研究分野

発達

  • P-1-4
    稲葉 みどり (愛知教育大学)
    本研究では、3歳から11歳、大人の発話資料を縦断的に分析し、言語発達や物語談話を構成する能力等について考察した。発話データはKH Coder 3を用いてテキストマイニングにより解析し、物語文の使用語彙の変化、内容的特徴、言語的特徴に焦点を当てた。11歳以降の発達の特徴として、情報を加えて描写を豊かにして話を面白くする工夫等、子どもの創造性の発達と物語を独自のものにしたいという希求が示唆された。
  • P-1-6
    孟 憲巍 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    小國 龍治 (立命館大学総合心理学部)
    仁科 国之 (大阪大学大学院人間科学研究科)
    村上 太郎 (常葉大学保育学部)
    水野 佑佳 (名古屋大学情報学部)
    ここ十年の間に一般の人々がヒトのこころをどのように捉えているかについて検討されるようになり,その重要性が国際的に強調されてきた。しかし,こころの発達的起源に関する検討やそこにジェンダーステレオタイプがみられるかどうかについては未だ不明な点が多い。本研究では,成人を対象とし,様々な認知能力の出現時期に関する信念にジェンダーバイアスが存在するかどうか,また,その傾向が回答文脈により異なるかどうか検討した。
  • P-1-30
    中田 龍三郎 (北星学園大学社会福祉学部)
    森 優花 (北星学園大学社会福祉学部)
    かわいいというポジティブな感情にも痛みの軽減効果が認められるか明らかにすることを目的として、お笑い、かわいい、あるいは中性の映像を見ながら冷水の冷たさをできるだけ我慢する実験を実施した。お笑い条件とかわいい条件は中性条件よりも有意に耐久時間が長かった。先行研究で指摘されたユーモア映像による笑いの鎮痛効果だけでなく、かわいい映像を見ることで生じる温かく癒されるといったポジティブな気分によっても鎮痛効果が生じると推測された。
  • P-1-41
    伊藤 崇 (北海道大学)
    電子テクノロジーにより,子どもが自分で自分の身体を計測すること可能となる.新型コロナウィルスの流行にともない,家庭での子どもの日常生活に検温実践が組み込まれた.7歳から9歳の子どものいる3つの家庭の生活を撮影した映像を観察したところ,検温が毎日のルーティンに組み込まれ,円滑に遂行されていた様子が見られた.具体的には,体温計や記録簿のある場所の身体化,および検温をめぐる親子の協働が観察された.
  • P-1-49
    奥田 祥司 (宝塚医療大学)
    後呂 智成 (紀和病院 リハビリテーション部)
    松㟢​ 由莉 (宝塚医療大学)
     学生は, 対象者が動くなかでどこを視ているのかを客観的に知るすべがなかった. そのため, 指導者から観察するポイントを教授されても実践することが難しくなっていた. そこで, 本研究は, フィードバックの違いによって観察視点の違いを明らかにすることで, 学生の動作観察を効率的に学習する方法を検討することを目的とした.
  • P-2-4
    多田 幸子 (上田女子短期大学)
    ChatGPTに焦点を当て,成人が,新技術である生成AIにどのような理解を形成するのかを探索的に検討した.複数回の使用の前後で描かれた生成AIをテーマとする線画と自由連想の結果に注目したところ,実際の使用を経て,参加者の理解は個別具体的な体験に基づくようになった.また,生成AIは,人間が操作するツールとして意識される一方で擬人的にも捉えられており,参加者にはヒト性を異投射しうる対象であったことが推察された.
  • P-2-7
    本多 明子 (神戸女子大学)
     本研究は,子どもの言語発達について,認知言語学の用法基盤理論,構文文法論の観点から考察を行うものである.子どもが言語を獲得していく過程において,構文とそこに生じる動詞をどのように融合させていくのかについて,データベースCHILDESに基づく調査の結果を提示する.動詞のタイプにより,構文の使用頻度に相違が見られること,またその相違には,構文のもつ意味構造的特性と構文同士の継承関係が関わっていることを指摘する.
  • P-2-56
    別府 さおり (東京成徳大学)
    石原 章子 (筑波大学大学院)
    奥畑 志帆 (佛教大学)
    井上 知洋 (香港中文大学)
    大柳 俊夫 (札幌医科大学)
    岡崎 慎治 (筑波大学)
    問題解決課題(Crack-the-Code)を用いた実験を行い,プランニングの構成要素に基づく発話カテゴリーを用いて課題遂行中の自発的な動作の機能の特定と分類を試みた.動作は情報の特定や整理,探索空間の制限や評価といった機能を持ち,問題解決の一助となっていることが推察された.解答の正誤との関連は明確には見出されなかった.
  • P-2-59A
    初田 響子 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    野中 哲士 (神戸大学)
    清水 大地 (神戸大学)
    熟達ダンサーの美しい動作はどのような動作なのだろうか.本研究は動作軌跡が重視されるラテンダンスを対象に,熟達ダンサーの動作特徴の同定を目的として定量的検討を行った.熟達ダンサーと非熟達ダンサーとの動作を比較した結果,前者はHeelと他の部位を左右方向へ巧みに協調させながら,主要動作部であるHipの軌跡を描いていた.一方,Hipの軌跡の対称性については,熟達者の中でも左右対称/著しく非対称の2方向に分岐する可能性が示唆された.