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視覚・聴覚・音声

  • O2-2
    長井志江 (大阪大学)
    秦世博 (大阪大学)
    熊谷晋一郎 (東京大学)
    綾屋紗月 (東京大学)
    浅田稔 (大阪大学)
    本研究では,ASDの特異な知覚の発生過程を計算論的アプローチから解明することを目的とする.特異な症状が現れる知覚として視覚に注目し,コントラストの強調や不鮮明化,砂嵐状のノイズといった視覚過敏・鈍麻が,環境からのどのような視聴覚刺激によって引き起こされるのかを,構成的手法を導入した認知心理実験によって明らかにする.さらに実験結果をモデル化することで,ASDの視覚世界を再現するヘッドマウントディスプレイ型知覚体験シミュレータを開発する.
  • O2-4
    中田龍三郎 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)
     本研究は鏡を見ながら食事すると単に孤食するよりも食品をよりおいしく感じることを初めて報告する。この結果は従来考えられてきた気分(ムード)以外の要因も共食によるおいしさの向上に関係していることを示唆するものであった。さらに大学生でも高齢者でも年齢に関係なく鏡を見るとおいしさの認知は向上した。高齢化が急速に進む日本では高齢者の孤食が社会問題化している。本研究から孤食の問題に対処するうえで有用な高齢者の食認知に関する知見が得られた。
  • OS05-2
    樋田浩一 (明治大学大学院/JST CREST)
    上野佳奈子 (明治大学/JST CREST)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    自己を認識する上で、身体運動とそれに伴う感覚フィードバック間の時間的整合性が重要である.本研究では,身体運動に伴う聴覚フィードバックに複数の遅延を挿入し,遅延検出に伴う事象関連電位(N300)と自己主体感(agency)の関係について検討した.実験の結果,遅延が大きくなるに従い主体感が低下し,N300成分の振幅が大きくなる相関関係がみられることが示された.このことからN300成分は,自己主体感の生理指標として有効である可能性が示された.
  • OS05-3
    辻田匡葵 (千葉大学融合科学研究科)
    一川誠 (千葉大学文学部)
    能動的な身体運動に対して視覚的フィードバックが遅れて提示される状態が持続すると,身体運動-視覚間の時間順序知覚が順応的に変化する。本研究では,身体運動-視覚間時間再較正が視覚的フィードバックの遅延に気付いていなくても生じるのか検討した。実験の結果,遅延に気付いた実験参加者においてのみ時間再較正が生じた。この結果は,身体運動-視覚間時間再較正の成立には高次の認知過程が重要な役割を果たしていることを示唆している。
  • OS05-4
    田中章浩 (東京女子大学)
    井上照沙 (東京女子大学(現所属:東京大学))
    「行為を自分でおこなっている」という感覚である自己主体感は、予測可能性が高いときに強く、行為結果がネガティブなときに弱い。本研究では、ネガティブな予測を高めればネガティブ事象に対する自己主体感はむしろ強まるとの仮説を立て、実験的に検証した。実験の結果、ネガティブ声での自己主体感が強く、ネガティブ声割合が高いとさらに強くなる傾向が認められた。個人差を検討した結果、統合失調症傾向が高いほどポジティブ声での自己主体感が強まる傾向があった。
  • OS10-3
    森下美和 (神戸学院大学)
    原田康也 (早稲田大学)
    著者たちのこれまでの調査で,日本人英語学習者はその習熟度によらず,wh 疑問文の統語構造についての知識が乏しく,また運用に結びつく訓練を受けていてないため,特に音声産出において大きな困難を伴うことが分かっている.本調査では,習熟度の異なる大学生に対して,授業内で平叙文・疑問文の再生または(平叙文からwh 疑問文への)転換を繰り返す練習を行い,その効果を分析・検討した.
  • OS13-6
    高橋英之 (大阪大学 / CiNet)
    伴碧 (同志社大学 / 大阪大学)
    守田知代 (大阪大学 / CiNet)
    内藤栄一 (CiNet)
    浅田稔 (大阪大学)
    様々な宗教行事において,楽器や体の動きなどによる集団のリズムシンクロがみられる.このように集団シンクロは我々の文化と密接に結びついている一方で,リズムシンクロがどのような心理的作用を個人にもたらすのかについては,まだわからない点が多い.本研究では,このような集団のリズムシンクロがパレイドリア錯覚(無意味な刺激の中に生き物を見出す現象)を促進するという我々が発見した行動実験とfMRI実験の知見を紹介したい.
  • P1-24
    鈴木陽介 (東京電機大学大学院 理工学研究科 情報学専攻)
    明地洋典 (日本学術振興会 海外特別研究員 (タンペレ大学))
    安田哲也 (十文字学園女子大学 人間生活学部 人間発達心理学科)
    小林春美 (東京電機大学理工学部 情報システムデザイン学系)
    適切かつ効率的で社会的なコミュニケーションの実現には、進行中の指示対象をお互いに確認することが必要であり、指示詞はそれにおいて重要な役割を果たしている。指示詞は全ての言語に存在し、物理的距離はその理解及び使用に関して顕著な特徴を示す。しかし、指示詞の実際的な使用を決定するのは物理的距離ではなく、到達可能性である可能性が考えられる。そこで、我々は対象物から指先までの物理的距離を正確に統制し、到達可能性の指示詞使用への影響を調査した。
  • P1-25
    速水慎太朗 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    森田純哉 (名古屋大学未来社会創造機構)
    平山高嗣 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    間瀬健二 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山田和範 (パナソニック株式会社)
    本研究では,なつかしさを感じさせることで活動意欲を引き出させ心理的な健康を促進させることが目的としており,なつかしさを感じさせるために,写真の提示を行う. 本研究ではなつかしさを引き起こす要因に記憶と興味の強さが関係していると仮定し,脳波からこれらの要素の強さを推定するために相関を調べた.結果として,興味の強さではβ波との関係性の強さが確認でき,記憶の強さではγ波との関係性の強さが確認できた.
  • P1-26
    中村暢佑 (東京工業大学大学院 総合理工学研究科)
    麦谷綾子 (日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    渡邊淳司 (1.東京工業大学大学院 総合理工学研究科 2.日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    私たちは、聴覚的(音声)もしくは視覚的(文字)に言語情報を処理する。このとき、聴覚的な言語処理において音韻処理が行われることは明らかであるが、視覚的な言語処理においても、文字等の形態分析から意味を理解するだけでなく、その文字の音韻処理が半自動的に行われることが示されている。そこで本研究では、聴覚的・視覚的言語情報の音韻処理によって生じるそれぞれの音韻表象が同じ性質を示すものであるのかを検討した。
  • P1-27
    定延利之 (神戸大学)
    杜思宇 (神戸大学院生)
    驚いてつっかえる場合,その形式は「マ、マケドニア」のような途切れ型・語頭戻り方式になりやすい。本発表は,このように話し手の態度を漏らすつっかえ発話の「雄弁」性が,語音やアクセントを正しく実現できるという話し手のスキルを前提としていることを示す.つっかえ発話の意味は話し手の能力を見て解釈される.発話が話し手から独立していない点で,「雄弁」な非流ちょう性は「通常」の文法とは違ったあり方をしている.
  • P1-28
    太田垣歩 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    会話から昼夜のサイクルへの適応にいたるまで,外部イベントのタイミングに対して行動を調整することは,日々の活動において重要な位置を占めている.本研究では,人々がエスカレーターに乗る際に,どのようにタイミング制御を行っているかを理解することを目的としている.エスカレーターに乗る場面における人々の行動を2種類の異なる速さのエスカレーターで観察したところ,着地に至る3歩の滞空時間や,接地タイミングにばらつきが見られた.
  • P1-30
    桃川智行 (明治大学/JST CREST)
    富澤創 (明治大学/JST CREST)
    樋田浩一 (明治大学大学院/JST CREST)
    上野佳奈子 (明治大学/JST CREST)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    外界の事象を知覚処理する上で,事象に伴う感覚刺激の時間的整合性は極めて重要である.そこで,本研究では,周期的に呈示される聴覚刺激列中に遅延を挿入した際の脳波計測から,遅延検出の知覚特性を検討した.実験の結果,挿入する遅延が大きくなるに従い,事象関連電位(N300成分)の振幅が増大し,更に,遅延の検出回数と相関関係がみられた.このことから,N300成分は聴覚刺激列中の遅延を検出する神経活動を反映した成分である可能性が示された.
  • P1-35
    徐貺哲 (千葉大学人文社会科学研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    本研究で注目したのは対人印象と顔全体かあるいは顔部分(顔のパーツ)との関連性である。特に、顔の印象形成には、目や鼻など、顔を部分的に着目するのか、それとも顔を総合的に観察するのか眼球運動を基に定量的に検証することを本研究の目的とした。
  • P2-17
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校)
    臼木大翔 (福島工業高等専門学校)
    鈴木直也 (福島工業高等専門学校)
    久野裕哉 (福島工業高等専門学校)
    「ドット平面」(一辺0.5[cm]程度の正方形を制御し配置した平面)を「縦格子面」(幅0.2[cm]程度の帯を縦に規則的に配置した平面)を通して,数10[cm]離れて両眼視すると,帯状立体が知覚される錯視現象が起こる.h(縦格子面-ドット平面間距離)を変化させると,立体錯視が生起したりしなかったりする.本研究ではhの変化による観察者の帯状立体知覚データと計算機シミュレーション結果の距離(誤差)を計量する方法を提案し実際に計量した.
  • P2-18
    山崎治 (千葉工業大学情報科学部)
    小嶌直樹 (インクリメントP株式会社)
    本研究では、避難時誘導を想定し,サイン音の反響や残響によって方向判断の迷いがどのように表れるのかを明らかにしていく.そこで,仮想的な地下街空間に対して音響シミュレーションを行い,主要地点におけるサイン音の聴こえを再現した実験環境である「地下街シミュレータ(Sound Maze)」を構築し,サイン音の音源探索課題を実施した.結果,サイン音の音源位置を変えることで,迷いやすい位置が変化することが観察された.
  • P2-19
    長井りら (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    ピアノ譜は2段構成である複雑さ故に、注意を向ける対象は多数ある。本研究では、熟達者の練習過程における読譜視線に着目し、視線の変化や視線と曲の構造との関係性について明らかにすることが目的である。視線がより予期的になること、停留時間が長くなること、共通のポイントで眼が楽譜に近寄ると共に眼と楽譜の距離の変動が大きくなることが明らかになった。これら3つの結果は相互関係によって起こると考えられる。
  • P2-20
    川﨑貴子 (法政大学)
    マシューズジョン (中央大学)
    田中邦佳 (法政大学(非常勤))
    本研究では 1)音韻習得が進むと音響手がかりの利用に変化が見られるか, 2) L2音の音素弁別に必要な手がかりに注意を払い, 必要でない手がかりを抑制するようになるのか調査した. 調査の結果, 音韻習得が進んだ群は/s /と/θ/の差をより大きく評価し, /f/を含む同一語の話者間の違いは小さく評価した. JLEにとって習得が容易な/f/では抑制が起こり, /θ/の習得ではカテゴリ形成の音響手がかりを模索している段階だと考えられる.
  • P2-21
    髙橋麻衣子 (日本学術振興会/東京女子大学)
    田中章浩 (東京女子大学)
    本研究は,説明的文章を視聴覚提示する際に理解に最適な提示方法を検討することを目的としたものである。実験1では文章を視覚先行,聴覚先行,視聴覚同時のタイミングで提示し,理解成績を比較した。それに加えて実験2では視覚情報に,実験3では聴覚情報に参加者の注意を方向づけて文章理解の成績を比較した。3つの実験の結果,視覚情報を聴覚情報に先行して提示し,かつ視覚情報に意識的に注意を向けることで理解が促進されることが示された。
  • P3-25
    益岡都萌 (岡山大学大学院教育学研究科)
    西山めぐみ (名古屋大学大学院環境学研究科)
    寺澤孝文 (岡山大学大学院教育学研究科)
    変化前の情報の事前学習によりその後の変化検出課題において変化検出率が向上することが示されたNishiyama & Kawaguchi(2014)の実験手続きを用いて,結果の再現性を検討した(実験1).また事前学習から変化検出課題までに1ヵ月のインターバルを設け,視覚的記憶の長期持続性と変化検出率への影響を検討した(実験2).結果,実験1の再認テストにおいて事前学習の効果が見られる可能性が示された.
  • P3-26
    正田真利恵 ((株)ニコン映像事業部)
    岩根透 ((株)ニコン映像事業部)
    新美亮輔 (東京大学大学院人文社会系研究科)
    本研究では3D映像観察時の眼精疲労が,像面位置と輻輳位置の不一致により生じるか,あるいは何らかの高次な認知処理によって生じるかを検証する。そこで従来の視差付与型の3D映像観察後の眼精疲労と,画面上に被写体と共役となる3D像面を再現する新3D映像を観察した後の眼精疲労を比較した。結果として像面位置と輻輳位置の一致だけでは,3D映像観察後の眼精疲労が決定されず,高次な認知処理も寄与していることが示唆された。
  • P3-30
    金山範明 (広島大学)
    小西宏奈 (広島大学)
    櫻井悟 (広島大学)
    松本知也 (広島大学)
    岡本泰昌 (広島大学)
    山脇成人 (広島大学)
    本研究では,ラバーハンドイリュージョンを起こす視触覚刺激呈示後300msまでに,感覚皮質間、および感覚皮質と頭頂皮質および前運動野にどのような関連があるかを、皮質間位相同期を指標に検討した。結果、刺激呈示後100 ms程度までに各感覚領域間で皮質間位相同期に、またそれ以降は、刺激した手の対側である右体性感覚野と、左右頭頂連合野、前運動野との皮質間位相同期に、視触覚刺激の空間位置の一致条件・不一致条件の有意差が見られた。
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