研究分野

音楽

  • OS-2-2-4
    公募発表
    田中 吉史 (金沢工業大学心理科学科)
    高村 茉莉 (金沢工業大学心理科学科)
    音楽に関する態度や行動が、音楽への関与の深化に伴ってどのように変化するかを、音楽への関与度が様々な10人に対する面接により検討した。低関与群では、音楽を環境音の一部や好きなコンテンツの要素の一つとしてとらえる傾向があること、中関与群では気分や感情への影響など、音楽聴取に伴う内面的変化に着目すること、高関与群では、自立したコンテンツとして、音楽を作り手からのメッセージとして捉え、人生において重要な位置づけを行うことが示唆された。
  • O-2-2
    清水 大地 (神戸大学)
    土田 修平 (お茶の水女子大学)
    大西 鮎美 (神戸大学)
    寺田 努 (神戸大学)
    塚本 昌彦 (神戸大学)
    過去,パフォーマーと観客間で生じる生理的同期の重要性は提案されてきたが,ダンスや音楽等のパフォーマンス場面については十分に検討されていない.我々はダンスバトルを企画し、現実のパフォーマンス時のダンサーと観客の心拍数を測定し,その同期を交差再帰定量化解析により検討した.結果,1)ダンサーと観客間に心拍同期が生じること、2)両者の社会的関係により,その程度が異なること、3)パフォーマンスの進行に伴い,その程度が変化すること,が示唆された.
  • O-2-3
    野村 亮太 (早稲田大学 人間科学学術院)
    佐藤 豪 (早稲田大学)
    映像の訴求力は,表現そのものだけで決まるのではなく,視聴者の情報処理も関与するため,直接観察することはできない.本研究では,瞬目情報だけから瞬目同期を引き起こす共通入力としての訴求力の再構成を試みた.再構成にあたって,パラメータの影響は大きくはなかったが,再構成された共通入力のピークは必ずしも印象に残ったシーンとは対応していなかった.今後,訴求力の性質に応じた生理指標データに適用していくことが有益である.
  • P-1-12A
    山口 星香 (放送大学大学院文化科学研究科)
    小野 貴史 (信州大学学術研究院教育学系)
    大西 仁 (放送大学教養学部)
    音楽を聴いている際の主観的時間と音楽の楽曲構造との関連を探求することを目的とし,2つの楽曲セット(4/4拍子ハ長調,3/4拍子ニ長調)を用いて一対比較法による主観時間測定を行った.オリジナルの楽曲に対し,リズムや音高などを変化させた16の変奏を比較聴取し,より主観的曲長が長く感じる方を選択する課題を実施した.Bradley-Terryモデルによる分析の結果,主観的曲長に伸縮が見られたのは3/4拍子ニ長調の楽曲セットのみであった.
  • P-2-6
    木村 真実 (早稲田大学大学院 人間科学研究科)
    野村 亮太 (早稲田大学 人間科学学術院)
    伴 崇弘 (埼玉大学大学院 理工学研究科)
    島田 裕 (埼玉大学大学院 理工学研究科)
    音楽ライブにおいて,観客の身体運動が同期するか否かを検討した.ロック調の楽曲,バラード調の曲調の異なる2楽曲において,小型携帯端末の加速度センサを使用し,音楽ライブ鑑賞中の観客27名の身体運動を計測した.全観客の身体運動時系列平均と観客個人の身体運動時系列平均を比較すると,観客はいずれの楽曲でも,同期傾向を示した.観客は曲調によらず,音楽的特徴に正確かつ即時に応答することで同期する可能性が示された.
  • P-2-25
    脇山 拓也 (電気通信大学)
    鍔木 悠里奈 (国立スポーツ科学センター)
    水村 真由美 (お茶の水女子大学)
    阪口 豊 (電気通信大学)
    ダンサーが音楽の拍に対して身体の動きをどのように合わせているかを明らかにするために,クラシックバレエの4種類の基本動作について,ダンサーの身体動作と音楽の拍(メトロノーム音)との時間的な関係性を分析した.その結果,多くのダンサーに共通して拍音と同期した運動特徴点がある一方で必ずしもすべてのダンサーが同じ特徴点と同期していないこと,動作の違いによって拍音と同期させる特徴点が異なることが明らかになった.
  • P-2-64
    眞崎 光司 (明治大学 国際日本学部)
    本研究は,「独学」で現代音楽の作曲家となったA氏のライフストーリーを分析することで,作曲学習における「独学」の可能性を探索し,長期間にわたって複数の実践・活動への参加と離脱を繰り返すインフォーマル学習としての「独学」の特徴を解明した.結果,A氏の「独学」過程は,作曲の学習とは関係の希薄な既存の物理的環境や既存の実践を次々に利活用・改変することで実現しており,学習環境のブリコラージュとして特徴づけられることが明らかになった.
  • P-2-66A
    上野 芙優 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究では, 脳波の時間周波数解析を用いて, 音楽的快感と驚き(予測誤差)の関係性を調査した. その結果, 前頭部におけるβ波帯域およびγ波帯域のパワー値の増加とθ波帯域のパワーの値の減少が, 主観的快感と, 統計的学習モデルを用いて算出した音楽的驚きの情報量と関連していることが示唆された. したがってθ, β,γ波帯域の活動が予測誤差により誘発された音楽的快感の脳メカニズムに深く関与していることが示唆された.