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社会心理

  • OS01-3
    田平博嗣 (株式会社 U'eyes Design)
    本稿では、アンケートやインタビュー調査で得られる意識下のデータと、行動観察やエスノグラフィック調査で得られる無意識下の行動データの比較、意味づけする。また、意識下のデータと無意識下のデータで構造化される認知的クロノエスノグラフィのプロセスと事例を示すことで、その特長とデザインリサーチとして期待される成果について述べる。
  • OS05-4
    田中章浩 (東京女子大学)
    井上照沙 (東京女子大学(現所属:東京大学))
    「行為を自分でおこなっている」という感覚である自己主体感は、予測可能性が高いときに強く、行為結果がネガティブなときに弱い。本研究では、ネガティブな予測を高めればネガティブ事象に対する自己主体感はむしろ強まるとの仮説を立て、実験的に検証した。実験の結果、ネガティブ声での自己主体感が強く、ネガティブ声割合が高いとさらに強くなる傾向が認められた。個人差を検討した結果、統合失調症傾向が高いほどポジティブ声での自己主体感が強まる傾向があった。
  • OS05-7
    小川昭利 (東京大学人文社会系研究科)
    平山いずみ (東京大学人文社会系研究科)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    これまでの非協力ゲームを用いたfMRI研究では,相手の行動を読むことに関わる脳活動が示されてきた.本研究では,非協力ゲームのひとつであるマッチングペニーにおいて,相手が手を読んでくるという認識に関わる脳活動をfMRIにより調べた.fMRIデータをモデルベース解析した結果,右側頭頭頂接合部が,相手が手を読むことと、読んだ結果を利用した行動決定を行うことの推定に関わることを示した.
  • OS06-5
    中村國則 (成城大学社会イノベーション学部)
    神田咲 (成城大学社会イノベーション学部)
    本研究の目的は,量刑判断に対して被疑者の画像が与える影響を検討することである.この目的のため,実験参加者に架空の事件に対する量刑判断を被疑者の画像(写真/イラスト)×被疑者の数(1人/3人)の計4条件のいずれかで行わせた.実験の結果,被疑者の数の影響は被疑者がイラストで提示された場合よりも写真で提示された場合の方が強いことが示された.
  • OS08-2
    近藤健次 (北陸先端科学技術大学院大学)
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学)
    創造性は様々な問題の解決のために重要であり,現在,創造性に関連するグループワークがいたるところで行われている.本論文では,ブレインストーミング,創造性の概念,グループワークの概念についての先行研究をレビューし,創造性のレベルおよびグループワークの目的によってグループワークの分類をおこなった.この分類に基づいて,グループワークの創造性に関する今後の研究についてのいくつかの方向性を示す.
  • OS13-2
    村田藍子 (北海道大学・日本学術振興会)
    西田洋司 (慶応大学)
    大家慧 (北海道大学)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    自他の間で情動が共有される現象は“情動伝染”と呼ばれ、共感性の基盤であると考えられている。しかし、従来の研究では他者の情動状態を観察した際の反応を一方向的にとらえるものが主流であったため、自他間で互いに影響を与え合うといった双方向的な過程を捉えることができなかった。本発表では双方の状態がリアルタイムで観察できる相互作用場面において、2者間の生理反応が同期する過程を示した実験研究について報告する。
  • OS13-3
    小池耕彦 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    中川恵理 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    角谷基文 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    定藤規弘 (生理学研究所心理生理学研究部門)
    ヒトは自分の行動に相手が反応する社会的随伴性に,すなわちコミュニケーションがオンラインであることに非常に敏感である.しかしどの脳領域が,コミュニケーションのオンライン性を検出する役割を果たしているかについては,明らかになっているとは言いがたい.本研究では,二者同時計測fMRI装置を利用して,オンラインコミュニケーション時には,小脳が選択的に反応することを明らかにした.
  • OS13-5
    加藤正晴 (同志社大学赤ちゃん学研究センター)
    北川智利 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    高野裕治 (同志社大学赤ちゃん学研究センター)
    木村聡貴 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    廣瀬治人 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    柏野牧夫 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    だれかと話しながら歩いている時,自分の歩調がつい相手に引き込まれてしまうことがある.我々は歩調引き込みの時間が長いほどその後の互いの対人印象が良くなることを見いだした.この関係は相手が初対面の時にのみ観測され,事前に交流を深めた場合には見られなかった.また歩行中の二人の発話の総重複時間によっても対人印象の改善は予測可能であった.特にペア歩行の初期段階では歩調引き込みと重複時間が独立して対人印象に影響を及ぼすことが示唆された.
  • OS13-6
    高橋英之 (大阪大学 / CiNet)
    伴碧 (同志社大学 / 大阪大学)
    守田知代 (大阪大学 / CiNet)
    内藤栄一 (CiNet)
    浅田稔 (大阪大学)
    様々な宗教行事において,楽器や体の動きなどによる集団のリズムシンクロがみられる.このように集団シンクロは我々の文化と密接に結びついている一方で,リズムシンクロがどのような心理的作用を個人にもたらすのかについては,まだわからない点が多い.本研究では,このような集団のリズムシンクロがパレイドリア錯覚(無意味な刺激の中に生き物を見出す現象)を促進するという我々が発見した行動実験とfMRI実験の知見を紹介したい.
  • P1-4
    正田悠 (同志社大学文化情報学部・日本学術振興会・Centre for Performance Science, Royal College of Music)
    阪田真己子 (同志社大学文化情報学部)
    Aaron Williamon (Centre for Performance Science, Royal College of Music)
    音楽演奏における観客効果を調べるために,10人のバイオリン演奏者に,自身にとって十分に学習された楽曲と挑戦的な楽曲を観客あり条件と観客なし条件で演奏してもらった.その結果,従来の研究と一致して,学習された楽曲では「観客あり」の方が,挑戦的な楽曲では「観客なし」の方が,それぞれよい評価を得ることが示された.実践的には,十分に楽曲を学習することによって人前でのパフォーマンスが向上する可能性が示唆された.
  • P1-10
    吉村直己 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学)
    これまでの研究では退屈の原因を認知的な要因に絞って考えており感情全体的から退屈を検討した研究は行われていない. そこで本研究は質問紙を使って誘発性と覚醒度の2次元を使って退屈を予測する重回帰モデルを作成することを目的とする. 重回帰モデルの決定係数は.79であり,誘発性より覚醒度が退屈に大きく影響を与えている事が明らかになった.
  • P1-21
    中村國則 (成城大学社会イノベーション学部)
    本研究の目的は,第2言語の使用が意思決定に対して合理的な反応を促進するとする異言語効果の影響を日本人参加者で検討することである.実験参加者は12種類の道徳のジレンマ課題を日本語か英語のいずれかで判断することを求められた.分析の結果,先行研究の知見は再現されたものの,先行研究の解釈に疑問があることも同時に示された.
  • P1-29
    長岡千賀 (追手門学院大学)
    本研究の目的は,資料上のいかなる表現が読み手の態度に影響するかについて特定を進めることである.発達障害に関わる資料を題材とした.他者の存在の有無,および,文言のネガティブ/ニュートラルを操作した刺激を作成し評価実験に用いた.結果から,他者との関わりについて本来の当惑と,刺激との相互作用,および,他者の存在の有無,および,ネガティブ語の影響について考察した.
  • P1-35
    徐貺哲 (千葉大学人文社会科学研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    本研究で注目したのは対人印象と顔全体かあるいは顔部分(顔のパーツ)との関連性である。特に、顔の印象形成には、目や鼻など、顔を部分的に着目するのか、それとも顔を総合的に観察するのか眼球運動を基に定量的に検証することを本研究の目的とした。
  • P2-7
    松田憲 (山口大学)
    中嶌拓希 (山口大学)
    楠見孝 (京都大学)
    本研究は刺激にバナー広告を用い,インターバル(5分,1週間)と呈示方法(集中,分散),呈示回数(3,6,9回)の操作が単純接触効果に及ぼす影響を検討した。接触フェーズでは,架空HP上に18種類のバナー広告を大学生36名に呈示した。5分後ないし1週間後の評定フェーズでは,好意度,親近性,新奇性,懐かしさ,商品購買意図を7件法,再認を2件法で求めた。実験の結果, 1週間のインターバルにより,集中呈示条件における各尺度の評定値が上昇した。
  • P2-11
    伊東昌子 (常磐大学)
    文末詞的に使用された顔文字の頻度が,送り手の受け手に対する身体的距離感に与える影響を調べた.独立変数は顔文字の頻度,受け手の性別,送り手が同性か異性かであった.状況設定は,お昼に友人を通して知り合った相手からメールがあり,来週の昼食に誘われるというものである.結果,顔文字が無しと少数使用の場合は,プロクセミックスにおける個体距離・近接相と遠方相の境界内外の距離感が喚起され,顔文字多用の場合は密接距離に近い距離感が喚起された.
  • P2-23
    小比田涼介 (筑波大学 人文社会科学研究科 文芸言語専攻 応用言語学領域)
    宮本エジソン (筑波大学 人文社会科学研究科)
    先行研究では、シャイな人々の自己開示を促進するCMC特徴に焦点が当てられてきたが、本邦では自己開示の促進に関わるシャイネス特徴について検討した。質問紙調査の結果、行動シャイネスは自己開示の抑制と関わっており、それがTwitterでは弱くなっていた。一方意識シャイネスは、直感に反し、自己開示と正相関にあった。意識的にシャイな人々は、他者から認められたいがゆえに不安を感じやすい傾向にあり、両者の正相関はその欲求の現れである可能性を示した。
  • P2-27
    福田怜生 (学習院大学大学院)
    本研究の目的は,広告への移入を向上させる要因を明らかにすることである。移入とは、消費者が物語に没頭した状態と定義され,広告の説得効果を向上させる状態としてマーケティング研究などから注目を集めている。しかし、これまでの研究では、移入を向上させる要因は十分に検討されてこなかった。そこで本研究では、広告形式と商品画像に着目し、これらが移入に及ぼす影響について検討を行った結果、物語形式と高品質商品の画像が移入を向上させることが明らかになった。
  • P3-17
    李冠宏 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
    金野武司 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    奥田次郎 (京都産業大学大学院先端情報学研究科)
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    人はやりとりを繰り返すことで記号コミュニケーションシステムを作り,記号を通じてお互いにコミュニケーションができる.このプロセスを支える神経機構の一つの候補として,ミラーニューロンシステムが考えられる.本研究では,実験記号論を用いた脳波計測実験を行うことで,記号コミュニケーションシステムの形成におけるミラーニューロンシステムの活動を調べた.実験の結果では,ミラーニューロンシステムの活動に基づいたシミュレーションプロセスの存在を示唆する.
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