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感情

  • O2-4
    中田龍三郎 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)
     本研究は鏡を見ながら食事すると単に孤食するよりも食品をよりおいしく感じることを初めて報告する。この結果は従来考えられてきた気分(ムード)以外の要因も共食によるおいしさの向上に関係していることを示唆するものであった。さらに大学生でも高齢者でも年齢に関係なく鏡を見るとおいしさの認知は向上した。高齢化が急速に進む日本では高齢者の孤食が社会問題化している。本研究から孤食の問題に対処するうえで有用な高齢者の食認知に関する知見が得られた。
  • OS05-4
    田中章浩 (東京女子大学)
    井上照沙 (東京女子大学(現所属:東京大学))
    「行為を自分でおこなっている」という感覚である自己主体感は、予測可能性が高いときに強く、行為結果がネガティブなときに弱い。本研究では、ネガティブな予測を高めればネガティブ事象に対する自己主体感はむしろ強まるとの仮説を立て、実験的に検証した。実験の結果、ネガティブ声での自己主体感が強く、ネガティブ声割合が高いとさらに強くなる傾向が認められた。個人差を検討した結果、統合失調症傾向が高いほどポジティブ声での自己主体感が強まる傾向があった。
  • OS05-6
    渡邉翔太 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)
    参加者と操作対象の身体的な動作が同期する場面では,体性感覚と視覚の両感覚から入力される運動情報が時間的に同期していることが重要である。しかし,操作対象の随伴性を操作した研究はなく,時間的に同期していて随伴性が低い場合も,操作対象への身体保持感は生じるかは不明である。本研究では,操作対象の随伴性の程度を操作することで,操作対象への身体保持感に及ぼす影響の検討を心理・生理反応の側面から行った。
  • OS07-4
    田中伸之輔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    高齢者の人工物利用困難は,知覚・身体・認知的加齢から説明されてきたが,感情・動機づけの加齢変化についても検討が必要である。本研究は「高齢者が新奇な人工物を利用する際に怖がる」現象に着目し,感情・動機づけからの説明を試みる。オフィス用複合機の利用について年齢群比較を行った結果,高齢者は人工物利用を怖がる発話や行動が若年者よりも多いこと,および,怖がり行動が認知的加齢現象と合わさって利用困難を生み出すことを報告する。
  • OS13-2
    村田藍子 (北海道大学・日本学術振興会)
    西田洋司 (慶応大学)
    大家慧 (北海道大学)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    自他の間で情動が共有される現象は“情動伝染”と呼ばれ、共感性の基盤であると考えられている。しかし、従来の研究では他者の情動状態を観察した際の反応を一方向的にとらえるものが主流であったため、自他間で互いに影響を与え合うといった双方向的な過程を捉えることができなかった。本発表では双方の状態がリアルタイムで観察できる相互作用場面において、2者間の生理反応が同期する過程を示した実験研究について報告する。
  • P1-10
    吉村直己 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学)
    これまでの研究では退屈の原因を認知的な要因に絞って考えており感情全体的から退屈を検討した研究は行われていない. そこで本研究は質問紙を使って誘発性と覚醒度の2次元を使って退屈を予測する重回帰モデルを作成することを目的とする. 重回帰モデルの決定係数は.79であり,誘発性より覚醒度が退屈に大きく影響を与えている事が明らかになった.
  • P1-18
    米山佳那 (東京大学)
    石黒千晶 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    私たちは芸術作品を鑑賞しているときに、その作品を作った作者に思いを馳せることがある。本研究は、写真作品の現実性が作者に関する推測に及ぼす影響を検討する実験を行った。20名の実験協力者は、非現実的な写真を鑑賞する条件と、現実的な写真を鑑賞する条件にランダムに割り当てられ、計8枚の写真をそれぞれ5分ずつ鑑賞した。鑑賞中の発話データと鑑賞後の質問項目への回答を分析した結果、現実性の低い写真の方が作者に関する推測を促進することが示された。
  • P1-25
    速水慎太朗 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    森田純哉 (名古屋大学未来社会創造機構)
    平山高嗣 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    間瀬健二 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山田和範 (パナソニック株式会社)
    本研究では,なつかしさを感じさせることで活動意欲を引き出させ心理的な健康を促進させることが目的としており,なつかしさを感じさせるために,写真の提示を行う. 本研究ではなつかしさを引き起こす要因に記憶と興味の強さが関係していると仮定し,脳波からこれらの要素の強さを推定するために相関を調べた.結果として,興味の強さではβ波との関係性の強さが確認でき,記憶の強さではγ波との関係性の強さが確認できた.
  • P2-7
    松田憲 (山口大学)
    中嶌拓希 (山口大学)
    楠見孝 (京都大学)
    本研究は刺激にバナー広告を用い,インターバル(5分,1週間)と呈示方法(集中,分散),呈示回数(3,6,9回)の操作が単純接触効果に及ぼす影響を検討した。接触フェーズでは,架空HP上に18種類のバナー広告を大学生36名に呈示した。5分後ないし1週間後の評定フェーズでは,好意度,親近性,新奇性,懐かしさ,商品購買意図を7件法,再認を2件法で求めた。実験の結果, 1週間のインターバルにより,集中呈示条件における各尺度の評定値が上昇した。
  • P2-22
    小川有希子 (法政大学社会学部)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    金井明人 (法政大学社会学部)
    佐藤晃裕 (明治大学大学院理工学研究科)
    餘田尚彦 (明治大学大学院理工学研究科)
    本研究は日本映画『Dolls』を用いてフィクション映画の鑑賞過程における情動的共感を検証するとともに,非説明的な映像表現がどのような内的プロセスを活性化させるのか探ることを目的とし,鑑賞中の受け手の脳活動をNIRSで計測した.実験の結果,受け手の運動前野の活動量は登場人物の行為の経緯が提示されるに従い有意に上昇した.鑑賞中のMNSの活動を測定することで,映画のストーリーと演出がいかに受け手の共感を引き起こすか検証できることが示唆された.
  • P3-6
    小出允善 (明治大学理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究では、代理報酬が観察者のその後の行動選択に与える影響を調べた。実験では、被験者に2人のモデルがジャンケンをしている動画を見せた後、ジャンケンの動作を実際にしてもらった。このとき、モデルはある手で勝つ確率が他の手よりも高くなるように設定されていたが、被験者はそのことに気づいていなかったにもかかわらず、自らもその手を他の手よりも多く選択した。この結果から、報酬を伴う他者運動の観察が観察者の行動選択に影響を与えることが示された。
  • P3-11
    吉岡源太 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学大学院情報学研究科)
    本研究ではラッセルの円環モデルに対して,対人距離と反応の激しさを当てはめて,円盤形のロボットに円運動を行わせることで感情のような内的状態を表現させた.実験では実験協力者に運試しゲームを行わせて,ゲームの結果に応じてロボットに円運動を行わせて共感が生じるかを検証した.その結果,モデルに当てはめた運動に応じた反応を示すことで,より多くの利他行動が観測された.このことから,単純な円運動からでも内的状態を示すこと示唆した.
  • P3-12
    佐藤晃裕 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    自分がある行動しているとき、および他者が同じ行動をしているのを見ているときの両方で活動する脳領域をミラーニューロンシステム(MNS)と呼ぶ。また、人は無意識に他者のしぐさ等を模倣し、模倣された人は模倣した人に対して高い好感度を持つとされている。本研究では、被験者が書字動作を模倣されたときのMNSと報酬系の活動を機能的核磁気共鳴画像法で計測した。その結果、書字動作を模倣されたときにMNSと報酬系の機能的結合がより強くなることが示された。
  • P3-20
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    松井智子 (東京学芸大学)
    内海彰 (電気通信大学)
    隠喩的表現の面白さには,見劣り効果,すなわち不調和な2つの解釈の同時生起において,初めの解釈よりも、重要性や価値が低下し、見劣りする2つめの解釈が重要な効果を発揮すると考えられている.本研究では,44名の大学生に面白い隠喩的表現の提示前後での使用された語の印象変化を調査した.結果,「価値のある」「神聖な」そして「上品な」の印象低下,特に「神聖な」の低下が認められた.従って,隠喩的表現の面白さには,見劣り効果が関与する可能性が示唆された.
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