したと考えやすかった.さらに,アバターの顔方向がニュース映像の方に動くと,参加者はアバターにより注意を向けていた.
  • P-3-46A
    山本 敦 (早稲田大学人間科学学術院)
    牧野 遼作 (早稲田大学人間科学学術院)
    本発表では,心身重複障碍者とその母親との間で比較的スムーズに進行している日常的なコミュニケーションに着目し,障碍のために生じうる様々な困難にもかかわらずスムーズなコミュニケーションがいかにして達成されているか,振る舞いの意味の理解可能性がいかに構成されているかを,日常的な活動の構成に着目することで探索的に検討する.
  • P-3-47
    金津 達也 (九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
    吉田 香 (九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
    古川 徹生 (九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
    本研究におけるセレンディピティとは,予期せぬ情報を通じた新たな視点や世界の発見である.本研究では,このセレンディピティを促す情報探索システムを提案する.本システムは,内包的検索と外延的探索の組み合わせとユーザーによる積極的な探索によって,新たな情報に出会う環境を提供する.内包的検索では特定の条件を指定し,外延的探索では直感的に情報を探索する.2つの探索手段の交互利用によって,セレンディピティの促進を目指す.
  • P-3-48A
    木村 慧一 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    川合 伸幸 (名古屋大学大学院 情報学研究科 心理・認知科学専攻, 中部大学 創発学術院, 科学技術振興機構 CREST)
    手袋の着用は,嫌悪を感じさせる対象の直接接触を防ぐ.本研究では,手袋の着用によって,嫌悪画像を見ているときの主観的な嫌悪感や脳波でみられる情動処理が低減するかどうかを検討した.その結果,手袋の着用では主観的な嫌悪感や視覚野から観測される情動処理は低減しないことが示された.その後の予備実験から手袋の着用は,嫌悪画像を見ることではなく,触れることに対する嫌悪感を低減させる可能性が示された.
  • P-3-49A
    箕輪 朗 (北陸先端科学技術大学院大学)
    橋本 敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    関連性理論によると発話解釈に認知効果と心的労力が影響を及ぼすとされる。本研究ではこの2つが発話の意図解釈にどう影響するかを実証的に示すことを目的とする。認知効果と心的労力の程度を3段階に調整した会話テキストを実験参加者に提示し、解釈などの反応の違いを分析する。最適関連性の理論では、発話解釈の際に労力最小の道を辿りながら認知効果を最大化するとされ、心的労力が解釈に大きな影響を与えることが予想される。
  • P-3-50
    清水 知恵 (福岡教育大学)
    門脇 弘樹 (福岡教育大学)
    鈴木 純 (宮城教育大学)
    白澤 舞 (長野県立大学)
    中村 貴志 (福岡教育大学)
    舞踊の動きの特徴の一つである全身を滑らかに連動させる動かし方に,身体調整法の動き方を加え,ストレッチや,ポーズやフォームのあるヨーガ等の動きとも異なる,「全身連動性ムーブメント・アプローチ」を作成し適用を試みた.介入前後で空間内移動範囲が拡大し動きの自由度が高まった事や,動感に高まりが生じ,身体的に強張りが取れゆるみを確保できた事で,演者のパフォーマンスは向上し,空間表現が楽に出来るようになったことが示唆された.
  • P-3-51A
    澤田 知恭 (筑波大学大学院心理学学位プログラム)
    原田 悦子 (筑波大学,株式会社イデアラボ)
    近年,会話中で発話する直前に,相手発話の聴取理解と自らの発話計画による二重課題が発生することが報告されている。また,高齢者は一般に二重課題が困難であること,発話にエラーが多いことが知られている。そこで,本研究では,会話中に発生する二重課題が,高齢者の発話エラーの発生に関連するか検討した。その結果,会話中に二重課題が発生する条件において,高齢者の発話エラー発生率は増加した一方,若年成人の発話エラー発生率は増加しないことが明らかになった。
  • P-3-52
    鳥居 拓馬 (東京電機大学)
    浅井 千弦 (東京電機大学)
    人間が幾何学図形のうごきから意図・計画の変化を検出できるかを心理学実験により明らかにする.被験者はひとつの幾何学図形の平面的なうごきを動画で提示される.主役の図形のうごきの印象に関して「ぎこちなさ」など4項目に7段階評価で回答した.意図変化ありの動画では,意図変化なしの動画に比べて「ぎこちなさ」の評価が有意に高かった.人間がうごきのみからでも意図の変化を検出できることを示唆する.
  • P-3-53A
    近藤 亘 (北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科)
    藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科)
    本研究ではVR環境でのスピーチ練習において,発表者の発表直前の緊張がVR聴衆の人数の違いにより変動するか,調査した.VR空間に作成したVR会場に聴衆がいない条件(A群)と満員条件(B群)を比較し,主観的評価・生理的評価(血圧・脈拍・瞳孔)で緊張の変動を確かめた.結果として,・主観的評価・最高血圧・脈拍の増減率がA群よりB群の方が大きく変化していることが確認された.しかし,瞳孔に対してはB群での拡大が見られなかった.
  • P-3-54
    長原 令旺 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    他者モデルは,他者の心的状態や行動を予測するためのモデルである.他者モデルは「平均他者モデル」「典型他者モデル」「個別他者モデル」の3種類に段階別に分類できる.平均他者モデルは一般的な行動パターンを捉える基礎であり,典型他者モデルは性格ごとに分類されて高い予測精度を持つ.個別他者モデルは特定の個人に基づき,最も精度が高い.本論文では典型他者モデルを4つに細分化し,それらの特性について議論した.
  • P-3-55
    瀬田 稀介 (静岡大学)
    大本 義正 (静岡大学)
    熊崎 博一 (長崎大学)
    岩永 竜一郎† (長崎大学)
    今村 明 (長崎大学)
    清水 日智 (岐阜大学)
    寺田和憲 (岐阜大学)
    現在のASDスクリーニングは定性的なデータだけに基づいて判断しているため、効率性に限界があると指摘されている。そこで本論文では、定量的データを用いて定性的基準に基づいた診断結果を予測する方法を提案する。結果として、「片足立ち」という限定的な状況において、本論文で作成した特徴量が先行研究で挙げられた特徴量より効果的である事が分かった。最後に、なぜこのような結果になったのかを議論し、今後の展望について述べる。
  • P-3-56
    山森 良枝 (同志社大学)
    本稿では、モーダルな背景を持つ発話文が談話とその参与者の共有知識の構築にどのように関わるのかという問題を(命題の真理条件ではなく前提となる世界を否定する)メタ言語否定を通して検討する。具体的には、肯否疑問文の応答文における(メタ言語)否定へのアクセスが質問対象命題の帰属可能な世界が単一か否かという論理特性に依存することを手掛かりに、文と談話/共有知識の相互作用の実態の一端を示す。
  • P-3-57
    小島 隆次 (滋賀医科大学)
    本研究では、地図を参照しながら経路指示を受けて経路探索をする際の効果要因として、当事者間(指示者・被指示者)の空間参照枠、地図の向き、地図上の建物等の表記の向きの3つに着目し、ぞれぞれの要因の効果を経路指示の理解とわかりやすさを指標にして検討した。その結果、これら3つの要因は、経路指示の理解には必ずしも影響しないが、経路指示のわかりやすさには影響することが示唆された。
  • P-3-58
    時田 みどり (目白大学)
    平均表情抽出の精度とバイアスの個人差について,ポジティブ表情とネガティブ表情の2タイプと,識別精度,自閉スペクトラム症傾向,評価不安傾向との関連性を検討した.結果から,ポジティブ表情とネガティブ表情の平均表情抽出精度に正の相関が示された.一方,表情の識別精度と平均表情抽出の成績との関連は,ポジティブ表情でのみ認められた.心理的特性と平均表情抽出の成績とには.明確な関連性は示されなかった.
  • P-3-59
    犬童 健良 (関東学園大学経済学部)
    記号表現は言葉や記号で考えを表明するが,その表された意味と相互作用する場として捉えられる.記号表現により思考は文脈から切り離され,自律的なエージェントとして分散する.そのため心内エージェンシーは免疫ネットワークとしての自己決定性と自己言及性を有する.一方記号表現の自壊はその非凸性を意味する.本研究は認知的領域の非凸性を阻止する耐戦略的メカニズムについて論じる.また阻止条件を用いて認知的領域を生成する実験について報告する.
  • P-3-60
    安陪 梨沙 (立命館大学人間科学研究科)
    服部 雅史 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,特定のカテゴリに属するものを答える事例課題,一つの単語に関係する単語を列挙する放射状連想,連鎖的に単語をつなげる連鎖連想を使用し,実験前に連想を行うことが,後の概念合成課題の成績に影響するかを比較検討した.結果から,有意ではないものの,独創性得点において連鎖連想が関連度の低い単語対の概念合成を促すこと,カテゴリの切り替えを促すことで関連度の高い単語対の概念合成が促される傾向が示された.
  • P-3-61
    原田 悦子 (筑波大学,株式会社イデアラボ)
    安久 絵里子 (筑波大学)
    蚊取線香を対象としたユーザビリティテストを実施した処,若年成人において顕著な課題遂行の失敗,課題遂行時間の長延化,説明書への依存,怖がり反応など,これまで高齢者層における情報機器との相互作用に特異的と考えられていたものと類似した反応が観察された.高齢者層にとっての「情報」,若年成人にとっての「火,物理的操作」という極めて基盤的知識が,人の外界との相互作用において持つ意味・機能について考察を深める.
  • P-3-62
    Gabriel Rusk (中京大学)
    義郎 宮田 (中京大学)
    浅川 仁都 (中京大学)
    In 2022, Miyata Seminar students started a compost project in Toyota City, involving collaboration with the University Co-op Cafeteria, local citizens and groups in Toyota City, Japan. Our goal was to get more people involved in composting their food waste at work and home. This study will illustrate the various interests surrounding composting and analyze what values lead citizens and groups to become involved with compost. The mindsets around food waste, and the contents of food waste, differ between businesses and households. These differences affect the values each of these groups assigned to food, food waste, and compost. This study will analyze the mechanisms and motivations necessary to sustain composting efforts.
  • P-3-63
    浅川 仁都 (中京大学)
    宮田 義郎 (中京大学 工学部)
    これまで私たちは、廃棄食材堆肥化を中心に、食資源の循環につながる取り組みをおこない、様々な立場の人々とコラボレーションしてきた。これらの活動が持つ意味を、『よりよい世界のためのデザイン』(Norman.2023)で取り上げられているキーワード、経路依存、アフォーダンスを中心に考察した。その結果、生態的経路という同じ経路の共有によって、それぞれの抱える想いを実現するというアフォーダンスの認識につながっていることがわかった。
  • P-3-64
    前東 晃礼 (静岡大学)
    久保 賢太 (マツダ株式会社)
    近年AIを搭載した人工物が普及し,人間の日常生活を支える基盤になってきている.本研究では,人間に心地よさや安心感を与える和のおもてなしの所作を,人工物に行わせることを目指して,茶道のエキスパートの動作特徴の抽出を行った.その結果,エキスパートは,各動きの速度がノービスよりも速く,円滑に一連の動作を行うことが明らかとなった.さらに,その各動作の動き始め直後と,動き終わり直前には,緩やかな動きが行われることが示された.
  • P-3-65
    井田 浩之 (城西大学)
    横山 詔一 (国立国語研究所(名誉教授))
    オープンサイエンス時代の到来により学術コミュニケーションに変化が生じ,アカデミックライティングも変容が迫られている.本研究では,オープンサイエンスに積極的に取り組んできた研究者が経験した内容に注目しつつ,アカデミックライティングが今後どのような役割を担っていくのかについて論じる.
  • P-3-66
    胡 春霞 (関西学院大学大学院)
    中野 陽子 (関西学院大学)
    文処理において,ヘッド(H, 動詞)とヘッドと結びつくべき項(target, T)とtargetと類似する項(attractor, A)があるとき,ヘッドが誤ってattractorと結びつく現象がある.時間制限のある容認性判断課題では促進性干渉効果が見られる.また,語順がTAHの方がATHよりも大きな促進性干渉効果が予測される.日本語の謙譲表現を含む文で検証したところ,語順がTAHの方がATHよりも大きな促進性干渉効果が見られた.