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推論・問題解決

  • O1-2
    服部郁子 (立命館大学 文学部)
    服部雅史 (立命館大学 総合心理学部)
    本研究では,ワーキングメモリーに対する負荷と課題の性質(否定の形式)が,因果帰納とそれに基づく判断にどのような影響を及ぼすのかについて,思考の二つのフレームの切り替えという観点から検討を行った.実験の結果から,ワーキングメモリーへの負荷および課題の性質(否定の形式)はそれぞれ,二つのフレームの切り替えに対する抑制と促進として働き,判断に影響を及ぼすという仮説が支持された.
  • OS02-1I
    依頼講演
    服部雅史 (立命館大学総合心理学部)
    従来,タイプ2過程がタイプ1過程のエラーを正すとされてきたが,近年では,タイプ1過程は,規範と適応,いずれの観点からも合理的であるとされることもある。本研究は,課題が複合目標を持つこと,合理性は目標多重性の中でを考える必要があることを主張する。また,タイプ1は習慣限定合理性を満たし,タイプ2は規範的合理性とメタ合理性を持ち合わせていることを指摘する。
  • OS02-2I
    依頼講演
    山祐嗣 (大阪市立大学)
    二重過程理論は、進化的に古いシステムと新しいシステムを想定している。前者は進化的合理性を、後者は規範的合理性を示す。古いシステムの出力が新しいシステムによって修正されるか否かという点で、両者には3種の関係がある。それらは、新しいシステムによる修正、両システムの出力が併存、新しいシステムによる古いシステムからの出力の合理化である。意思決定の歴史的記録の分析がこの問題に示唆を与えることが提案される。
  • OS02-3
    女川亮司 (東京大学総合文化研究科)
    進矢正宏 (東京大学総合文化研究科)
    太田啓示 (東京大学総合文化研究科)
    工藤和俊 (東京大学総合文化研究科)
    近年,運動場面におけるリスク志向選好が報告されている.本研究では,行動の成否が自身の運動で決まるか,自身以外の要因で決まるによってリスク感受性に差異が生じるか検討した.その結果,前者ではリスク志向的な行動が選好され,後者ではリスク中立的な行動が選好された.つまり,自身が運動するという文脈がリスク志向的な行動を引き起こす可能性が示唆された.これらの結果を踏まえて,運動場面でのリスク志向選好が持つ意義について,学習の観点から考察した.
  • OS02-5
    松室美紀 (名古屋大学 大学院情報学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学 大学院情報学研究科)
    寺井仁 (近畿大学 産業理工学部)
    二重過程理論においては,思考は直観的で自動的なタイプ1と論理的で注意を要するタイプ2の2種類のプロセスにより行われているとされている。本研究は数の推定におけるタイプ2のプロセスに焦点を当てている。2つの実験を通し,以下の点を明らかとした。第1に,推定プロセスは,推定対象である変数の分解,値の想起,計算の適用からなっていることを明らかとした。第2に,タイプ2による推定はタイプ1のプロセスにより生じたバイアスを緩和可能であることが示された。
  • OS04-3
    榎本美香 (東京工科大学)
    高梨克也 (京都大学)
    本研究では、現場指示の「これ」と「それ」のフィールド場面における使用をみる。野沢温泉道祖神祭りの準備活動6年分を対象とし、以下の3点を事例により示す。(1)話し手と聞き手が同一の共同行為に従事しているときには「これ」、(2)話し手が聞き手が異なる行為に従事しており、聞き手の操作する対象物は「それ」、(3)同一作業中に複数の参照物があるときには、話し手と聞き手と対象物との相対的距離によって「それ」と「これ」が使われる。
  • OS08-1I
    依頼講演
    佐藤有理 (University of Brighton)
    下嶋篤 (同志社大学)
    本発表では、情報視覚化の認知研究に関する背景説明を提供する。まず、Shimojima (2015) に基づき、図形表現における認知的に利用可能な特性を紹介する。次に、情報視覚化の認知研究の最近の動向を紹介する。データ可視化グラフィックスにおけるトップダウン的なグローバル認知処理、オントロジーとして記述されるような複雑な抽象情報の視覚化、情報視覚化のデザイン選択のレベル分類などに焦点を当てる。
  • OS08-3
    竹村亮 (日本大学)
    片桐恭弘 (はこだて未来大学)
    種々の問題形式について、オイラー図を用いたヘテロジニアス推論について検討する。とくに比較のために本システムにおけるオイラー図を使わない推論、すなわち文・論理式のみを用いた自然演繹推論も検討する。これにより、オイラー図を用いたヘテロジニアス推論の特徴を分析する。
  • OS08-5
    佐藤有理 (University of Brighton)
    Gem Stapleton (University of Brighton)
    Mateja Jamnik (University of Cambridge)
    Zohreh Shams (University of Cambridge)
    Andrew Blake (University of Brighton)
    オントロジーは概念間の単項の階層関係と二項述語関係からなる。このような複雑な知識を人間が効率的に使用するには、 それはどのように表現されているとよいのだろうか。この研究では、階層関係を集合論的関係として視覚化しそれを拡張した空間的表現(コンセプト図)と、二項述語関係としての意味連携をリンクとして視覚化しそれを拡張したネットワーク表現(SOVA)とを実験的に比較した。無矛盾判定課題において、SOVAを用いた群の成績が優れていた。
  • OS10-1I
    依頼講演
    小俣貴宣 (ソニー株式会社R&Dプラットフォーム)
    黒嶋智美 (玉川大学ELFセンター)
    萱場豊 (東京大学大学院経済学研究科)
    制約は創造的認知に関する先行研究において、制約は重要な役割を果たすと考えられている。製品開発における創造活動においても制約は重要な要因であり、企業にとってより望ましい産出物を創出するためには、適切な制約条件を見出し選択することが肝要である。更に言えば、そのような適切な制約条件を抽出するためには、多様な制約の本質的な理解が大事である。本発表では、創造行為における制約の理解という観点から分析を行った2つの事例を紹介する。
  • OS10-2
    新垣紀子 (成城大学)
    本研究では、既存の思考の枠にとらわれない、新たな思考をどのように生み出すかを研究するために、異なるタイプの二人の現代芸術作家が同じ展覧会に向けて作品を作成する過程をインタビューした。その結果、作品の生成過程は、全く異なっていた。モチーフとテーマが遠い場合は、普段生み出さないような新奇な作品コンセプトが生成されることがわかった。
  • OS10-4
    梁川祥吾 (東京工業大学 環境・社会理工学院 技術経営専門職学位課程)
    齊藤滋規 (東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 エンジニアリングデザインコース 准教授)
    本研究では,洞察問題における制約逸脱に対する歩行動作の影響を検証した.具体的には各被験者に対して,インパスに陥った際に歩行動作を行う条件,統制条件の2条件で洞察問題に取り組ませ比較した.歩行動作のみが制約逸脱に与える影響は示されなかった.歩行動作中に問題から離れた群の制約逸脱率は統制条件より統計有意に高かった.最終的に,歩行動作中に問題から離れることが制約逸脱に影響を与える可能性が示唆された.
  • OS10-5
    須藤明人 (静岡大学)
    藤原直哉 (東京大学空間情報科学研究センター)
    徳田慶太 (東京大学医学部付属病院薬剤部)
    本田秀仁 (東京大学大学院総合文化研究科)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    創造性を自動化する上で,生成した情報の評価指標を定めることが困難のひとつである.本研究では,情報を物理的な実体のある系と結びつけて考え,情報を得ることで系から取り出せる仕事の上限が増えることをその情報の価値としてとらえることを提案する.情報を系の状態を表現するものに限定し,取り出せる仕事の価値を認め,無限の価値を有する情報が存在しないという仮定のもとで,提案する指標が情報の価値として必要十分性を有することを論証できる.
  • OS12-1
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・情報学環)
    ダンスなどの舞台表現では,共演者や観客といった様々な要素間での相互作用が営まれる.我々は,共演者との相互作用について,ブレイクダンスのバトル場面を対象とし,距離を用いた検討を行っている.本研究では,特に各熟達者が有する独創的な相互作用の方略の抽出を目指し,清水・岡田(2017)のデータについて再分析を行った.結果として,熟達者によって異なる一定の距離をとること,距離を変化させるタイミングが異なること,などの多様な側面の差異が示唆された.
  • OS15-2
    前東晃礼 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    小田昌宏 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    中村嘉彦 (苫小牧工業高等専門学校)
    森健策 (名古屋大学情報連携統括本部)
    伊神剛 (名古屋大学大学院腫瘍外科学)
    本研究では,3D(3次元)イメージと3D印刷されたオブジェクトの利用が,熟達者と初学者の空間的推論に与える影響について検討を行った.本実験では,現役外科医が,肝臓の3Dイメージまたは3D印刷されたオブジェクトを利用して,肝臓の切断面の推測を行った.本実験の外科医のパフォーマンスと,先行研究(Maehigashi et al., 2016)で同一の課題を行った一般大学生のパフォーマンスが比較され,先行研究に基づく考察が行われた.
  • OS16-2
    阿部廣二 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    野沢温泉道祖神祭りの準備活動において問題が発見されていく過程の相互行為を分析した。分析対象は、祭りの「初灯籠」作りにおいて、灯籠の柱を切りするという問題であった。分析の結果、(1)一度問題への気付きが得られた後に、再度問題の確認を行うというシークエンスと、(2)以上のシークエンスを通して参与者らに問題の気付きが共有されたにも関わらず、アジェンダ設定を保留するということが行われていたことが見出された。
  • OS17-6I
    依頼講演
    時田真美乃 (信州大学)
    平石界 (慶應義塾大学)
    心の状態についての再帰的事象を認識する能力には,論理-数学的知能が関連するだろうか.本研究では,金額当てゲームを開発し,3次および5次の志向意識水準を用いた回答の割合と,論理-数学的課題(for 文)の 5次までの多重ループ課題との正答の割合の関係性を分析した.結果は,論理-数学的課題において,5次までの多重ループ課題を正答するグループは,金額当てゲームにおける3次および5次の志向意識水準を用いた回答においても,正答率が高かった.またこの正答率とマキャベリア二ズム尺度についても関連が見られた.
  • P1-2F
    下嶋篤 (同志社大学文化情報学部)
    Dave Barker-Plummer (Center for the Study of Language and Information)
    図的表現の重要な特徴の一つは、複数の図要素が集まって特定の知覚的パターンを形成し、それによって大局的な情報を伝えることができることである。本発表では、論理学的アプローチにより、そもそもなぜそうした知覚的パターンが特定の意味をもつのかを明らかにする。また、こうした論理的知見が、図の知覚的パターンの読解に必要な心理的条件や、関連するいくつかの重要な心理的現象の機序にどのような光を当てるのかについても考察する。
  • P1-3F
    光田基郎 (大阪教育福祉専門学校)
    「情報の量と分析の必要性」を述べた31文を専門学校生51名に画面で 閲読させて、対面での小集団討議を求めた際、集団内の司会者群は「閲読中の視点変更の程度」の評定値と内容理解成績とが負相関、「集団内のリーダーシップの評定値」とは正相関を得るが、それ以外の参加者役、役割を決めない対等群は逆の相関を示す。以上より類推による既知感促進とメタ認知制御の抑制を示唆した。
  • P1-6F
    松林翔太 (名古屋大学大学院 情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院 情報学研究科)
    寺井仁 (近畿大学 産業理工学部)
    変則的な事例に対して,表面的な入出力に着目する記述的対処方略と,構造的なメカニズムに着目する説明的対処方略を定義し,それぞれの性質について実験を通して検証を行った.その結果,課題の難易度が低く単純な場合は説明的方略のほうが課題成績は高かった一方,複雑な場合には記述的方略のほうが要したコストも小さく,成績が高いことが示された.特に,従来研究ではあまり重要視されてこなかった記述的方略の性質を明らかにすることができた.
  • P1-7F
    白砂大 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本田秀仁 (東京大学大学院総合文化研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部認知情報科学講座)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    二者択一課題において,問題文で提示された対象と選択肢との双方のfamiliarityの類似性に基づく推論方略「familiarity-matching」,および具体的な知識を利用したと考えられる複数の推論方略について,各推論プロセスをモデル化し,参加者の選択をどの程度予測できるかを検証した。結果,familiarity-matchingが広く利用されること,また主観的困難度の高い問題では多数の属性が考慮されやすいことが示唆された。
  • P1-9F
    髙岸悟 (放送大学)
    本研究の目的は、① 学習者・保護者・研究者の協調により学習者がより賢くなれる型を作ること、② その型を用いて学習者が自らの学習上の問題解決を主体的に行えるようになること、の2点である。また、今回は3つのケースを取り上げたが、まだ始めたばかりの研究で、思うような結果を出せていない。今後は、問題設定、三者の話し合いの場、またその前後のスタイルを改善していく予定である。
  • P1-10F
    河上章太郎 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    金野武司 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    人は,記号に字義通りの意味と言外の意味を割り当て,互いにコミュニケーションをする.我々は,人と計算モデルによる記号コミュニケーションによる実験を行なった.先行研究では,計算モデルどうしのシミュレーションでは協調課題を解けることが確認された.しかし,本稿ではそれと同じ仕組みが,人との間ではうまく機能しなかったことを報告する.また,その原因は計算モデルが失敗事例を学習する仕組みがないからではないかと示唆する.
  • P1-11F
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では透明性錯覚におけるメッセージの内容と伝達の文脈による影響を実験によって検討した。実験では褒め言葉と貶し言葉の2パターンのメッセージのタイプと、それらを相手に伝えるべく言う状況および気づかれないように言う状況の2種類の状況について、各条件化での透明性錯覚の程度を比較した。
  • P1-24F
    山川真由 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    清河幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では共通点の探索がアイデア生成に及ぼす影響を検討した。「タオルの通常とは異なる使用法」を考える課題に取り組む前に,タオルと関連性の低い語との共通点を探索する条件(共通点探索条件)と,タオルからの連想語を列挙する条件(連想語列挙条件)を設定した。共通点探索条件において,タオルの顕在的でない特徴の活性化が促進されることが確認されたものの,アイデアの質に及ぼす影響は見られなかった。
  • P1-26F
    杉本磨美 (電気通信大学 情報理工学研究科)
    伊藤毅志 (電気通信大学 情報理工学研究科)
    人狼は、近年注目を集める不確定情報ゲームである。しかし、認知科学的にプレイヤの思考過程を調べた研究はまだ少ない。本研究では、5人人狼を対象に、役職としての情報を得られない村人を対象に、どのように意思決定を行っているのかを調べて、その意思決定過程のモデルを提案する。
  • P1-36F
    寺井仁 (近畿大学)
    横山翔 (近畿大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    藤村聡太 (近畿大学)
    中山剛太郎 (近畿大学)
    本研究では,大局的な構造(上位規則)への認知が,局所的な規則(下位規則)の発見とそれに基づく現象の説明的理解に及ぼす影響について,ライフゲーム(Conway’s Game of Life)を規則発見課題とした実験的な検討を行った.その結果,(1)上位規則を含まない条件であっても,上位規則に類する構造を積極的に見出すこと,また,(2)上位規則を生み出している下位規則の探求に進むことが困難であることが明らかとなった.
  • P1-45
    山森良枝 (同志社大学)
    In this paper we will be concerned with the adjectival interpretation of inflected tense morphemes –ta in Japanese predicates in Japanese adnominal clauses.
  • P2-4
    張寓杰 (東邦大学理学部情報科学科)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    上西秀和 (獨協医科大学基本医学情報教育部門)
    菊地賢一 (東邦大学理学部情報科学科)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    本研究では,張ほか(2013)の研究で構築した日本語の計算モデルにおける,日本語の名詞と動詞の関係に名詞と形容詞の関係を加え,計算モデルを拡張し,心理学実験によりモデルの妥当性を検証した.また,今までの研究成果の発展的応用として,帰納的推論の検索システムをプログラミング言語PHPにより構成した.この検索システムは現在ローカル環境に限定されているが,今後WEB上での一般的利用を予定している.
  • P2-12
    中野良樹 (秋田大学教育文化学部)
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校電気工学科)
    た.解決への自信度は時間経過とともに低下し,完成直前でも上昇しなかった。つまり,作業者は目の前の状態が完成に近づいているかを正しく推定することはできなかった.一方で、課題そのものの難易度は正しく評定できていた。視線移動に関しては、解決力の高い作業者はピース配置という問題空間を全体的に走査して捉える傾向があった。
  • P2-28
    田村昌彦 (立命館大学)
    本研究では,不確かな状況下での意思決定における選択変更率の性質について検討した。このような状況における選択変更率に上限が存在することは指摘されている。しかし,これらがどのような条件で変動するかなどについては検討されていない。そこで,本研究では非線形回帰分析を用いて検討した。
  • P2-30
    清河幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,評価の対象となる課題への取り組み(試行)が「自分のもの」なのか「他者のもの」なのかといった動作主に関する認識がモニタリングの適切さに及ぼす影響を,洞察課題であるTパズルを用いて検討した.実験参加者に対して1分ごとに「どのくらい解に近づいているか」に関する評価(warmth評定)を求め,自分で課題に取り組みながら評価を行った自己試行評価条件と他者の試行に対する評価を行った他者試行評価条件の間で比較を行った.
  • P2-31
    福永征夫 (アブダクション研究会)
    地球規模の難題群に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の循環の論理と適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境の変化に中立的な,高深度で広域的な高次の認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.その条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調,などの一見矛盾し二項対立する相補的なベクトルの間に,融合という臨界性を実現して行くことであろう.
  • P2-36
    橋爪一治 (島根大学大学院教育学研究科教育実践開発専攻)
    森脇春奈 (前島根大学教育学部)
    本研究は,文字や記号に関する大域傾向はいつごろからみられるのかなど,子どもの成長による注意能力の特徴を明らかにすることを目的とした。被験者は小学校児童36名,大人10名,計46名であった。PC画面上に小さな記号や文字(局所文字記号)で形づくられた別の大きな記号や文字(大域文字記号)が表示された。被験者は,大域文字及び局所文字記号を回答し,その時間を計測した。その結果年齢の増加による発達の特徴が確認された。