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人とコンピュータのインタフェース

  • O2-3
    星田雅弘 (立命館大学大学院文学研究科)
    田村昌彦 (立命館大学文学部)
    林勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,エージェントとの会話において,どのような認知情報処理が影響するのかを検討した.既有知識に基づくトップダウン処理と,相手の振舞いに基づくボトムアップ処理に着目し,エージェントの印象とエージェントへの注視行動に与える影響を検討した.エージェントに対する認識の要因と,エージェントの振舞いの要因を操作し,言語選択課題を行った.その結果,エージェントの印象は2つの処理の影響を受け,注視行動はボトムアップ処理の影響を受けていた.
  • O3-2
    徳永弘子 (東京電機大学)
    紺野遥 (東京電機大学)
    日根恭子 (東京電機大学)
    武川直樹 (東京電機大学)
    離れて暮らす子どもとの遠隔共食が高齢の親の主観的幸福感に及ぼす影響を明らかにするため,ある高齢の母とその娘家族が遠隔共食をする2か月間を対象に,母のQOL評価を調べた.その結果,定期的な共食の習慣は高齢の母の「気分」,「体調」,「明日への意欲」を向上させることがわかった.要因として,高齢の親にとって子供家族との共食はリラックスして会話ができ,豊富で新鮮な話題が取得でき,コミュニケーションを通して共感を示すことが出来ることが挙げられた.
  • OS01-3
    冨澤晶 (電気通信大学)
    水戸和幸 (電気通信大学)
    板倉直明 (電気通信大学)
    水野統太 (電気通信大学)
    点図ディスプレイを用いてカタカナ文字の呈示条件と触識別特性の関係について調べた。順次および筆跡呈示において正答率、自信度、文字の分かりやすさが同時、移動パターン呈示よりも高い値を示し、識別時間が短くなった。また、正答率は、文字要素数が増えることで同時および移動パターン呈示で低下するが、順次、筆跡呈示では高い値で安定していたことから一度に呈示する情報量が文字識別に影響することが明らかとなった。
  • OS03-5
    鈴木聡 (大阪経済法科大学)
    人工物や想像上の存在を自身の身体や他者,自身の置かれた場とみなし,環境との相互作用を行う人間の認知過程を投射と呼ぶが,科学としての投射研究の方向性はまだ模索の段階にある.本稿では,この投射の認知過程について,認知過程の相対的な高次性と自身・他者・場という投射の元の違いという2つの軸に着目する.そしてこれらの投射に関わる現象について関連する研究や事例をこれらの軸に沿って振り返りながら,今後の研究の展望を述べる.
  • OS11-1
    高橋英之 (大阪大学・ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    大澤博隆 (筑波大学)
    魔女狩りなど,我々の社会は疑心暗鬼が存在しない敵をつくりだし,憎しみを増大させる.このような社会問題を考える実験パラダイムとして人狼がいないかもしれない人狼ゲームを提案する.本発表ではこのゲームの詳細について紹介するとともに,このゲームにおける人間の社会行動をロボットを用いて変容させる試みについて紹介したい.
  • OS11-8
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
    塚本亜美 (京都工芸繊維大学)
    寺岡弘貴 (京都工芸繊維大学)
    鶴田穣士 (京都工芸繊維大学)
    廣田敦士 (京都工芸繊維大学)
    早川博章 (京都工芸繊維大学)
    市川淳 (京都工芸繊維大学)
    田中一晶 (京都工芸繊維大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    大森隆司 (玉川大学)
    子どもたちの身体表現活動の場にロボットを導入することにより、子どもたちの主体性や成長の可能性を引き出すことを目指す。手始めに、リカレントネットワークを用いて、未知パターンに対する創発的な反応を観察できたので報告する。今後はさらに、内発的動機づけを付加し、ロボットに実装することにより、身体表現活動の場の様子に応じた適切な動作(主体的な動きに対してはそれを支持し、逆に受け身の動きに対しては自らが新たな刺激を生み出す)を可能にする計画である。
  • OS11-12I
    依頼講演
    西脇裕作 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    吉見健太 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    「誰が来るの?」この質問はどう引き出せるだろうか.ロボットは人に情報を正しく効率よく伝えることを求められてきたため,その話はわかりやすく「うんうん」と聞いていられる.しかしそれはある意味一方的であり,人からの関わりを引き出そうとするときにはこれまでの完結した発話をやめて,少し不完結な発話をしてもいいかもしれない.本研究は〈弱いロボット〉の概念を援用し,ロボットの発話に不完結さを備えさせ,人を対話に引き込む方略について議論する.
  • OS11-14
    内田貴久 (大阪大学,JST ERATO)
    高橋英之 (大阪大学,JST ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    島谷二郎 (大阪大学,JST ERATO)
    吉川雄一郎 (大阪大学,JST ERATO)
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    本稿では,人間とアンドロイド,小型ロボットを傾聴者とした際,被験者の自己開示態度がどのように変化するかを調査した.その結果,ロボットは人間と同程度の自己開示に関する発話を引き出すことが可能であることが示唆された.さらに,自己開示項目に関して,ロボットはネガティブな内容に関する自己開示を引き出しやすく,その中でも特に,人間に比べて情緒的側面に関する自己開示を引き出しやすい傾向が示された.
  • OS13-3
    田中伸之輔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    新奇な人工物の利用をためらう行動である“怖がり”が,加齢に伴い増大し,高齢者の人工物利用困難を招くことが指摘されてきた(田中・原田2015;2017).本研究では,怖がりの発生が人工物の特性によって異なるか否かを検討するため,新たに調理機器2種で怖がりを分析,比較を試みた.その結果,身体的リスクならびに自動性は怖がり発生に寄与せず,先行研究で示されたブラックボックス性,利用目的の複数性こそが怖がり発生に関わっていると示唆された。
  • P1-20F
    須藤智 (静岡大学大学教育センター)
    大木朱美 ((株)KDDI 総合研究所)
    新井田統 ((株)KDDI 総合研究所)
    本研究では,高齢者のスマートフォンの利用学習に対するグループ学習型講習会の介入効果を検討した。グループ学習型講習会では,実際のスマートフォンの利用場面を再現し,支援者と共にグループでスマートフォンを利用した。実験は4週間行われ,1週目の4週目のユーザビリティテストの成績を比較検討した。実験の結果,グループ学習群の4週目の利用成績は対照群よりも有意に向上した。発表では,結果をもとに高齢者のIT機器の利用学習の支援デザインを議論する。
  • P1-31F
    平田佐智子 (株式会社イデアラボ)
    宇野良子 (東京農工大学)
    大海悠太 (東京工芸大学)
    林淑克 (Reading大学)
    オノマトペ(擬音語・擬態語)の性質として、「パワン」などの新しい形の臨時オノマトペも自由に創作できる点があげられる。本研究では、臨時オノマトペがどのような状況で生成されるのかを検討するため、仮想的な触覚テクスチャにオノマトペ表現を付与する実験を行った。その結果、物理的テクスチャにはより慣習的なオノマトペが使用され、より新奇である反応遅延テクスチャには、より臨時オノマトペが多く使用されることがわかった。
  • P1-34F
    齋藤ひとみ (愛知教育大学)
    梅本崚太郎 (愛知教育大学)
    高橋芳奈 (愛知教育大学)
    野々垣真帆 (愛知教育大学)
    林穂波 (愛知教育大学)
    村上律子 (愛知教育大学)
    森岡優樹 (愛知教育大学)
    安田成 (愛知教育大学)
    本研究では,音のインタラクションにおけるエージェンシー認知の誘発要因について検討する.齋藤・中野(2016)では,エージェンシー認知については条件間に有意な差は確認できなかったが,意図ありの方が相手の音を真似るコピーチャンクや特定の音を鳴らしあうメロディチャンクの数が多い傾向にあることが明らかになった.本研究では,先行研究の問題点に基づき,実験システムを修正した.本論文では,実験の途中経過について報告する.
  • P1-37F
    藤原咲子 (岩手県立大学)
    小倉加奈代 (岩手県立大学)
    Bhed Bahadur Bista (岩手県立大学)
    高田豊雄 (岩手県立大学)
    パスワードの入力フォームの多くは,入力文字を伏字にすることで,パスワードの秘匿性を保っている.しかし伏字のフォームではユーザが入力した文字を確認することができず,タイピングミスが起こりやすく認証に失敗することがしばしばある.本研究では,タイピングミスの起こりにくいパスワードを作成することを目的とし,ユーザのタイピングミスの傾向分析,類型化に基づいたパスワード生成手法を提案し,その有用性を検討する.
  • P1-38F
    谷川由紀子 (NEC/筑波大学大学院)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    工学系と人文系の学生を対象とする質問紙調査を行い,使いにくい情報システムの利用場面での感じ方や行動,使いにくさに対する認識,さらにICT利用スキルやモノづくりへの意識を分析した.また各学部の1年生と3年生以上の比較を行った.その結果,使いやすさの主要因に対する認識は不変だが,使いにくさに直面した場合の感情,使いにくさの評価基準,使いやすさに向けた改善項目の優先順位づけに違いが確認され,違いの発生に工学教育が影響する可能性が示唆された.
  • P2-20
    新井田統 (KDDI総合研究所)
    原田悦子 (筑波大学)
    ICT利用時の待ち時間の問題は主に工学分野で議論されてきた.リッカート尺度による主観的な満足度評価の結果は通信システムの設計や制御に利用されてきたが,指標の意味を十分に議論してきたとは言えない.本稿では,待ち時間に対する満足度評価の心的プロセスが,時間評価の丁度可知差異の検出に基づくとする理論モデルを提案した.評価実験結果を用いて分析したところ,異なる二つの条件で取得したデータが,提案モデルに基づき同じ傾向を示すことが明らかとなった.
  • P2-39
    後藤靖宏 (北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科)
    電子書籍に感じる満足感の欠如や深く読み取れないといった“違和感”の実態を,文章の深層的な理解度を調べることによって明らかにした.短編小説の感想を書かせる問題と,文章には直接的に表現されていない事柄についての記述問題を作成し,電子書籍と通常書籍の読了後の点数を比較したところ,両者に差はなかった.この結果は,電子書籍に対する“違和感”は文章の理解度とは直接的な関係はなく,必ずしも合理的とはいえない先入観から発していると考えられる.
  • P2-40
    森下浩平 (大阪経済法科大学)
    西田健志 (神戸大学)
    本研究では,視線計測機器を利用して,第一著者の視線情報から得た注視個所を「見どころ箇所」として記録し,その視線情報を視線マーカーとして重畳表示することで,動画コンテンツの見逃しを防止し,視覚的にも分かりやすい動画視聴支援システムを提案した.検証実験では,実験参加者の視線位置はマーカーが非表示の場合に比べて,サンプルの視線との距離が縮まっていることが分かったため,注目箇所に誘導する手段としては有効であることがうかがえた.