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相互作用

  • O1-2
    伴碧 (同志社大学)
    高橋英之 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    本研究では,身体的な同調運動が他者に対する意識的,無意識的な態度に与える影響を検討することを目的とした。サクラと同調/非同調運動をさせた後,サクラに対する態度を質問紙ならびに対人距離を用いて測定した。その結果,質問紙では類似感および囚人のジレンマの協力行動に条件間の有意な差が見られた。対人距離については,同調条件の方が非同調条件よりも有意に短い傾向にあった。この結果は身体的な同調運動が無意識的な他者への態度に影響を及ぼすことを示唆する。
  • OS04-5
    田中伸之輔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    高齢者の人工物利用困難は,知覚・身体・認知的加齢から説明されるが,感情・動機づけの加齢変化からも検討が必要である。田中・原田(2015)は,人工物利用場面での怖がり行動が加齢に伴い増加することを実験室実験から示した.本研究では,怖がりが日常生活場面ではどのように現れるか検討するため,高齢者コミュニティ活動内の人工物利用を観察した.その結果,日常場面でも怖がり行動が見られること,怖がり行動を抑制する利用場面の特性が存在することを示した.
  • OS06-3
    山内保典 (東北大学)
    意思決定にかかわった経験や調査結果に基づき,気候変動問題において,(1)関連情報に関する十分なリテラシーを習得し,(2)リテラシーに基づいて情報の真偽判断や取捨選択を行った上で,(3)適切に思考・判断することの難しさを列挙した.その上で,市民が持つべきリテラシーや、達成すべき合理性自体を見直し,民主主義的な社会的決定における倫理という観点から,市民参加の可能性を論じた.
  • OS09-1
    坂井田瑠衣 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/日本学術振興会)
    坊農真弓 (国立情報学研究所/総合研究大学院大学)
    本発表では,日本科学未来館での展示物解説活動において,サイエンス・コミュニケーター (SC) と来館者がいかにして共に「歩き出す」ことを了解するのかを例証する.来館者が歩き出すタイミングは,いかに当座のF陣形がSCによって変形されるか,あるいはいかにして発話連鎖が組織されるかに依存している.このような現象を,大部分が身体動作によって構成される社会的相互行為として捉え,会話分析に由来する隣接ペアと先行連鎖の概念を援用して議論する.
  • OS09-2
    徳永弘子 (東京電機大学)
    武川直樹 (東京電機大学)
    秋谷直矩 (山口大学)
    中谷桃子 (NTTアイティ株式会社)
    VMCシステムを利用した親子の遠隔共食会話の映像から,共食中の人の行動を事例的に検討した.その結果,VMCシステムは親子の食事空間にローカルモードと遠隔モードを形成し,親子は二つのモードを行き来しながらコミュニケーションを継続していることが示された.VMCシステムは互いに離れて住む親子に対し,相手のリアルな生活を伝えるとともに,共食コミュニケーションを楽しむ時間を提供したと推測できる.
  • OS09-3
    伝康晴 (千葉大学文学部)
    本研究では、柔術の技術指導場面を取り上げ、指導者が自己とパートナーの身体を使って攻防の技術を教授するやり方を分析する。事前に教授内容を知らされていないパートナーに対する手がかりを、練習生たちに宛てた発話や身振りの中に巧みに埋め込みつつ、指導者は説明の流れを止めることなく、身体的相互行為を効果的に提示する。このような相互行為の多重性をオープンコミュニケーションと関連づけながら論じる。
  • OS09-4
    寺岡丈博 (東京工科大学)
    伝康晴 (千葉大学文学部)
    榎本美香 (東京工科大学)
    本研究では野沢温泉燈籠祭りで実施される神楽の一つ,猿田彦の舞について分析する.猿田彦の舞は,囃子を笛や太鼓で奏でる奏方と舞を行う舞方からなる.囃子の旋律や舞の型は決まっているが,演奏や舞は毎回時間的に一定ではない.にもかかわらず、「返し」と呼ばれる囃子の区切りで笛と太鼓の出だしがぴったり合い、「返し」はしばしば舞の特定の箇所で生じる.本研究では,これらを可能にしている即興的調整を特定し,その特徴を明らかにする.
  • OS09-5
    榎本美香 (東京工科大学)
    伝康晴 (千葉大学文学部)
    本研究では、予め誰が何をするか決まっていない協働活動に参加するために、(1)目前の出来事に関心を向け、(2)手助けの必要性に気づき、(3)参加できる位置にいて、(4)手助けする能力があるという必要条件がどう満たされるかを分析する。手助けが発話により要請される場合、その発話を契機として関心や気づきが生じることを示す。また、参加要請がない場合、目前の作業の流れや周囲の他者の認知状態に関心を寄せ、自身の為すべき行為が発見されることを示す。
  • OS09-9
    高梨克也 (京都大学)
    他者の認知の利用と呼ばれる現象の生態学的価値について考察する.他者の認知の利用は2つの仮言命題の結合として定式化でき,この推論を生態学的に動機づけている要因は関連性の認知原理の観点から説明できる.特に他者の認知を推測することには,有用な環境情報がそのことによってはじめて得られるようになることがあるという利点がある.他者の認知の利用の最適化にはメタ学習が必要である.
  • OS12-2
    小出允善 (明治大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    自分が運動するときだけでなく、他者が行う同じ運動を観察したときにも活動する脳領域をミラーニューロンシステム(MNS)という。本研究では、対戦ゲームにおけるプレイヤーと観察者の脳活動の同時計測を行い、プレイヤーを応援することが二者の脳間の機能的結合に与える影響を調べた。実験の結果、応援しているプレイヤーが対戦ゲームで勝ったときに観察者のMNSとプレイヤーの運動前野の活動の機能的結合がより強くなることが示された。
  • OS14-1
    山田雅敏 (常葉大学)
    里大輔 (常葉大学)
    坂本勝信 (常葉大学)
    小山ゆう (常葉大学)
    砂子岳彦 (常葉大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究は,身体知と言語化に関する情報システムの解明を目的とする.先行研究では,学習者の一人称視点の言語化が,身体知の熟達に有効なツールであることが報告されている.一方,現象学の盲点ともいうべき他者性について,十分に議論されていないことが課題として残されている.そこで本研究では,他者性を考慮した身体知と言語化のモデルを構築し,実践的検証を行った.結果から、思考的パラメータに属する言語化が,身体知の熟達を妨げる可能性が示唆された.
  • P1-4
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では、視覚誘導性自己移動感(ベクション)が体感風速と体感温度に与える影響を検討した。実験では、閉眼で風のみを提示した場合と、ベクション映像を提示しつつ風を提示した場合での体感風速と体感温度の変化を比較した。その結果、ベクション映像の速さと提示された風速との相対的な違いによる体感風速と体感温度の変化が見られた。
  • P1-27
    新井田統 (KDDI研究所)
    石原妙子 (オージス総研)
    後舎満 (KDDI株式会社)
    塚本陽一 (KDDI株式会社)
    本稿では、コミュニケーションデバイスを参加型デザインで開発したプロジェクトに関して報告する。我々は、新たなデバイスをユーザと共創することを目的として、ハッカソンイベントを開催した。本イベントを通じて選定されたアイデアに基づきコンセプトモデルの作成と評価を行った。離れて暮らす祖父母と孫の間の世代間コミュニケーションを対象に評価実験を行ったところ、コミュニケーションの活性化が確認され、コンセプトの有効性が確認された。
  • P1-41
    高橋英之 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    佐武宏香 (大阪大学大学院 工学研究科)
    守田知代 (大阪大学大学院 工学研究科)
    浅田稔 (大阪大学大学院 工学研究科)
    内藤栄一 (CiNet)
    音楽合奏などのコミュニケーションにおいて,主導権をとるleaderと,leaderに追従するfollowerの役割分担がうまくとれることは重要である.本研究では,fMRIによる脳機能計測により,エージェントとのドラミング課題中の被験者の脳活動を計測した.その結果,被験者がleader的スタンスの際に報酬系の活動が高まることが分かった.この結果は我々にとって,leader的スタンスをとることは快であることを示唆している.
  • P2-8
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    安田和弘 (早稲田大学)
    園田耕平 (立命館大学)
    本発表では,障害物の高さの変化に伴い,跨ぎ越え動作がどのように変化するかを検討した予備実験の結果を報告する.本研究の背景には,生態心理学のアフォーダンス理論,自己組織化理論に基づく力学系アプローチの着想がある.今回,身体-環境の関係を示す行動安定性の指標として跨ぎ越える際の爪先とバーの距離の標準偏差を分析した結果,バーの高さによる変化はみられず,実験参加者間で,脚の長さや方略に多様性がみられ,個人差が影響したためだと考察された.
  • P2-13
    杉澤千里 (放送大学教養学部(富士市立富士南小学校))
    本研究では、音楽鑑賞授業の際に、対話的活動を入れること、また、この時の話し合いの視点として、楽曲に直接表れている顕在的属性を示すことの大切さ、について考えた。 この際、先行研究としての美術分野の対話型鑑賞法(VTS)の考え方を取り入れつつも、音楽の授業における対話的鑑賞法では、教師の役割を最小限にとどめ、子ども達同士の前向きな対話を促す事によって、より深い楽曲理解が進むことが明らかになった。
  • P2-17
    福永征夫 (アブダクション研究会 )
     21世紀に生きるわれわれが直面する地球規模の難題群に主体的かつ能動的に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の系の基本的なルールとよりよく適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境に中立的な認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.その条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調, という相補的なベクトルの間に融合という臨界性を実現して行くことであろう.
  • P2-30
    川端良子 (国立国語研究所、千葉大学)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    伝康晴 (千葉大学文学部)
    Clarkand Schaefer(1989)は、さまざまなパターンで基盤化が達成されることを示しているが、どのような状況において,どのようなパターンで基盤化が行われるかについては十分に研究が行われていない。本研究では、日本語地図課題対話コーパスを用いて、聞き手の理解が、話し手の言語表現によってどのように異なるかを分析した。その結果、言語表現によって基盤化のプロセスが異なることをが示された。
  • P2-31
    平田佐智子 (株式会社イデアラボ)
    小松孝徳 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
    本研究では、文字がもつ形態(直線や曲線)がある印象(やわらかさ・固さ)をもたらす現象を形態象徴(figural symbolism)と呼び、この現象が日本語の文字で見られるかどうかを検討した。丸い・角ばった吹き出しの画像とひらがな・カタカナを刺激とした実験を行い、組み合わせによって反応時間に変化が見られるか確認した。その結果、カタカナと角ばった吹き出しの組みあわせにおいて反応時間が短くなる現象が観察された。
  • P2-36
    尾関智恵 (岐阜大学大学院 工学研究科)
    寺田和憲 (岐阜大学工学部)
    人は身の回りに変化が起こると心的原因に基づいたものであるとする認知的性質がある.古来より人は「神」という概念存在にも意図があると考え,それをかたどった偶像は本来見えないとする「神」を具現化した人工物である.そのため,偶像を見た人に何らかの影響を与えていた可能性がある.先行研究として文字プライムで神や宗教に関する言葉は向社会的行動に影響する結果がある.これをもとに,仏像のような立体物によるプライムにも効果があるかを調査した.
  • P2-39
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,対象が自身と関係を構築し得る存在である可能性に気付く段階を踏まえた他者性モデルの構築過程を明らかにすることを目的としている.そこで,床面を回転・移動するだけの抽象的な形状のロボットを介した人同士のインタラクションを観察する実験を行った.本研究の発展により他者モデルの構築過程が明らかとなれば,人–人工物のファーストコンタクトにおける人工物の振る舞いをデザインすることが可能となる.
  • P2-41
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    本研究では,被験者に「嘘を吐く時に自身が考慮した」事柄を主観的に評価させるとともに,その評価と実際に「吐かれた嘘」とのの間にどのような関連性が見られるのか,探索的な検討をおこなった.その結果,「自責的にならないことを考慮する群」と「自責的な面を許容する群」,そして「全般にどんな事柄も考慮しない群」の3群が認められた.各群の被験者が吐いた嘘の内容にしたがった分類にも,同様の傾向が現れた.
  • P2-46
    赤木満里奈 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    近年のコンテンポラリーダンスの特質の一つに,表現活動の基盤を場の特殊性に依拠する,サイト・スペシフィックと呼ばれるものがある.本研究では,振付創作プロセスの中で環境との関係性による作品や動きの変容を明らかにすることを目的としている.振付・演出者の指示に着目してリハーサル動画を分析したところ,時系列に沿って指示内容が推移し,また振付も変容することが判明した.これは本番実施場所の環境的特性によるものだと考えられる.
  • P2-47
    山本真秀 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    声楽や合唱の指導の現場では,ジェスチャーや比喩が頻繁に使用される.本研究では,声楽のレッスンにおいて使用されるジェスチャーや言葉に注目する.レッスンの場で先生と生徒の間でどのようにして意図が共有されているのかを明らかにするために,ジェスチャーや言葉,先生の指示ついての生徒の解釈について分析を行った.その結果,一つの指示の後にそれを補足するような指示があること,また,背景にいくつかの指示を含んでいる指示が存在することがわかった.
  • P2-49
    小泉千尋 (青山学院大学大学院社会情報学研究科博士後期課程)
    本研究はサイエンスカフェにおいて、参加者のメンバーシップ(話題提供者、母親、学生など)がどのように変化するかについて検討した。結果、ファシリテーターによる参加者の他のメンバーシップへの言及がメンバーシップ変化を促し、個人の経験や感情を語ることを可能にしていた。また話題提供者は「話題提供者」として参加者のニーズに応じながらも,他のメンバーシップへと変化することで参加者とは異なる自身の見解を提示することを可能にしていた.