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学習

  • O2-1
    田中観自 (東京大学先端科学技術研究センター)
    渡邊克巳 (東京大学先端科学技術研究センター)
    試行錯誤を伴いながら連続的な動作を学習していく場合,エラー後の学習をどのようにするのかが重要である.本研究では,系列の学習中にエラーが生じたとき,系列の最初からやり直す場合とエラーが生じた場所からやり直す場合の学習効果を比較した.結果として,最初から系列操作をやり直す方が,その場でやり直す場合に比べて,少ないエラー回数かつ速い平均速度で操作できることが明らかとなり,効率的な学習方法であることが示された.
  • OS01-2
    苅宿俊文 (青山学院大学社会情報学部)
    石井理恵 (青山学院大学社会情報学部)
    本研究は、逆再生動画表現ツールを利用した芸術表現体験プログラムで行われる作品づくりのプロセスの研究である。特に、ツールが持っている試行誘引性と人間の行動特性がどのようなつながりがあるかについて注目している。研究方法としては、CCEを用いて明らかにした。本研究の対象は、大学のワークショップデザインという授業である。結果としては、4種類の行動特性を持つグループに分けることができ、その特性には省察が深く関わっていることが明らかになった。
  • OS04-1
    白水始 (国立教育政策研究所)
    今の学校教育は、教える側が決めたゴールに一定時間内で 到達させるような「後ろ向き」の学び方である点が問題である。 そこで本発表では、学校教育をこうした後ろ向きアプローチから、 前向きアプローチ、つまり学習をより高いゴールを目指した終わり なき追求と考える方向へと変換することを提案する。
  • OS04-2
    有元典文 (横浜国立大学)
    学校教育は、「変化の可視化」というテクノロジーによって、 学習者の可視的な変化を志向する実践になっている。しかし、 テクノロジーによって観察し得る変化だけが変化ではない。 本発表では、即興的、集合的、発達的、支援的といった 学校的でない要素を学校に持ち込むことで引き起こされる co-learn、つまり発達場のc-creationとしての「教育」概念に ついて議論したい。
  • OS04-3
    遠山紗矢香 (静岡大学大学院教育学研究科附属学習科学研究教育センター)
    益川弘如 (静岡大学学術院教育学領域)
    学習者同士が話し合うことで1人では解けなかった問題を解く「前向きな対話」ができる学習者を育成するための方法を検討した.日頃から前向きな学びを学校で経験してきた児童と,話型指導を受けて育った児童について,通称全国学テのB問題をペアで話し合いながら解かせた対話の特徴を比較した.その結果,前者の児童は短い発話を相互に繰り返しながら互いの考えの過程を吟味し合う発話が見られたが,後者では自分の考えを述べるのみで,考えを確かめ合う対話が乏しかった.
  • OS04-4
    広瀬拓海 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)
    本研究では,放課後活動に関わる実践者が「学習」をどのようにとらえているのかを検討した。実践者にとって「学習」を定義することは日常的なものではなく,それらは彼らの実践での経験や問題意識などをリソースに,例えば自分の見てきた子ども達を取り巻く問題とそれに対する対処の必要性を表明する語りとして即興的に語られた。本研究では加えて,コミュニティを構成することを「学習」とする観点からも彼らの活動を切り取り,それらと学校制度の関係についても検討した。
  • OS04-5
    伊藤崇 (北海道大学大学院教育学研究院)
    本研究の大きな目的は2つある.第一に,ウェアラブルセンサやデータ解析技術を応用し,授業中の教師と児童のコミュニケーション過程を可視化することである.第二に,身体の揺れや対面行動という観点から授業を振り返るための教師の授業改善ツールを開発することである.本発表では,これまでに得られた結果の一部を紹介する.
  • OS07-6
    井庭崇 (慶應義塾大学総合政策学部)
    岡田誠 (富士通研究所)
    金子智紀 (慶應義塾大学環境情報学部)
    田中克明 (コクヨS & T 株式会社)
    本論文では、「認知症とともによりよく生きる」ためのパターン・ランゲージである『旅のことば』を取り上げ、その作成プロセスについて論じたのち、読者からのフィードバックを紹介する。
  • OS08-3
    石井成郎 (愛知きわみ看護短期大学)
    鈴木裕利 (中部大学)
    板井陽俊 (中部大学)
    山下隆義 (中部大学)
    本研究では教育場面におけるグループワークの創造性に関して,(1)グループの社会的スキルとパフォーマンスの関係,(2)グループの社会的スキルと学習効果の関係について検討を行った.大学のプログラミング教育におけるグループワークを分析した結果,(1)社会的スキルの高い学習者ペアは高いパフォーマンスを発揮していた,(2)とくに社会的スキルに差のあるペアの社会的スキルが授業後に向上していたことが確認された.
  • OS09-1
    横山拓 (青山学院大学社会情報学研究科)
    鈴木宏昭 (青山学院大学)
    本論文は洞察問題解決の熟達化におけるメタ学習のプロセスを明らかにする.被験者1名に複数の洞察問題を解かせる実験を行ったところ,被験者が多様な問題群に対する向き合い方,すなわち知覚と行為を協調させながら,外的環境との巧みな相互作用を通じて問題を解決しようとする態勢(disposition)を形成していくことが示された.この過程は学習や発見の起こし方それ自体が学習されるメタ学習の過程であり,定型的熟達化や特定の解決策の学習とは区別される.
  • OS09-8
    縣拓充 (千葉大学コミュニティ再生・ケアセンター)
    神野真吾 (千葉大学教育学部)
    筆者らは千葉大学の一般教養の科目の中で,アーティストとの協働によるアート・プロジェクトへの参加を通じた,創造性の育成のための実践を行っている.本発表では,この実践の背後にある創造性の考え方やモデル,授業のカリキュラム,そしてインタビューや観察に基づく学生の体験を紹介する.現時点では,実証的な効果の検証は不十分と言わざるを得ないが,多様な創造性の捉え方を比較したり,創造性の育成方法を議論する上での,一つの材料を提供できたらと考えている.
  • OS10-1
    坪田康 (京都工芸繊維大学)
    発表者が受け持つ学部向け英語プレゼンテーションの授業では、口頭発表、ポスター発表、口頭要約などのスピーチを練習させている。練習時には、受講者同士のペアワーク、受講者と社会人が参加したグループワーク、Skype経由で英語話者でつないた状態で全員の前で発表等と、随時、聴き手を変えさせている。それぞれの発表練習においてどのようなインタラクションが行われているか、どのような課題が残っているかについて具体的な事例を交えて発表する。
  • OS10-2
    遠藤智子 (日本学術振興会・筑波大学)
    横森大輔 (九州大学)
    河村まゆみ (言語アノテータ)
    原田康也 (早稲田大学)
    授業内のスピーキング活動は、外国語を話す練習の場であるだけでなく、それ自体がコミュニケーションの場でもある。本発表は比較的自発的で、聞き手に向けての発話である『応答練習』アクティビティをデータとする。英語から日本語へのコードスイッチングに着目することで、学習者がどのようなメタ認知を言語化しているのかを明らかにする。また、それと関連して他のメンバーがどのように応答の産出に参与するのかを分析する。
  • OS10-3
    森下美和 (神戸学院大学)
    原田康也 (早稲田大学)
    著者たちのこれまでの調査で,日本人英語学習者はその習熟度によらず,wh 疑問文の統語構造についての知識が乏しく,また運用に結びつく訓練を受けていてないため,特に音声産出において大きな困難を伴うことが分かっている.本調査では,習熟度の異なる大学生に対して,授業内で平叙文・疑問文の再生または(平叙文からwh 疑問文への)転換を繰り返す練習を行い,その効果を分析・検討した.
  • OS10-4
    原田康也 (早稲田大学)
    森下美和 (神戸学院大学)
    コミュニケーション活動の中で英語の知識が定着し運用能力が向上することを実証することをめざして,インタラクションに基づく自律的相互学習について報告する.『仕事で英語が使える』ためには,大学英語教育においてアカデミックな学習活動の中で英語を使用する訓練を行い,文法・語彙の知識定着・運用の自動化・発音・リスニング能力の向上・英語でコミュニケーションを図ろうとする態度の育成が求められる.
  • OS12-4
    榎本美香 (東京工科大学)
    伝康晴 (千葉大学)
    本研究では野沢温泉村でのフィールドワークの成果を報告する。祭りの支度を共に行うことで、共同体〈心体知〉が経年的に習得されることを示す。心は成員たちの価値観や見識というエートス、体は力や身体配分などの共同活動技法、知は祭具の名称や用法などの共有知識を指す。祭りの準備活動3年間分の相互行為データと当事者の内省的叙述を分析する。参与者たちの動きは経年的に状況に応じた相互連携性を帯び、共同活動への参与技法が〈身体知〉であることを示す。
  • OS12-8
    山田雅之 (日本教育大学院大学)
    本研究はアイスホッケー初心者の子供を対象にスケートを滑れるようになるまでの過程における補助者のコーチング方法と認知の過程をフィールドで採取した研究である.本論文では初めてスケートを履いた4歳10か月児1名を対象に,約40分間の映像と音声について学習者の姿勢および,補助者が与える課題について検討した.結果から,補助者が学習者の状態に対して適宜課題を変えている可能性が示唆された.
  • P1-5
    市川淳 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    本研究では,3ボールカスケードの習得において,基本動作に従っていないような個人特有の身体動作が観察されるのか,加えて,個人特有の身体動作が観察された際,それは意識的な工夫である着眼点に基づいているのかについて実験的検討を行った.その結果,連続キャッチ数100回以上を達成したジャグラー5名のうち2名で,個人特有の身体動作が観察され,着眼点に基づいていることが確認された.これは,意識的制御が身体動作に作用することを示す.
  • P1-6
    新原将義 (筑波大学大学院博士後期課程)
    近年,教育現場に校外の専門家が出張して行われるワークショップ型の実践が急増している。本研究では,プロの音楽家によって行われた「音楽アウトリーチ」の事例から,参加者間の対話を詳細に分析し,ワークショップにおける教授・学習プロセスを「スキャフォールディング」及び「非スキャフォールディング」の2つの観点から整理すると共に,オーケストラの集団練習過程の相互行為分析(新原・茂呂,2014)との比較から,学校における実践特有の特徴について考察した。
  • P1-7
    岩田眞樹子 (放送大学教養学部(みどり市立笠懸南中学校))
    日々の授業実践において、多くの教師は、生徒の実態に応じて、指導のねらいを達成するために、指導内容を変えずに、より効果的な指導方法を教師が探究的に選択していく。今回、授業において、指導内容をそのままに、指導方法を変えたときに、根拠を適切に用いて課題解決ができる生徒がどのように増えるかを見て取りながら,子供の問題解決を効果的に支える「足場掛け」について考察した.
  • P1-8
    大塚翔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究の試みは,従来,認知心理学的に検討されてきた“ぼんやり”を,環境との相互作用の視点から問い直すことである。長時間のビデオデータ記録作業中の行動とインタビュー内容を分析した結果,人が,記録作業を局所的に組織化する中で「この状況では何もイベントが出ないはず」と見通しを立てており,その説明可能性をリソースに,自身の経験を“ぼんやり”と語っていた。本研究の議論は,“ぼんやり”の本質を「状況」に置くための視点を提案する。
  • P1-9
    堀内隆仁 (慶應義塾大学環境情報学部)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    スポーツスキル獲得を目指してからだメタ認知を行う学び手は、身体統合モデルの破壊と構築を繰り返す。その過程において、客観的パフォーマンスの低下に加えて学び手自らが身体統合モデルの構築に難航していることを自覚する状態をスランプと定義すると、学び手がスランプを回避するには、異分野で活動する人間を集めて語り合う場を設けることが有効であろう。分野が違うことによる語り方・考え方の根本的な違いをヒントとして新たな着眼点を得ることにつながるからである。
  • P1-16
    谷川由紀子 (NEC 情報・ナレッジ研究所/筑波大学大学院)
    鈴木栄幸 (茨城大学)
    加藤浩 (放送大学)
    福住伸一 (NEC 情報・ナレッジ研究所)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    情報システムの設計開発を担うソフトウェア技術者とユーザビリティ専門家に,仕事の経験や環境,仕事に対する認識をインタビューし,その役割認識と価値観に焦点をあてて分析した.その結果,ソフトウェア技術者とユーザビリティ専門家には,システム視点と利用者視点に基づく役割認識の違いや,制御焦点理論(Higgins, 1997)における予防焦点と促進焦点に類似する価値観の違いがあること,それが協業時の齟齬を誘発していることが示唆された.
  • P1-17
    石黒千晶 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究は芸術表現経験が触発体験にどのように影響するかを検討した。その際に、媒介変数として、芸術表現への有能感と芸術鑑賞の態度を仮定し、自分と他者の表現を伴う鑑賞態度が最も触発体験を予測し、芸術表現経験は芸術表現の有能感と自分と他者の表現を伴う鑑賞態度を媒介して触発体験に影響するという仮説を立てた。185名の大学(院)生を対象に仮説を検証する調査を実施した。重回帰分析と構造方程式モデリングの結果、仮説が部分的に支持された。
  • P2-6
    武田啓子 (日本福祉大学)
    本研究は,生活支援技術「車いすで平地の移送介助ができる」の学修内容を認知,精神運動,情意領域に区分したワークシートを用いて,講義,学内演習,実習後の評価から修得過程を吟味することを目的とした.評価区分ごとに学修内容を自己評価してもらい修得状況を検討した.結果,生活支援技術の修得過程として,学内演習での模倣から学ぶ基本的技術を反復練習し,対象者と関わる中で個別的技術を自己評価するなど,客観的に自分を認識する視点を育む必要性が示された.
  • P2-12
    三宅芳雄 (放送大学)
     この小論は活動の中で、学びがどう位置づけられるのかを考察し、議論するめの一つのエッセイである。人の活動は全体としてみれば、無数の事象がその実現に関わっているという意味で、大変複雑である。それを捉える枠組みも一つだけではない。ここでは、人の学びが活動のなかでどのように成立するのかを捉えるための枠組みの一端を提出し、議論の材料にしたい。
  • P2-13
    福永征夫 (アブダクション研究会)
     地球環境問題、資源・エネルギーの枯渇、災害や事故の巨大化、貧富の差の拡大、難病の発生、内外の対立と争いの激化など、21世紀に生きるわれわれが直面する地球規模の難題群に主体的に対処するためには、人間の認知と思考や行動に、部分/全体、深さ/拡がり、斥け合う/引き合う、競争/協調、という一見矛盾し二項対立する相補的なベクトルの間に融合という臨界性を実現していくことが必須の条件となるだろう。
  • P2-20
    川﨑貴子 (法政大学)
    マシューズジョン (中央大学)
    田中邦佳 (法政大学(非常勤))
    本研究では 1)音韻習得が進むと音響手がかりの利用に変化が見られるか, 2) L2音の音素弁別に必要な手がかりに注意を払い, 必要でない手がかりを抑制するようになるのか調査した. 調査の結果, 音韻習得が進んだ群は/s /と/θ/の差をより大きく評価し, /f/を含む同一語の話者間の違いは小さく評価した. JLEにとって習得が容易な/f/では抑制が起こり, /θ/の習得ではカテゴリ形成の音響手がかりを模索している段階だと考えられる.
  • P2-30
    小谷俊輔 (神戸大学)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
     漆芸に使われるヘラの製作技法の伝達場面における指導者とその周辺の分析を行った。具体的に指導者の発話・行動を観察し分析した。また製作の一連の流れを、それを構成する下位工程のユニットに分節化し、指導者の発話・行動の分析と関連づけ、指導者が目的の達成のために行う状況作りの特徴を明らかにした。また漆芸用ヘラの完成という目的に進む組織の創発において、逐一製作工程の細かい指示が出されるのではなく、ある種の「柔軟性」が存在することも示唆された。
  • P3-4
    中村嘉美 (放送大学教養学部)
    白水始 (国立教育政策研究所)
    小学生にとって理解困難な算数の単元において,自ら図を描き協調的に吟味することが理解を進めるかは重要な検討課題である。本研究では「割合」の単元で一人ひとりが選択した図で考えの可視化を図り,話し合いのツールとして活用する効果を検証した。5年生から6年生の10か月間にわたり同一児童を継続観察した結果,問題内容や難易に応じた作図選択が可能になり,作図が協調過程のツールとして活用され,成績向上に繋がった。
  • P3-5
    Ellina Rienovita (静岡大学)
    谷口政志 (静岡大学)
    河原正人 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学大学院情報学研究科)
    林勇吾 (立命館大学)
    協調学習は多種多様な考え方を取り入れることにより従来の教師と学生の1対1による学習よりよい回答結果を得ることを目指す手法である. 本研究では自尊感情と学習意欲に着目して協調学習に及ぼす影響に関して調査を行ってきた.実験ではエージェントを用いた学習環境の構築を行い,実学習状況でどのようなインタラクションがツールによる影響を受け,どのように自尊感情,学習意欲が変化していくのかを明らかにする.
  • P3-6
    小出允善 (明治大学理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究では、代理報酬が観察者のその後の行動選択に与える影響を調べた。実験では、被験者に2人のモデルがジャンケンをしている動画を見せた後、ジャンケンの動作を実際にしてもらった。このとき、モデルはある手で勝つ確率が他の手よりも高くなるように設定されていたが、被験者はそのことに気づいていなかったにもかかわらず、自らもその手を他の手よりも多く選択した。この結果から、報酬を伴う他者運動の観察が観察者の行動選択に影響を与えることが示された。
  • P3-7
    大崎理乃 (岡山大学)
    三宅なほみ (東京大学)
     本研究は,協調学習における理解深化過程を明らかにすることを目的とするものである.今回の発表では,ツールとしての機能機構図の有用性検討のため,教材に対応する機能機構階層図を作成し,学習者の発話を分析した結果,あるレベルの理解のために他のレベルの知識を使いながら説明を構築していること,あるレベルの説明に一定の合意に到達することで次のレベルに対する問いが発生し,対話のレベルが移動することが確認されたことを報告する.
  • P3-8
    大門貴之 (筑波大学人間総合科学研究科心理専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    須藤智 (静岡大学 大学教育センター)
    高齢者に共通するIT機器に対する学習困難さに関して,先行研究では系列的な問題解決の学習が高齢者と若年者で異なることを示した.本研究はその学習メカニズムを明らかにし実験データの説明を試みるためモデル比較ができるシミュレーションを行った.実験データから2つのシンプルな経路選択ルールを設定し1000回反復したところ,若年成人のデータについては部分的に実測値と適合を示したが,高齢者の学習を説明するにはより複雑なルールが必要であることが示された.
  • P3-9
    富田瑛智 (筑波大学システム情報系)
    須藤智 (静岡大学 大学教育センター)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
     本研究では,複雑な操作を必要とする日常的な機器として車載エアコンを対象とし,二重課題状況において,認知的な加齢の効果がどのように現れるのか検討した。実験では大学生と高齢者が,車載エアコンの操作課題を行った後,模擬的な運転課題と同時に車載エアコンの操作課題を行った。その結果,高齢者は模擬運転課題とエアコン操作課題を同時に行うことよりも,課題間の切り替えに困難を示している可能性が示された。
  • P3-10
    松熊亮 (首都大学東京大学院 人文科学研究科)
    本発表は社会文化的アプローチを理論的背景に同じケーキ屋で先輩-後輩関係にある職人1事例の検討を行う.協力者にはそれぞれ一回ずつの作業観察と仕事意識についての聞き取りを行った.作業分析では,以前の分析では違いが目立たなかった両者に作業没頭の度合いにおいて差異が見つかった.言語報告からは先輩が後輩に関わる態度や,両者の態度共有を示すやりとりが見られた.本事例検討を通して主体の試行錯誤とそれをささえる仕組みに関する考察を行う.
  • P3-19
    高橋秀明 (放送大学/総合研究大学院大学)
    放課後児童クラブ支援員の研修に関するアクションリサーチにおいて、支援員の仕事は「言葉で説明できない」「映像コンテンツが無い」という言説が得られた。これらの言説が発せられた背景を検討した結果、放課後児童クラブ支援員の研修に関しては、制度的な裏付けが始まったばかりであり、学問的な裏付けが不十分であることが分かった。
  • P3-22
    平真木夫 (宮城教育大学)
    小野耕一 (仙台市立中山中学校)
    The authors hypnotized that if the students were enhancing their meta-cognition, motivation became stronger and use of higher-order learning strategies became frequent. The results supported the hypothesis.
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